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【昭和の名車 130】GC10型スカイライン2000GTは、後のスカイライン人気を決定づけた

掲載 更新 7
【昭和の名車 130】GC10型スカイライン2000GTは、後のスカイライン人気を決定づけた

以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「日産 スカイライン 2000GT(GC10)」だ。

日産 スカイライン2000GT(GC10型):昭和43年(1968年)9月発売
日産自動車は、1968(昭和43年)年9月にスカイライン2000GT(GC10)のフルモデルチェンジを行った。ここから日産が吸収合併したプリンス自動車時代のスカイライン(S54)から脱却し、本格的に日産のスカイラインとなった。レースでの活躍を前提にしたフラッグシップ的存在としてスカイライン 2000GT-R(PGC10)が翌1969年に登場するが、一般的にスカGと呼ばれるのがスカイライン2000GTで、これが以後のスカイライン人気を決定づけた。位置づけとしては、先代のスカイラインGT-BがスカイラインGT-Rに相当し、GTはその一般訴求モデルであるGT-Aに当たるといえるだろう。

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スタイルは、旧型が古めかしさを隠せなくなっていたところを刷新した。いわゆる「ハコスカ」として一世を風靡するような普遍的なカッコ良さを体現したのは特筆されるところだ。ちなみに旧型に比べ、全長で195mm長く、全幅で100mm幅広く、全高で20mmと低くなって精悍さを増したことで、若者の心を掴んだ。

エンジンは、L20型と呼ばれる2Lの直6 SOHCだ。当時セドリックに搭載していたL20型シングルキャブレター付きエンジンをベースに、圧縮比を8.5から9.0に高めるとともに、細部を改善して高速型としている。6気筒エンジンが持つ等間隔燃焼のバランスの良さ、静粛性の高さに加え、7ベアリングクランクシャフトを採用したことにより、当時としては高い高速耐久性を持った。シリンダーヘッドはアルミ合金で軽量化するとともに冷却効率も高めている。キャブレターは2バレルのシングルでスポーティな味付けとしながらコストを抑えた。

ベースとなったシャシはスカイラン1500デラックスだが、6気筒のL20を搭載するにあたってS54のときに用いた手法と同じく、エンジンコンパートメントを195mm延長して押し込んだ。乱暴のようにも思えるが、このあたりもスカG信者には納得の手法だったのかもしれない。

サスペンションは、前:ストラット/後:セミトレーリングアーム式の四輪独立式だ。GT-Rと同じ形式としたことで、高速安定性や操縦性を確保していた。ただし、GTの乗り心地はタイヤサイズの設定との相乗効果もありソフトな方向だったようだ。ロールは大きいが60mm増大したトレッドと、太めのスタビライザー、そして4輪独立の接地性の良さが加わって操縦上の不安はなく、ラフロードでもピッチングが最小限で、走行安定性はリジッドアクスルのものとは雲泥の差だった。

フロントにはディスクブレーキを採用している。これでGTカーにふさわしい制動性能を持たせるとともに、安全対策としてタンデムマスターシリンダーとすることにより、前後どちらかのブレーキラインから液漏れがあったときも、ブレーキ機能が残るようにされている。

室内もGTの名を裏切らないものとなった。フロントシートはバケットタイプだ。見た目だけでなく比較的薄いパッドで形状を良くしたことからサポート性もすぐれ、長時間の運転でも疲労が少ないものだった。前後に約160mmアジャストできるほか、それまではローバックシートが当たり前だったのが、安全対策として標準仕様でリクライニングヘッドレストを備えるようになった。リアシートは旧型に比べると格段に足もともショルダースペースも広くなった。これは長距離を走るGTという目的に適ったものといえる。

スカイライン2000GTの人気は、この後1972年に登場したケンメリ以降もさらに増していくことになり、スカイライン神話の礎となっていく。



日産 スカイライン2000GT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4430×1595×1390mm
●ホイールベース:2640mm
●重量:1090kg
●エンジン型式・種類:L20型・直6 SOHC
●排気量:1998cc
●最高出力:105ps/5200rpm
●最大トルク:16.0kgm/3600rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:6.45-14 4P
●価格:86万円

[ アルバム : スカイライン(GC10型) はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

7件
  • 箱スカは今見るとすごく小さい
  • プリンス自動車の人たちは2000GTにもG型エンジンを載せたかったでしょうね。4気筒はG型とL型がしばらく共存していましたが6気筒はこの段階で無くなってしまいました。しかしG型の後継器と云えるのがS20だったと思います。
    たらればの話ですが、プリンス自動車が存続していたら日産とは一味違う車を作っていたのではと思いますね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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