3台のトヨタ・ヤリスWRCで2019年のWRC世界ラリー選手権を戦っているTOYOTA GAZOO Racing WRT。チームが次に挑む10月3~6日開催の第12戦ラリーGBは、雨や泥、霧、夜間走行など、あらゆる悪条件が待ち受ける伝統ある1戦だ。
全14戦で争われている2019年のWRCも、このラリーGBを含めて残り3戦。両チャンピオン争いも大詰めを迎えている。
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第13戦ラリーGBは1932年に開催されたロイヤル・オートモービル・クラブ・ラリーを発祥とし、長い歴史と人気を誇る1戦だ。以前はイギリス本土を舞台に争われていたが、現在はウェールズを中心としたグラベル(未舗装路)イベントとして開催されている。
このラリーGBはステージの大部分がウェールズ地方の森林・丘陵地帯となっている上、この時期のウェールズは天候が不安定で雨が降りやすい。そのため路面が泥状にぬかるむことや霧が出ることも多く、こういった要素がドライバーたちを苦しめる。
また、競技2日目の最終ステージとなるSS10は現地19時に先頭車両がスタートするナイトステージで、これもドライバーにとってはチャレンジングな要素となる。
2019年大会はウェールズ北部のスランディドノがホストタウンとなり、ここにサービスパークが設けられる。大会開幕前最後の走行チャンスとなるシェイクダウンは10月3日(木)の現地9時(日本時間17時)ごろにスタートする予定で、オープニングのSS1は同日19時8分(日本時間4日3時8分)ごろに行われる。
翌4日(金)から森林地帯を舞台にしたラリーが幕を開け、この日はSS2~10までの9SSが行われる。先に述べたように全長9.4キロのSS10は現地19時9分スタートのナイトステージだ。
5日(土)の競技3日目はSS11~17までの7SS、最終日の6日(日)はSS18~22までの5SSが行われる。ステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージは最終SS22に設定された。
全22SSの合計距離は309.76km。リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は1625.14kmとなっている。
■イギリス出身のミーク「ラリーGBは、限りなくホームイベントに近い1戦」
「前戦ラリー・トルコは我々にとって厳しい結果となったが、シーズン終盤の3戦に関しては、いずれも昨年強さを示すことができたラリーだから、自信がある」とチーム代表のトミ・マキネン。
「ヤリスWRCで初めて出場した2017年のラリーGBでは苦戦を強いられたが、そこから多くを学び改善に努めた結果、昨年は非常に力強く戦うことができた」
「ラリーGBのステージは高速かつスムーズだから、我々のクルマには合っている。路面は滑りやすく難易度の高いラリーではあるが、我々のドライバーはいいフィーリングを感じているようだし、挑戦を楽しみにしているはずだ」
17ポイントリードでドライバーズランキングトップにつけるオット・タナクは「ドライバーズ選手権のリードは縮まったが、残る3戦はいずれも昨年我々が速かったラリーだ。ウェールズから始まる戦いで、自分たちの仕事をやり遂げなくては」と述べている。
2019年で通算18回目のラリーGB出場となるヤリ-マティ・ラトバラは「このラリーでもっとも難しいのは、何よりも天候変化への対応。長年に渡って出場してきたが、雪、ひょう、強風、そしてあらゆる角度から降る雨など、あらゆる気象を経験した」とコメント。
そして、イギリス出身のクリス・ミークは「自分にとってラリーGBは、限りなくホームイベントに近い1戦だ」としている。
「自分にとって雨と泥は、ラリーという大好きな競技の重要な部分を占めている。例え路面が非常に滑りやすい状態になったとしても、ヤリスWRCはそのようなコンディションで非常に高い競争力を発揮する」
「クルマはとても速くトップリザルトを手にすることも可能だと思うから、前向きな気持ちでこのラリーに臨むよ」
なお、2019年のラリーGBでは下位クラスにも、ヘイデン・パッドン(フォード・フィエスタR5)やペターとオリバーのソルベルグ親子(フォルクスワーゲン・ポロR5)、トミ・マキネン・レーシングの勝田貴元(フォード・フィエスタR5)など注目選手が多数出場を予定している。
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