1月28日に発売開始となったマツダMX-30 EVモデル。駆動用のリチウムイオンバッテリー総電力量(バッテリー容量)は35.5kWhとホンダeとまったく同じ数値。一充電走行距離(WLTCモード)はMX-30が256kmに対して、ホンダeはグレードにより259~283kmとなっている。ちなみに、MX-30の国内仕様も欧州仕様と同じバッテリー容量である。
さて、このバッテリー容量に決まったのは、どのような理由があるのだろうか。
マツダ初の量産EV「MX-30 EVモデル」が発売。価格は451万円から。バッテリー容量は35.5kWh!航続距離は256km(WLTCモード)
マツダでは、資源の採掘から素材製造、部品・車両の製造、物流、クルマの使用、整備、廃棄/リサイクルに至るまで、クルマのライフサイクル全体で見たライフサイクルアセスメント(LCA)視点でのCO2削減が重要だと考えている。
そこで、LCA評価に基づいて、クルマが製造されてからの累積走行距離を横軸にとり、CO2排出量を縦軸にとると、上の図のようになる。赤い色の線は95kWhの電池容量を積んだ電気自動車(EV)で、緑色の35.5kWh(MX-30)と比べると走行距離ゼロの時点でのCO2排出量が高い。これはバッテリーの製造時に搭載量に応じてCO2が排出されるためである。図の右側にいくと、16万km走行の時点でバッテリー交換を行うと、新品の電池に交換することでCO2排出量が一段高くなっている。
そして、グレーの線は欧州における主力モデルであるマツダ3のディーゼル車を示す。走行距離ゼロの時点ではもっともCO2排出量が低いが、走行距離8万~10万kmの時点でEVの35.5kWh(MX-30)と逆転し、以降はMX-30のほうが排出量が低くなる。
このように電力の再生エネルギー比率が高い欧州で、ベンチマークとした同クラスのマツダ3ディーゼル車以下のCO2排出量(16万km走行のバッテリー交換前)を目指して設定されたバッテリー容量が35.5kWhだったのである。これはもちろん、通勤や買い物など日常ユースでの適切な走行距離の確保も考慮された数値である。
〈文=ドライバーWeb編集部〉
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象徴的なモデルではあるけどデザインだけならガソリン車もあるし実際に売るディーラーは辛いだろうなと想像できる