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魅惑の輸入車百花繚乱。2019年のJAIA試乗会を振り返ってみた

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魅惑の輸入車百花繚乱。2019年のJAIA試乗会を振り返ってみた

毎年恒例、日本自動車輸入組合(JAIA)主催の試乗会が今年も開催されました。世界各国のクルマで正規輸入されているクルマたちが大磯プリンスホテルに多数集まり、メディア関係者を対象に開かれる試乗会です。

国産車も含め、登場して間もなく試乗するということはなかなかできません。仮に過去に乗ったことがあるクルマであっても、少し時間を置くとまた違った印象を受けることもあるものです。また、このように合同試乗会でクルマに触れると、今、マーケットがどのようなものを求めているか。どんなクルマを作ってユーザーに訴求したいか。そんなクルマを介した供給側とユーザーの間の関係性のようなものに気がついたりもするものです。その意味で、個人的に輸入車が好きと言うのはあるものの、それを抜きにしてもとてもありがたい機会。そんな風に言うことができるでしょう。

クルマを買ってから後悔するか、買わずに後悔するか?どちらが幸せになれるか?

今年もいろんなクルマに乗ることができました。ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテスパイダーや、ポルシェ・パナメーラ4ハイブリッドスポーツツーリズモなどに始まり、3日間多くのクルマに試乗することができました。メーカーとしては、今年はメルセデス・ベンツにご縁がなく、あとはアストンマーティン、テスラには一度も乗ることができませんでしたが、ボルボXC40、V60と言った話題のモデル、あと、直前に発表になったばかりのアウディQ5のディーゼルモデルなど、非常にバラエティ豊富なモデルに試乗することができました。

細かい印象はまた機会をとってCL CARSでも一部のクルマだけでもご紹介できればと思うのですが、全体の印象として感じたこと。それは、とてもいい仕上がりのクルマが多いということです。環境問題、安全対策など、一見、クルマ作りを取り囲む環境は、束縛条件ばかりを突き付けて、自由なクルマ作りがなかなか難しい…。そんな状況のように感じられます。しかし、いかに小さな排気量で大きな力を出すか、といった結果論としてのハイスペックに終始したクルマと言うのが少ない印象だったのでした。

ダウンサイジングターボエンジンを効率化させ、トルクバンドの狭さをカバーさせるために、CVTや多段式ギヤの採用を進めてきているというのは、国産車輸入車問わずといったところでしょう。けれども、その加速、減速=制動、旋回・操舵などの瞬間瞬間の質がとてもしっとりとしたものが増えてきたと感じました。

マイルドというよりは、俊敏ですし、きめ細やかな制御であっても穏便な印象。微に入り細に入り五月蠅さがないのです。その意味では、現在のこうしたスタンスでのクルマ作りもかれこれ10年前以上経つのではないでしょうか。板についてきた印象があります。

あと、各論でいえば、ピコっとスイッチで上下に動かすだけでポジションを固定できない操作感覚のものが多かったウィンカーレバー。これがしっかり上下でポジションを固定できるようになったのは精神衛生上せいせいした点でした。一時、どこに入れてあるかわからないようなウィンカースイッチが流行りだし、かなり手前から存分に方向指示を表明することが多い筆者の運転習慣にあまり合わないなと感じていましたが、それがかなり減ったのはうれしい発見です。もちろん車線変更時「最小限の点滅だけ」させたい場合、カチッと固定する前のところに動かすだけで5回程度の点滅をするというモードもついていますので旧弊なウィンカーとは違います。

かなり年式の古いクルマに乗られていて、そろそろ買い替えをと思っている方。5年程度前よりも、この点は自然な感覚で操作できるかもしれません。是非お近くのディーラーなどで、気になるクルマ、試乗してみていただきたいと思います。

あと、ACC(追従型クルーズコントロール)のインターフェースがシンプルに、簡単に。そして反応がきめ細かく、的確にして、しっかりと強烈なGも辞さずに追尾するようになったのはいいことだと感じました。以前はまっすぐ走っているクルマの後ならいいけれども、割り込まれたりしたときに追尾をすぐに「お手上げ」してしまうようなクルマが少なくありませんでした。

最近では、そうしたクルマが実に少なくなりました。速度調整もSETというハンドルのスイッチを押せばすぐに速度固定されますし、左右に矢印があってそれを操作すれば、追尾速度の調節も手持ちとで簡単なのです。いろんなクルマに乗る試乗会。ああいう機会ではとかくまごついて細かな機能の体験がしたくてもできないことも少なくありませんでした。ようやく追従型クルーズコントロールはいいものです、おススメです。と人に言えるレベルになってきたように感じました。

最先端であっても旧来の使い勝手で操作可能。華はあってもユーザビリティもしっかり考慮されている。節度や、控えめ。でも地味なわけではないので「アンダーステイトメント」とかいうと少し積極的にそうである様子が感じ取っていただけるでしょうか。そんなテイストが21世紀前半もだいぶ半ばに差し掛かって、クルマの最先端でありながら上質な雰囲気を併せ持つものに成熟しつつあると感じられたこと。それが今回の39回目だそうですが、JAIA輸入車試乗会で感じた、今のクルマのトレンドのようなものでありました。となると、そういうクルマたちがどんな風な進化を遂げるのか、それも当然楽しみになるわけでして。クルマ好きは果てしない。これはこれで幸せなことだと言わねばならないでしょう。

[ライター・画像/中込健太郎]

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