現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 大人4人が乗っても快適なドライブ旅行ができる、アルファロメオ「STELVIO 2.2 TURBO DIESEL Q4」の魅力

ここから本文です

大人4人が乗っても快適なドライブ旅行ができる、アルファロメオ「STELVIO 2.2 TURBO DIESEL Q4」の魅力

掲載 更新 1
大人4人が乗っても快適なドライブ旅行ができる、アルファロメオ「STELVIO 2.2 TURBO DIESEL Q4」の魅力

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

 アルファロメオのSUV「ステルヴィオ」は、日本に導入された時、この連載でやや辛口の評価を下したことがある。あの時はガソリンエンジン版の「ステルヴィオ 2.0ターボQ4」で、90分間のメディア向け試乗会でのインプレッションだったが、今回、ディーゼルエンジン版に2日間乗ることができた。その結果は、ガソリンエンジン版への評価を覆すに足るものだった。その詳細をレポートしたい、「ステルヴィオ」に搭載されるディーゼルエンジンは、排気量2.2Lの4気筒ターボ。最高出力210馬力/3500回転、最大トルク47.9kgm/1750回転のパワーを発生し、それで4輪を駆動する。

ボルボの業績が好調、2019年度売上高は3兆1411億円、世界販売台数も6年連続で過去最高を更新



機械として優れているか? ★★★★★5.0(★5つが満点)

 ハンドリングは、ガソリン版と共通するキビキビとした軽快なものだった。ボディサイズや質量の大きさをあまり感じさせない。一般的にディーゼルエンジン本体はガソリンエンジンよりも重量が嵩み、補機類も必要となることから車両全体で数割重くなってしまいがちだったが「ステルヴィオ」では、その差が1820kgと1810kgとで10kgしか違っていない。SUVに限らず、ディーゼルエンジン版は、どうしてもモッサリとした走りをイメージしてしまいがちだが、ステルヴィオ ディーゼルには当てはまらない。

 もちろん、エンジン自体の作動原理が異なっているので回転の吹き上がりやパワーの出方などの感触は異なってくる。ガソリン版では、アイドリングからレッドゾーンの5250回転まで軽々と一気に回り切るが、ディーゼル版は一瞬の“タメ”がある代わりに、2000回転も回せば軽々と加速させていく。ガソリンとディーゼルは比較するものではなく、まったく別々のキャラクターを備えているものなのだ。

 そのディーゼルが本領を発揮するのが高速での長距離運転だ。エンジン回転を低く抑えながら、つまりノイズや振動も抑えながら静粛に進んでいく。ACC(アダプティブクルーズコントロール)をONにすれば、より一層と淡々と走り続けることができる。平和で平穏なドライビング体験が、ガソリンエンジンのそれとはとても対照的だ。

「ステルヴィオ」に限らず、ディーゼルエンジンのクルマの運転感覚は独特で、それが妙味にもなっている。ガソリンエンジンのように激しくエンジン回転を上下動させるのではなく、なるべく一定に保ちながら、淡々と走る。この“淡々と”がポイントで、淡々と走ることは退屈なのではなく、一定のペースで走り続けることは、むしろ知的とも呼べるような愉しみに満ちている。

「ステルヴィオ ディーゼル」からは、それを強く感じるのだ。少し前のディーゼルエンジンは、ガラガラというノイズとアイドリング時の強い振動が付き物だった。しかし、それも昔話だ。較べればガソリンエンジンよりも音量は高いが、振動は消え失せている。

 アルファロメオというと、モータースポーツでの輝かしい歴史によってスポーティなイメージが強く、それもガソリン版には強く存在していることは間違いないのだが、それとは対照的で独特の走行感覚も魅力的だ。「Q4」と呼ばれる4輪駆動システムは、通常はエンジントルクは後輪を駆動し、必要な状況下では電子制御によって50%のトルクを前輪にも配分する。スポーティなハンドリングながら、安定性にも寄与している。



商品として魅力的か? ★★★★ 4.0(★5つが満点)

 大人3人とそれぞれの1泊分の荷物を積んでの運転だったが、525Lのトランク容積も十分だった。リアシートも4:2:4の幅で背もたれを畳むことができるので、もっと多くの荷物を載せながらも、3人で乗れる。背もたれはリアゲート側から畳むことができるので便利で使いやすい。細かなことだが、実際に荷物を満載してキャンプなりスキーなりに行ってみると、この有り難みが良くわかる。



 ガソリン版と変わらず、ACC(アダプティブクルーズコントロール)をはじめとする運転支援デバイスの働き具合も平均的だ。しかし、その作動状況を示すメーターパネル内の表示がモノクロで小さく使いにくい点が惜しい。

 同様に、コネクティビティに関しては、スマートフォンを接続してCarPlayやAndroid Autoなどを利用できるのだが、ステルヴィオのモニター画面の解像度が低いのか、地図画面の細かな表示が読みにくいところがもったいない。車内でWi-Fiを使うこともできないので、早急なアップデートが待たれる。

 一般道と高速道路を約200km走っての燃費は13.8km/Lと良好な値だった。高速道路では15.2km/Lだった。僕らは、ついついアルファロメオには鮮烈なデザインと熱い走りっぷりを期待してしまうけれども、ディーゼルの落ち着いた走りと実用性の高さ、好燃費などは「ステルヴィオ」の別の魅力を体現していた。ディーゼルエンジンを搭載したSUVは日本とヨーロッパのメーカーからたくさん発売されているけれども、それらの中にあっても「ステルヴィオ」は独自の存在感を示していた。ステルヴィオの本名は、ディーゼルだ!

■関連情報
https://www.alfaromeo-jp.com/models/stelvio/stelvio-diesel/

文/金子浩久(モータージャーナリスト)

撮影/望月浩彦

こんな記事も読まれています

2024年版 「本格派」の高性能オフロード車 10選 道を選ばない欧州 "最強" SUV
2024年版 「本格派」の高性能オフロード車 10選 道を選ばない欧州 "最強" SUV
AUTOCAR JAPAN
BYDが東京工科自動車大学校で初の「EV特別講座」を開催。未来のメカニックたちに伝えたいことと狙いとは
BYDが東京工科自動車大学校で初の「EV特別講座」を開催。未来のメカニックたちに伝えたいことと狙いとは
Auto Messe Web
夢のように走った「RR」 3台のワークス・シュコダ 130/フェイバリット/120 ラピッド(2) クラス優勝の常連
夢のように走った「RR」 3台のワークス・シュコダ 130/フェイバリット/120 ラピッド(2) クラス優勝の常連
AUTOCAR JAPAN
東欧の「ポルシェ」 刺激的だった廉価ブランドのRR シュコダ130/フェイバリット/120 ラピッド(1)
東欧の「ポルシェ」 刺激的だった廉価ブランドのRR シュコダ130/フェイバリット/120 ラピッド(1)
AUTOCAR JAPAN
【取引先からの不満は事実】日産、下請法違反勧告後の取り組みを説明
【取引先からの不満は事実】日産、下請法違反勧告後の取り組みを説明
driver@web
あまり重いと走行不可能! 重い積み荷の巨大トラックは「何トン」まで公道を普通に走ってOK?
あまり重いと走行不可能! 重い積み荷の巨大トラックは「何トン」まで公道を普通に走ってOK?
WEB CARTOP
ホンダが認証不正で会見 対象車種の累計販売は325万台 「遵法性の意識に大きな問題」
ホンダが認証不正で会見 対象車種の累計販売は325万台 「遵法性の意識に大きな問題」
日刊自動車新聞
“カツカレー”のようなクルマの進化──新型BMW X6 xDrive 35d M Sport試乗記
“カツカレー”のようなクルマの進化──新型BMW X6 xDrive 35d M Sport試乗記
GQ JAPAN
新デザインになった「ゆるキャン△ピングカー」イベント展示とオフィシャルグッズ販売が決定!
新デザインになった「ゆるキャン△ピングカー」イベント展示とオフィシャルグッズ販売が決定!
乗りものニュース
エステバン・オコン、今季限りでアルピーヌを離脱「次の計画はすぐに発表する」
エステバン・オコン、今季限りでアルピーヌを離脱「次の計画はすぐに発表する」
motorsport.com 日本版
ルノー「カングー」でこだわりの趣味を満喫!最長1年間貸与のモニターキャンペーン第3弾
ルノー「カングー」でこだわりの趣味を満喫!最長1年間貸与のモニターキャンペーン第3弾
グーネット
シボレー「コルベット E-RAY」発表 史上初の電動化&AWD車 加速性能は歴代最速に
シボレー「コルベット E-RAY」発表 史上初の電動化&AWD車 加速性能は歴代最速に
グーネット
ホンダ、新エアロにより最高速は向上も残る課題。新エンジン投入はサマーブレイク後の見込み/第7戦イタリアGP
ホンダ、新エアロにより最高速は向上も残る課題。新エンジン投入はサマーブレイク後の見込み/第7戦イタリアGP
AUTOSPORT web
ザ・ニッポンの高級車の進化──新型トヨタ・クラウン・クロスオーバー試乗記
ザ・ニッポンの高級車の進化──新型トヨタ・クラウン・クロスオーバー試乗記
GQ JAPAN
トヨタの豊田章男会長、不正発覚で陳謝 「間違いをした時は一度立ち止まる」 認証プロセス管理の仕組みは年内に構築
トヨタの豊田章男会長、不正発覚で陳謝 「間違いをした時は一度立ち止まる」 認証プロセス管理の仕組みは年内に構築
日刊自動車新聞
ボルボの最新BEV「EX30」の全身に息づく"ほどよきこと"の魅力
ボルボの最新BEV「EX30」の全身に息づく"ほどよきこと"の魅力
@DIME
トヨタが発表した不正行為と対象車種の一覧
トヨタが発表した不正行為と対象車種の一覧
日刊自動車新聞
「5ナンバー車」もはや中途半端? 規格を守る意義 “ちょっと幅出ちゃって3ナンバー”と、実際違いあるか
「5ナンバー車」もはや中途半端? 規格を守る意義 “ちょっと幅出ちゃって3ナンバー”と、実際違いあるか
乗りものニュース

みんなのコメント

1件
  • じゃベンツでいいじゃんか?

    興奮しないアルファロメオが
    知的?(笑)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

809.01451.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

210.11180.0万円

中古車を検索
ステルヴィオの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

809.01451.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

210.11180.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村