トヨタのライトバンといえば、プロボックス/サクシード。発売から実に17年も経っているが、進化を続けている。
2018年12月3日には一部改良とともに、待望のハイブリッドを追加した。
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さっそく、プロボックス、サクシードに試乗したので報告しよう。はたして、プロボックスハイブリッドはどんなクルマだったのか?
文/ベストカー編集部
写真/池之平昌信
初出/ベストカー2018年2月26日号
■ハイブリッドは1.3Lに比べ44万6040高、1.5Lに比べ27万円高
2018年12月3日、商用バン「プロボックス」「サクシード」を一部改良し、新たにハイブリッドモデルを追加した。
そのほか、一部改良の大きなポイントは衝突回避支援システムをこれまでの「Toyota Safety Sense C」から、昼間の歩行者検知機能を追加したプリクラッシュセーフティを備える「Toyota Safety Sense」に進化させたことだ。
エンジンラインアップは、プロボックスがハイブリッド車、1.3Lと1.5Lのガソリン車で3タイプ。サクシードはハイブリッド車と1.5Lのガソリン車の2タイプ。
DX、DXコンフォート、GL、Fとハイいう4グレードそれぞれにハイブリッドが設定されており、ハイブリッドの価格は、DXハイブリッドが181万9800円、DXコンフォートハイブリッドが185万6520円、GLハイブリッドが192万7800円、Fハイブリッドが196万5600円。
ガソリン車とハイブリッドの価格を比較してみると、ハイブリッドと1.3L車では全グレード(FF車同士)44万6040円ハイブリッドが高く、ハイブリッド車と1.5L車では全グレード、ハイブリッドが27万円高い。
■価格差の一例
プロボックスハイブリッドDX/181万9800円
プロボックスDX(1.5L、FF)/154万9800円(ハイブリッドの27万円安)
プロボックスDX(1.3L、FF)/137万3760円(ハイブリッドの44万6040円安)
ハイブリッドシステムはアクアと同じTHSIIのハイブリッドシステムで、最高出力54kW(74ps)/4800rpm、最大トルク111Nm(11.3kgm)/3600~4400rpmを発生する 1.5L、直4エンジンに、最高出力45kW(61ps)、最大トルク169Nm(17.2kgm)を発生するモーターと組み合わせている。
燃費性能ではWLTCモード燃費で22.6km/L、JC08モード燃費で27.8km/Lを実現。「平成27年度燃費基準+25%」を達成するとともに「平成30年排出ガス基準75%低減レベル」の認定取得と合わせて「エコカー減税」の対象とした。
さらにハイブリッド車では、オートエアコンやシートヒーター(運転席にオプション)、運転席横のスペースにセンターコンソール小物入れを設定した。
■じっくり乗ってわかったプロボックスの良さ
プロボックスとサクシードに追加されたハイブリッドモデルは目に見えない専用技術や装備がいくつも与えられている。1.3Lに比べると44万6040円高いが、ハイブリッドモデルのシェアは約35%に上るというから凄い。
さて、ここからはプロボックスにじっくり乗ってわかったポイントを報告していこう。
(1)燃料タンクがアクアよりも大きい。ハイブリッドシステム自体はアクアのものだが燃料タンクは36Lから42Lへと拡大。満タン1000km近い航続距離を手に入れた。
(2)乗り心地がよくなった。プロボックスのガソリンモデルの乗り心地は〝ひどい〟というほどではないが、ハイブリッドは、ピッチングを抑制するバネ上制振制御を採用するため、フラットな乗り味を手に入れている。
(3)後席の足元が広い。ハイブリッドモデルはFFのみだが、4WDのことを考えていないためトンネルのないフラットなフロアになっている。
(4)雪や凍結路に強い。凍結時など低ミュー路での発進時はモーター発進だからスムーズな発進が可能になる。
そしてガソリン車を含め歩行者対応の自動ブレーキや盗難防止用のイモビライザーが標準装備となったことで、働く女性たちにも熱い支持を得ていると聞いて納得!
安心、安全、お得で扱いやすいとくれば、納得。今回市街地を40kmほど走った燃費は17.2km/Lと実力をみせつけた。
■プロボックス/サクシードの簡単歴史解説
最後にこれまでのプロボックス/サクシードの歴史を簡単におさらいしておこう。
プロボックス/サクシードは実は17年前の2002年7月にデビュー。その後、ほぼ毎年細かい一部改良が行われ、1回目の大がかりなマイナーチェンジが行われたのは2014年8月。
プラットフォームは新型エンジンとCVTを搭載するにあたり、前半分のプラットフォームをこれまでのNBCプラットフォームからBプラットフォームに変更。
そのままでは搭載できないため、幅を60mmカットした上で従前のアッパーボディと組み合わせるという神業ともいうべき大変更を施している。
4輪のサスペンション構造を最適化し、車両全体の剛性を引き上げ、リアタイヤの安定感を保つことで高速走行時の安定性、静粛性の向上などを実現しているまた純正装着タイヤのサイズも165 R13LT-6PRから155/80 R14に拡大。直進性や操縦性を高めている。
プロボックスとサクシードではボディサイズが異なり、全長はプロボックスの4195mmに対して、サクシードが4300mmと105mm長かったが、今回からサイズを統一。4245×1690×1525mm(全長×全幅×全高。4WD車の全高は1530mm)になり、全長は両モデルのおよそ中間ほどとなった。ホイールベースは変わらず2550mm。
エクステリアはフロント周り(フロントバンパー&グリル、ヘッドランプ)やリアコンビネーションランプのデザインを変更(サクシードと同一のエクステリアデザインとなる)。
2016年8月には軽自動車を除く4ナンバーの商用車で初搭載となる衝突回避支援型プリクラッシュセーフティをはじめ、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームをセットにした衝突回避支援パッケージ「TOYOTA SAFTY SENSE C」を全車に標準装備。
そのほか、シフト操作時における急発進を抑制して衝突時の被害軽減に寄与するドライブスタートコントロールや先行車を検知して信号待ちなどで先行車が発進したことに気付かずに停車し続けた場合、ブザーとディスプレイ表示でドライバーに知らせる先行車発進告知機能も標準装備。
コンライトやイルミネーテッドエントリーシステムも新たに標準装備された。また、1.5L・2WD車にアイドリングストップ機構を標準装備したことでJC08モード燃費が19.6km/Lに向上し、「平成27年度燃費基準+20%」を達成。
2018年6月にはマツダにファミリアADバンとしてOEM供給を開始している。この後に続く改良は今回の2018年11月19日発表、12月3日発売の一部改良およびハイブリッド追加となる。
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