現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日産スカイライン2000GT(昭和43/1968年10月発売・GC10型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト048】

ここから本文です

日産スカイライン2000GT(昭和43/1968年10月発売・GC10型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト048】

掲載 更新 4
日産スカイライン2000GT(昭和43/1968年10月発売・GC10型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト048】

この連載では、昭和30年~55年(1955年~1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第48回目は日産スカイラインGT。「スカイライン神話」はこのクルマから始まった。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

GT-Rを生み出した「スカイライン神話」の礎
昭和41(1966)年8月、日産自動車はプリンス自動車工業と合併(実質的には日産自動車による吸収合併だった)。そして昭和43(1968)年9月にはスカイライン2000GT(GC10)のフルモデルチェンジを発表した。この時を機にスカイラインは、プリンス自動車の小型スポーツセダンから完全に脱却し、本格的な日産のスポーツセダンとなったとも言える。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

レースでの活躍を前提にしたフラグシップ的存在としてスカイライン2000GT-R(PGC10)が翌44年に登場するが、一般的に「スカG」と呼ばれるのがスカイライン2000GTで、これが以後のスカイライン人気を決定づけた。

位置づけとしては、先代のスカイラインGT-BがスカイラインGT-Rに相当し、GTはその一般訴求モデルであるGT-Aにあたると言えるだろう。

スタイルはさすがに古めかしさを隠せなくなっていた旧型モデル(S54)を刷新し、「ハコスカ」として一世を風靡する普遍的なカッコ良さを体現していた。具体的には、旧型に比べ、全長でプラス195mm、全幅でプラス100mm、全高でマイナス20mmとロング&ワイドそしてローとなり、精悍さを一気に増したことで若者の心をがっちりと掴んだ。

エンジンはL20型2L直6・SOHC。当時セドリックに搭載されていたL20型シングルキャブレター付きエンジンをベースに、圧縮比を8.5から9.0に高めるとともに、細部を改善して高速型の特性としている。

6気筒エンジンが持つ等間隔燃焼のバランスの良さ、静粛性の高さに加え、7ベアリングクランクシャフトを採用したことにより、高い高速耐久性を持った。シリンダーヘッドをアルミ合金として、軽量化するとともに冷却効率も高めている。キャブレターはツーバレルのシングルで、スポーティな味付けとした。

ベースとなったシャシは4気筒エンジンを搭載するスカイラン1500デラックスで、6気筒のL20を搭載するにあたってエンジンコンパートメントを195mm延長、6気筒ユニットを無理矢理押し込んだ。乱暴なようにも思えるが、先代のS54の時もこの手法を用いている。

サスペンションはフロント:ストラット、リア:セミトレーリングアーム式の四輪独立懸架を採用。サスペンションをGT-Rと同じとしたことで、高速安定性、操縦性を確保していた。

ただし、GTの乗り心地はタイヤサイズの設定との相乗効果もあり、ソフトな方向だったようだ。当時のモーターマガジン誌の試乗記では「ロールは大きいが60mm増大したトレッドと大径のスタビライザー、そして4輪独立の接地性の良さが加わって操縦上の不安はなく、ラフロードでもピッチングが最小限で、走行安定性はリジッドアクスルのものとは雲泥の差だ」とある。

ブレーキはフロントにディスクを採用。GTカーに相応しい制動性能を持たせるとともに、タンデムマスターシリンダーとすることで、前後どちらかのブレーキラインから液漏れがあっても、ブレーキ機能が残るように配慮されている。

室内もGTの名を裏切らないものだった。フロントシートはバケットタイプで、見た目だけでなく、比較的薄いパッドで形状を良くしたことからサポート性にも優れ、長時間の運転でも疲労が少ない。

そのフロントシートは前後に約160mmアジャストできるほか、それまではローバックシートが当たり前だったのが、安全対策として標準仕様でリクライニングヘッドレストを備えるハイバックシートになっていた。またリアシートは、旧型にくらべると格段に足元もショルダースペースも広くなっていた。

これは快適に高速長距離走行をこなす「グランドツーリング=GT」という目的に適ったものといえる。

スカイライン2000GTの人気はこの後、昭和47 (1972)年に登場した4代目C110型(ケンメリ)以 降も衰えることなく、むしろさらに増していくことになる。そうした意味では、この3代目 C10型(ハコスカ)は、連綿と続くスカイライン神話の礎となったモデルでもある。

日産スカイラインGT(GC10型)諸元
●全長×全幅×全高:4430×1595×1390mm
●ホイールベース:2640mm
●車両重量:1090kg
●エンジン型式・種類:L20型・直6SOHC
●排気量:1998cc
●最高出力:105ps/5200rpm
●最大トルク:16.0kgm/3600rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:6.45S-14 4PR
●新車価格:86万円

[ アルバム : 日産スカイラインGT はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

「横で積む」それとも「縦に置く」? 知らないドライバーも多数! 外した「夏タイヤ」の「正しい積み方」正解はどっち!?
「横で積む」それとも「縦に置く」? 知らないドライバーも多数! 外した「夏タイヤ」の「正しい積み方」正解はどっち!?
くるまのニュース
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
VAGUE
サインツ予選2番手「マクラーレンに勝ってタイトルをつかむため、最大限のポイントを獲得する」フェラーリ/F1第22戦
サインツ予選2番手「マクラーレンに勝ってタイトルをつかむため、最大限のポイントを獲得する」フェラーリ/F1第22戦
AUTOSPORT web
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
Auto Messe Web
【カワサキ×IXON】初コラボでジャケットを設定!2024秋冬から販売中!緑がチラチラ、かっこいい!  
【カワサキ×IXON】初コラボでジャケットを設定!2024秋冬から販売中!緑がチラチラ、かっこいい!  
モーサイ
残す? それともクビ? レッドブル、ラスベガスでも大苦戦セルジオ・ペレス処遇を最終戦後の会議で決定へ
残す? それともクビ? レッドブル、ラスベガスでも大苦戦セルジオ・ペレス処遇を最終戦後の会議で決定へ
motorsport.com 日本版
4K映像 × EIS手ブレ補正機能搭載のバイク用ドライブレコーダー「AKY-710Pro」の予約販売が12月末スタート!
4K映像 × EIS手ブレ補正機能搭載のバイク用ドライブレコーダー「AKY-710Pro」の予約販売が12月末スタート!
バイクブロス
悲願の「全固体電池」が実現間近! ホンダが2020年代後半の量産開始を目標にしたパイロットラインを初公開
悲願の「全固体電池」が実現間近! ホンダが2020年代後半の量産開始を目標にしたパイロットラインを初公開
THE EV TIMES
ホンダ『N-BOX JOY』の走りを変える! ブリッツの「スロコン」「スマスロ」が登場
ホンダ『N-BOX JOY』の走りを変える! ブリッツの「スロコン」「スマスロ」が登場
レスポンス
「えっ…ホント!?」マイ自転車に取り付ければ“電動アシスト化”! フル充電で約50kg走行する「P.Wheel」って何?
「えっ…ホント!?」マイ自転車に取り付ければ“電動アシスト化”! フル充電で約50kg走行する「P.Wheel」って何?
VAGUE
究極の新型「爆速ラグジュアリーSUV」実車公開! 史上最もパワフルな「新型ディフェンダーオクタ」が置かれたイベントとは
究極の新型「爆速ラグジュアリーSUV」実車公開! 史上最もパワフルな「新型ディフェンダーオクタ」が置かれたイベントとは
くるまのニュース
茨城県唯一の本格的石垣城砦「笠間城」に昂る!
茨城県唯一の本格的石垣城砦「笠間城」に昂る!
バイクのニュース
全長3.4m切り! ダイハツ「車中泊“特化型”軽バン」がスゴい! 超デカい2段ベッド×ちょうどいい感じの「シンプル仕様」! カスタムセレクト「コンパクトAS」どんなモデル?
全長3.4m切り! ダイハツ「車中泊“特化型”軽バン」がスゴい! 超デカい2段ベッド×ちょうどいい感じの「シンプル仕様」! カスタムセレクト「コンパクトAS」どんなモデル?
くるまのニュース
【ハーレー】カタルーニャサーキットでレース仕様ロードグライドのテスト走行を実施
【ハーレー】カタルーニャサーキットでレース仕様ロードグライドのテスト走行を実施
バイクブロス
えぇぇぇ!? 三菱製[軽スポーツ]が今めちゃくちゃ[アツい]って知ってた??
えぇぇぇ!? 三菱製[軽スポーツ]が今めちゃくちゃ[アツい]って知ってた??
ベストカーWeb
ダサカッコいいトヨタ「ハイラックス」はレトロ風味に味付け! ナンバープレート「1985」は自身の誕生年のほかにもうひとつ意味がありました
ダサカッコいいトヨタ「ハイラックス」はレトロ風味に味付け! ナンバープレート「1985」は自身の誕生年のほかにもうひとつ意味がありました
Auto Messe Web
緊急避難なら駐車違反が罰せられないなら「腹痛で路駐してトイレに駆け込んだ」ってあり? 違反が免除されるケースとは
緊急避難なら駐車違反が罰せられないなら「腹痛で路駐してトイレに駆け込んだ」ってあり? 違反が免除されるケースとは
WEB CARTOP
スズキ「スイフトスポーツ」生産終了!? 貴重な「めちゃ安いMTハッチ」今後どうなる! 最後を飾る「特別なスイスポ」12月登場も「次期型」のウワサは?
スズキ「スイフトスポーツ」生産終了!? 貴重な「めちゃ安いMTハッチ」今後どうなる! 最後を飾る「特別なスイスポ」12月登場も「次期型」のウワサは?
くるまのニュース

みんなのコメント

4件
  • dar********
    スカイラインは昔はかなり高い車で新車で買える人は相当なお金持ちだった。1500の四気筒でもサニーやカローラなどの大衆車クラスよりずっと高かったが六気筒の2000GTだともっと高くGT-Rはとんでもなく高かった。当時の若い人もスカイラインに憧れていたが、親がすごいお金持ちとかそういう人でないと買えなかった。
  • すけべるがあ
    何代目かは知りませんが、ハコスカGT-Rをシャッター付きガレージで厳重に保管してる友人がいました。
    給料の大半をつぎ込んでいたようで、結婚相手はGT-Rやと公言して憚りませんでした、今ははどうしてるんだろう・・・。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

456.9948.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.02050.0万円

中古車を検索
スカイラインの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

456.9948.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.02050.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村