現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 半年前から相場が2倍以上! 令和の「シーマ現象」再び!!

ここから本文です

半年前から相場が2倍以上! 令和の「シーマ現象」再び!!

掲載 更新 12
半年前から相場が2倍以上! 令和の「シーマ現象」再び!!

 過日、俳優の伊藤かずえさんが所有する「初代日産シーマ」がネット上で大きな話題を呼んだ。

 伊藤さんが自身のインスタグラムに「シーマに乗り始めて今月で30年。今日一年点検してもらったら日産スタッフの方におめでとうございますとお花を頂きました。ありがとうございます」と写真付きで投稿したことに対し、「マジか? 伊藤さん、凄い!」「○○○○ではなく伊藤さんが日産のCMに出演するべき!」など、伊藤かずえさんの偉業(?)とシーマ愛を大絶賛するコメントが多数寄せられたのだ。

新型オデッセイ11/5発表決定! かつての名門はアルファードに追いつくか? それとも…??

 さて、伊藤さんが30年愛したシーマとはいったいどんなクルマなのだろうか? 

 そして、この話を聞いてぜひ乗ってみたいと思った方のために、今どのくらいで買えるのか? 中古車事情に詳しい伊達軍曹が、初代シーマ専門店に直撃取材!


文/伊達軍曹
写真/日産自動車 伊達軍曹

【画像ギャラリー】シーマ現象を巻き起こした魅力は何だったのか? 発売当時のシーマの写真をチェック!

1988年1月に発売されるやシーマ現象を巻き起こす

1988年1月~1991年7月まで販売された初代シーマ

ボディサイズは全長4890×全幅1770×全高1400mm。今見ても優雅なデザインだ

 俳優の伊藤かずえさんが新車で購入し、2020年10月で初度登録から丸30年が経過した初代シーマは、すでに走行26万kmを超えているとのこと。

 伊藤さんの場合、最近は近所での買い物にしか使っていないそうだが、それでも「30年前のセダン」というのはごく普通に使えるものなのだろうか? 

 というか初代シーマの中古車ってまだ流通しているのか? 純正部品はまだ供給されているの? ……等々の疑問が湧いてしまったため、そのあたりの現状を専門店に尋ねてみることにした。

 だがその前に初代日産シーマというクルマ自体について、ごく簡単にだが“復習”しておこう。

 スペイン語で「頂上」を意味するシーマが発売されたのは1988年(昭和63年)1月。

 開発の基本コンセプトは「日本的な味を持った世界に通用する新しいビッグセダンを作る」というもので、デザインから性能、乗り味に至るまでのすべてにおいて「最高」を目指すべく、従来のさまざまな制約を取り払ったうえで開発が行われたという。

 プラットフォームは前年に登場したY31型セドリック/グロリア用がベース。ホイールベースはセド/グロと同一だが、シーマには3ナンバー専用の4ドアハードトップボディが採用された。

バブル期に発売されただけにシーマのコクピットは先進的で豪華な印象

 またインテリアも空間的な広さだけでなく、「視覚・触覚的に柔らかで上質なテイスト」で統一されている。

 エンジンは3L、V6DOHCで、タイプIとタイプIIには自然吸気のVG30DE型、タイプII-SとタイプIIリミテッドには新開発のターボエンジン「VG30DET」を搭載。

 VG30DETが発生した255ps/35.0kgmというパワー&トルクは当時「国産乗用車最強」。

 フル加速時、車体後端を目いっぱい押し下げながら加速していく初代シーマの姿に、当時の男たちは胸踊らせたものだ。

 サスペンションはY31セドリック/グロリアと共通だが、車幅拡大に合わせたさまざまなチューニングがされており、ターボ車にはリアビスカスLSDを標準装着。

 またタイプIIと同リミテッドには、ソフト/ミディアム/ハードという3種類の切り替えが可能な電子制御エアサスペンションが採用された。

10台以上ストックする初代シーマ専門店に直撃取材!

神奈川県秦野市にある初代シーマ専門店、ファイブスターテクニカル

ファイブスターテクニカルのホームページはこちらをクリック!

 初代シーマの概要を理解していただいたところで、今、初代シーマはおおむねいくらで販売されているのだろうか?

 現在、中古車の流通量はおおむね全国で40台前後、その相場は下が約60万円といったところで、最高価格が約300万円となっている。250万円オーバーになると、走行距離2万~3万kmの1オーナー車という個体もみることができる。

初代セドリックシーマの中古車情報はこちらをクリック!

 さて、さらに初代シーマの“現在地”を知るためにやってきたのは、神奈川県秦野市の『ファイブスターテクニカル』。

 取材日時点で初代シーマを10台以上ストックし、さらには2代目ソアラやS13型シルビア、はたまたX70系マークIIなどの“上物”を多数ストックしているため、その展示場はほとんど「昭和車のテーマパーク」と化している(?)中古車販売店だ。

――ということでファイブスターテクニカルの高橋一也さんにお尋ねします。伊藤かずえさんが初代シーマに新車から30年間乗り続けていることがニュースになりましたが、初代シーマって、そんなにフツーに乗り続けられるクルマなんですか?

高橋一也さん もちろん30年も前の機械ですので、今のクルマみたいに「ほぼメンテナンスフリーで数年間乗れちゃう」みたいなクルマではありません。

 しかし各部のコンディションとメンテナンス履歴が良好な個体であれば、決して手がかかりまくるクルマではないと思いますよ。

――でもエアサスはさすがにちょっと心配だったりもしますが?

高橋さん そうですね。まぁあれも決してしょっちゅう壊れるものではないのですが、やはり経年によって必ず壊れる部位ではあります。

 ですから、もしもこれから初代シーマをお買い求めになるのであれば、エアサスの状態と修理履歴はしっかり確認するべきです。また、それでも壊れてしまった場合には「普通のバネサスに換える」という選択肢もあります。

――あ、そうか。その手がありましたね!

高橋さん 新品のエアサスは1本7万~8万円ぐらいしますし、そもそも最近は入手困難です。

 「じゃあ中古のエアサスを使うか」となっても1本2万~3万円ぐらいしますし、なおかつ中古品ですから、またすぐに壊れてしまう可能性もゼロじゃない。ならば、いっそ金属バネの車高調に替えてしまったほうがよかったりもするんです。

――車高調だったら、交換費用もそこまで高くはなさそうですね?

高橋さん そうですね。あくまで概算ですが部品代が15万円ぐらいですので、工賃込み20万円ぐらいでイケるでしょう。

――エアサス以外はさほど神経質にならなくても大丈夫なものですか?

高橋さん 弊社の場合はそもそも「低走行の良質物件」だけを厳選して仕入れているので、基本的にはそのとおりなんですが、一般的にはボロい個体も多いですよ。特に内装がヒドいものが多い。

 シーマだけじゃないんですが、この年代の日産車って保管状態が悪いと、エアコン吹き出し口の樹脂がドロドロに溶けるんですよ。例えば、ウチが仕入れたのではなく下取り車として入ってきたこのシーマ、見てください。

このようにあまり程度のよくない個体もあるという

――うわっ! エアコンルーバーの最上段が本当にドロドロだし、内装の縁はめくれ上がってるし、シートは太陽光で謎に焼け焦げてるし……ちょっとひどいですね。

高橋さん こうなってしまった個体は直すのが本当に大変ですので、手を出さないほうがいいでしょう。弊社では部品取り車として役立てます。

平成2年式セドリックシーマタイプIIリミテッドAV、走行距離5.3万km、138万円

希少なデジタルメーターを装備

――ところで日産の純正部品ってまだ出るんですか?

高橋さん 出るものも一部ありますが、多くは廃番になってますね。

――そんな状況下で、御社のお眼鏡にかなう初代シーマ、つまり「仕入れるに値する初代シーマ」の数というか割合って、だいたいどのぐらいなんでしょうか?

高橋さん うーん、オークションや買い取りなどで出てくる全体を10だとしたら……せいぜい1か2ですね。いい個体が出てきたら必ず仕入れるようにしてますが、その数は極端に少ないですよ。

――そうなってくると、仕入れ相場もけっこう高騰しちゃうんじゃないですか?

高橋さん そうなんですよ……。2020年3月ぐらいまではまあ普通といえる値段で買い付けることもできたのですが、ここ最近のオークション相場は半年前の2倍以上になっちゃってますからね。

――ううむ、それこそが「令和のシーマ現象」!

高橋さん いや、「うまいこと言ってやった」みたいな顔をされてますが、仕入れ値が倍ぐらいになったのは初代シーマだけじゃないんです。

 2代目ソアラもそうですし、S13シルビアのK’sの5MTも凄いことになってます。もちろん全部の個体が高いわけではないのですが、内外装のコンディションと整備履歴がしっかりしている人気モデルの人気仕様は今、思いっきり高騰してしまっているというのが現実です。

――こういったモデルの相場って、将来的にも延々と上がり続けるんですかね……?

高橋さん 未来のことはわかりませんし、なんとも言えません。しかし、少なくとも下がることはないのではないかと、個人的には思っています。

 良質な個体の数が日々減少していっているという事実と、「それでも素敵な旧車が欲しい」と思ってらっしゃるお客様各位の“熱”を掛け合わせて考えると、「相場が極端に下がる」という未来は見えないんですよ。

――まぁクルマの購入というのは資産価値うんぬんで考えるものではなく、「好きか嫌いか」でき決めるべきものだとは思いますが、それでも、もしも本気でこの手の車が欲しいなら、早めに決断したほうがいいのかもしれませんね……。

高橋さん そうですね。好きでもない人が無理に買う必要はありませんし、コンディションのよろしくない個体は絶対に買うべきではないとも思います。

 しかし本当にお好きな人が、もしもコンディションと素性の良い個体と巡り合うことができたなら……、まぁ早めにお持ちになっておかれたほうが良いかとは思います。

押忍、了解です。本日はお忙しいなか、ありがとうございました。また内装がこれだけキレイな初代シーマって、かなり久々に見た気がします。いいモン見せていただきありがとうございました!

初代グロリアシーマの中古車情報はこちらをクリック!

【画像ギャラリー】シーマ現象を巻き起こした魅力は何だったのか? 発売当時のシーマの写真をチェック!


■初代セドリックシーマ タイプIIリミテッド 主要諸元
・全長×全幅×全高:4890×1770×1400mm
・ホイールベース:2735mm
・車両重量:1640kg
・エンジン:VG30DET型2960cc、V6ターボ
・最高出力:255ps/6000rpm
・最大トルク:35.0kgm/3200rpm
・タイヤサイズ:205/65R15
・436万5000円

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

メルセデスAMGの「ワンマン・ワンエンジン」の職人にインタビュー「世界中のオーナーからSNSを通じてメッセージが届きます」【みどり独乙通信】
メルセデスAMGの「ワンマン・ワンエンジン」の職人にインタビュー「世界中のオーナーからSNSを通じてメッセージが届きます」【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
ゴルフVIIよりも「上」? フルSKYACTIV搭載 マツダ3代目アクセラ 発売前試乗プレイバック【10年前の再録記事プレイバック】
ゴルフVIIよりも「上」? フルSKYACTIV搭載 マツダ3代目アクセラ 発売前試乗プレイバック【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
WEC、ELMSで活躍する木村武史が2024年も盛大にクリスマスパーティを開催
WEC、ELMSで活躍する木村武史が2024年も盛大にクリスマスパーティを開催
AUTOSPORT web
高密度バッテリーで690km? 改良版 BMW iX 試作車へ試乗 マックス・モードも 実力更に上昇
高密度バッテリーで690km? 改良版 BMW iX 試作車へ試乗 マックス・モードも 実力更に上昇
AUTOCAR JAPAN
知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 後編
知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 後編
AUTOCAR JAPAN
知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 前編
知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 前編
AUTOCAR JAPAN
20代現役デザイナーが選んだ「アルフェッタGT1.8」は伊藤忠モノ! 4~5年探してやっとの思いで購入したアルファ ロメオとは
20代現役デザイナーが選んだ「アルフェッタGT1.8」は伊藤忠モノ! 4~5年探してやっとの思いで購入したアルファ ロメオとは
Auto Messe Web
基本メンテナンスで100年間! HEツーリッター・スポーツ(2) 1924年を感じさせない製造品質
基本メンテナンスで100年間! HEツーリッター・スポーツ(2) 1924年を感じさせない製造品質
AUTOCAR JAPAN
ブガッティとベントレーの愛のない結婚? HEツーリッター・スポーツ(1) 100年前に5年保証!
ブガッティとベントレーの愛のない結婚? HEツーリッター・スポーツ(1) 100年前に5年保証!
AUTOCAR JAPAN
美と走りの頂点へ! 一部改良で進化したレクサス「LC」がラグジュアリーの新たな幕を開ける
美と走りの頂点へ! 一部改良で進化したレクサス「LC」がラグジュアリーの新たな幕を開ける
VAGUE
ほぼ新車な「“クラシック”ディフェンダー」がスゴイ! V8搭載&超豪華内装化も可能!? TWISTED JAPANの「ハイパフォーマンスモデル」とは
ほぼ新車な「“クラシック”ディフェンダー」がスゴイ! V8搭載&超豪華内装化も可能!? TWISTED JAPANの「ハイパフォーマンスモデル」とは
くるまのニュース
冬のツーリングこそ楽しい! バイク界の“高級サルーン” 快適装備満載の人気「バガー」3選
冬のツーリングこそ楽しい! バイク界の“高級サルーン” 快適装備満載の人気「バガー」3選
VAGUE
名機・A型エンジン搭載の歴代『サニー』が集結…オールサニーズ・ミーティング
名機・A型エンジン搭載の歴代『サニー』が集結…オールサニーズ・ミーティング
レスポンス
2024年問題で高速の景色が変わった! トラックドライバーの労働時間を縛る愚策がもたらした結果
2024年問題で高速の景色が変わった! トラックドライバーの労働時間を縛る愚策がもたらした結果
WEB CARTOP
[15秒でニュース]ラムが初のBEVトラックの発売を延期…PHEVを優先展開
[15秒でニュース]ラムが初のBEVトラックの発売を延期…PHEVを優先展開
レスポンス
「ここ有料道路だったの!?」がやけに多い“千葉県”なぜ? 今やフツーに使ってる“実は神ルート”な道たち
「ここ有料道路だったの!?」がやけに多い“千葉県”なぜ? 今やフツーに使ってる“実は神ルート”な道たち
乗りものニュース
スバル「BRZ」の限定車「STIスポーツパープルエディション」実車初公開へ! 東京オートサロン2025では“さらなるサプライズ発表”も!?
スバル「BRZ」の限定車「STIスポーツパープルエディション」実車初公開へ! 東京オートサロン2025では“さらなるサプライズ発表”も!?
VAGUE
約213万円! 旧車デザインの「バモス“カスタム”」実車展示! 角目の“アメ車“顔が超カッコイイ「ホンダ製“軽バン”」登場
約213万円! 旧車デザインの「バモス“カスタム”」実車展示! 角目の“アメ車“顔が超カッコイイ「ホンダ製“軽バン”」登場
くるまのニュース

みんなのコメント

12件
  • 伊藤かずえさんが、初代シーマを乗り続けているのは知っていました。自分も一度買った車は長く乗り続けるタイプなので、共感できます。これほどの年数が経っても普通に走ってる車があるのに、たかが13年経過したからといって自動車税が高くなるのは納得がいかないです。
  • > 伊達軍曹

    取材対象との会話をそのまま会話形式で記事にするの、ほんとやめてほしい。

    オツム一切使わずに文字数稼げるってことだろうが、まったく読めたもんじゃない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

630.0787.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

21.0550.0万円

中古車を検索
シーマの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

630.0787.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

21.0550.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村