2022年8月26日、スズキはスーパーハイト軽ワゴンの「スペーシア」に商用車版の「スペーシア BASE(ベース)」を設定して発売した。
ヒトとモノの両方を重視した軽バンの登場
2013年にパレットの後継モデルとして初代が登場したスペーシアは、2017年に現行型の2代目となる。スペーシア/スペーシアカスタムの2バリエーションに加え、2018年にはクロスオーバー風のスペーシアギアも追加される。そして今回、第4のバリエーションとして登場したのが、商用車版のスペーシアBASEだ。
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昨今はスライドドアを備えたスーパーハイト軽ワゴンでも2人乗りで使用されることが多く、リアシートから後ろは趣味のグッズなどを積むためのスペースとして活用したいという人が増えてきた。また、コロナ禍に伴う生活環境やアウトドア様式の変化などから、仕事にも遊びにも使えて、ヒトもモノも重視した軽バンが求められるようになった。
そこで、リアシートを簡略化して、荷室の床面積は0.6平方メートル以上、そしてリアシートを起こした状態でラゲッジスペースはリアシートのスペースより広くなければならない、などといった基準を満たして、4ナンバー(商用車)化されたスペーシアBASEが生まれた。
エクステリアはスペーシアカスタムがベースだが、フロントグリルやドアハンドルなどの加飾をブラックアウトし、Cピラー部はリアクオーターパネルとしてボディサイドと同様のビードが3本入れられ、チェッカープレート(縞鋼板)をモチーフにしたエンブレムも、道具感を演出している。
インテリアは他のスペーシアと基本的に共通だが、インパネカラーパネルやリアクオーターポケットなどのアクセントカラーにグレイッシュブルーを採用し、力強さを表現している。
マルチボードでラゲッジスペースはアレンジ可能
最大のセールスポイントは、目的に合わせて室内空間を自由にアレンジできるマルチボードだ。ラゲッジスペース左右の段にマルチボードをセットし、リアシートをアレンジすれば、上段モード/中段モード/下段モード/前後分割モードなど、モバイルオフィスや車中泊、ペットを乗せるなど、さまざまな使い方をアシストしてくれる。
フロアコンソールトレイや助手席シートバックテーブル、オーバーヘッドシェルフや撥水/防水シート表皮など、アウトドアライフをサポートする機能アイテムも備わっている。
パワートレーンは、吸排気VVT付きの直3 DOHCで、52psと60Nmを発生。トランスミッションは、スズキの軽商用車では初のCVTが組み合わされる。駆動方式は、FFと4WDを設定。FF車のWLTCモード燃費は21.2km/Lと、軽商用車ではナンバーワンの数値を誇る。
安全装備では、「スズキセーフティサポート」を全グレードに標準装備。上級グレードのXFには全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロールも備わっている。快適装備では、作業での動線を考慮した右側パワースライドドアをXFに標準装備。フルオートエアコンや運転席&助手席シートヒーターなど、グレードによるが充実している。また、純正アクセサリーパーツも豊富に設定されている。
車両価格(税込)は、GF(FF)の139万4800円~XF(4WD)の166万7600円。
ホンダが軽商用車の新しい姿として2018年にN-VANを発表し、2021年にはダイハツがアトレーを4ナンバーに回帰させるなど、軽商用車には新しいウエーブが起きている。
バッテリーEVやクロスオーバー軽といった、新たなジャンルのモデルも増えつつあるし、ガラパゴスと揶揄されながらも発展を続ける軽自動車のマーケットは、ますます面白くなっていきそうだ。(写真:永元秀和、ほか)
■スペーシア BASE XF 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1800mm
●ホイールベース:2460mm
●車両重量:870kg
●エンジン:直3 DOHC
●総排気量:658cc
●最高出力:38kW(52ps)/6500rpm
●最大トルク:60Nm(6.1kgm)/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー ・27L
●WLTCモード燃費:21.2km/L
●タイヤサイズ:155/65R14
●車両価格(税込):154万7000円
[ アルバム : スズキ スペーシアBASE はオリジナルサイトでご覧ください ]
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