現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 隣のクルマが小さく見えま~す! 憧れだった「カローラスプリンター」と「サニークーペ」

ここから本文です

隣のクルマが小さく見えま~す! 憧れだった「カローラスプリンター」と「サニークーペ」

掲載 更新 8
隣のクルマが小さく見えま~す! 憧れだった「カローラスプリンター」と「サニークーペ」

身近な存在だったカローラとサニー

 クーペ。そう発音しただけでも心がときめく……といった書き出しを筆者はこれまでに何度も書いてきたような気もする。だが、ともかくスタイリッシュでパーソナルなクルマの一形態として、クーペはハードトップ同様に、憧れのクルマの対象のひとつだった。

オーラがハンパない! 「セリカ」「フェアレディZ」「117」など70年代クーペが「神車」すぎる

 とくに1960~70年代にかけての日本のモータリゼーションが目覚ましい進化を遂げたころは、セダンや軽自動車であっても、マイカーが家にあること自体、庶民には十分にステイタスだった。それがクーペとなれば、羨望の度合いが一気に高まろうというもの。

 セダンがファミリーカーの王道だったのに対し、クーペは2ドアで(かつては、よりリーズナブルなグレードとして2ドアセダンの用意もあった)とにかくカッコいい。時代考証的に1960~1970年代というと筆者は小学生だったころだが、運転免許を取り、自分がクルマを運転している姿を夢見ながら、はち切れんばかりにあれこれ妄想を膨らませていたころ。だからなおさら、カッコいいクーペに目がいっていたのだろう。

 さてそんな思いのなかで印象的だった国産クーペの代表格といえば、日産サニークーペとトヨタ・カローラスプリンターだ。

ブルーバードよりもさらに手ごろなクルマとして登場したサニー

 初代サニー(B10型)は1966年4月に登場した、その後の呼称で言うとリッターカークラスの大衆車で、ブルーバードよりもさらに手ごろなクルマとして登場した。そのサニーはまず2ドアセダンが登場し、次いで4ドアセダンが登場。

 さらに1968年3月に颯爽と登場したのがクーペだった。F.B.(ファストバック)ルックを謳い文句に、フォード・マスタング風のリヤまわりのデザインを採用。さらにカタログに“マジックスペース”と表現されていて、5名乗りのリヤシートの背もたれを前倒しすることで、今で言うトランクスルーが可能に。

 また“貴方のセンスを生かす特別注文部品をこんなに用意しました!”と、ナルディタイプのステ“ヤ”リング、木目チェンジレバーのノブやレーシングストライプなど、この時代にしてすでに豊富なカスタマイズ用品が用意されていたりと、目を見張るものがある。

 搭載エンジンは988ccの4気筒、A10型(60ps/8.2kgm)で、4速フロアシフトと前進3段のニッサンフルオートマチックが設定された。

スポーティに仕上がっていた2代目サニークーペのGX

 サニークーペはその後1970年1月に、“隣のクルマが小さく見えま~す”のキャッチフレーズが有名だった2代目に進化。大きくなった根拠だった1.2LのA12型エンジンを搭載し、高性能版のGXは83psツインキャブ&デュアルエキゾースト仕様に。最高速度160km/h、0−400m加速16.7秒とカタログに謳っている。

 さらにホイールベースを40mm伸ばし、1.4Lエンジン(L14型)を搭載した“エクセレント”シリーズも登場した。

ファストバックスタイルが美しいカローラ・スプリンター

 一方でカローラにクーペが登場したのは、初代セダンの登場(1966年11月)から1年半あとの1968年5月。このときに登場した“カローラ・スプリンター”が初代のクーペモデルで、“スプリンター”はもともとは、カローラの1シリーズ(クーペ)の名称に使われたものだった。

 初代のカローラ・スプリンターは、もともとセミファストバックスタイルだったセダンのリヤセクションを一層スタイリッシュに仕上げたクーペだった。リヤクオーターウインドウの後ろには、車内の空気を排出するダクト(フレッシュフロー)を設置。トランクリッドの上面にSprinterのオーナメントが装着されていた。

 全高がセダンの1380mmに対し1345mmとグッと低いのも特徴。ボディカラーは全5色の設定で、セダンよりも明るいヘリオス・レッドをはじめ、すべて専用色としている。

 搭載エンジンは1077cc(1100)のK型で、シリーズの高性能版だったスプリンターSLには73ps/9.0kg−mの2バレルツインキャブ仕様(K−B型)を搭載。160km/hの最高速を誇った。

カローラとスプリンターは兄弟車として別のモデルになった

 カローラが1970年5月、初代登場から3年半で2代目へとフルモデルチェンジ。このときからカローラとスプリンターは兄弟車として別個のモデルとなり、クーペもそれぞれ別の顔つきで展開が始まった。

 そして何といってもこの2代目カローラ/スプリンターのクーペ(TE27型)のトピックといえば、最初のカローラ・レビン/スプリンター・トレノの登場だろう。登場は1972年3月のことで、セリカ&カリーナに搭載の1.6LのDOHC(ソレックス・ツインキャブ、ハイオク仕様の2T-G型)を心臓に、最高速度190km/h、0−400m加速16.3秒を叩き出し、簡素な内装、オーバーフェンダーなども特徴だった。1973年6月のカローラ/スプリンターのマイナーチェンジ時には、OHVの2T-B型搭載のレビンJ/トレノJを登場させている。

 サニー・クーペとカローラ・スプリンター(クーペ)。どちらもスペシャルティカーという訳ではなく、ポピュラーカー(日本語に訳すと大衆車)がベースだったが、それだけに身近で、それなのに格段にカッコよく、ユーザーに夢を見させてくれた……そんな存在だった。

こんな記事も読まれています

トップENEOSが痛恨のピットミス。Deloitte笹原&アレジが待望の初優勝でGRスープラ1-2/第3戦GT500決勝レポート
トップENEOSが痛恨のピットミス。Deloitte笹原&アレジが待望の初優勝でGRスープラ1-2/第3戦GT500決勝レポート
AUTOSPORT web
シビック タイプRで24時間レースに挑戦!【石井昌道】
シビック タイプRで24時間レースに挑戦!【石井昌道】
グーネット
巨大グループ期待の星! 新型プジョーE-3008へ試乗 ダッシュ力競争から1歩引いた214ps
巨大グループ期待の星! 新型プジョーE-3008へ試乗 ダッシュ力競争から1歩引いた214ps
AUTOCAR JAPAN
フェチれるアウディ「RS 6 アバント パフォーマンス」の22インチホイール! リアル「運び屋」がチョイスする本物っぷりとは【クルマdeフェティシズム】
フェチれるアウディ「RS 6 アバント パフォーマンス」の22インチホイール! リアル「運び屋」がチョイスする本物っぷりとは【クルマdeフェティシズム】
Auto Messe Web
【正式結果】2024年スーパーGT第3戦鈴鹿 決勝
【正式結果】2024年スーパーGT第3戦鈴鹿 決勝
AUTOSPORT web
2024年版 「本格派」の高性能オフロード車 10選 道を選ばない欧州 "最強" SUV
2024年版 「本格派」の高性能オフロード車 10選 道を選ばない欧州 "最強" SUV
AUTOCAR JAPAN
BYDが東京工科自動車大学校で初の「EV特別講座」を開催。未来のメカニックたちに伝えたいことと狙いとは
BYDが東京工科自動車大学校で初の「EV特別講座」を開催。未来のメカニックたちに伝えたいことと狙いとは
Auto Messe Web
夢のように走った「RR」 3台のワークス・シュコダ 130/フェイバリット/120 ラピッド(2) クラス優勝の常連
夢のように走った「RR」 3台のワークス・シュコダ 130/フェイバリット/120 ラピッド(2) クラス優勝の常連
AUTOCAR JAPAN
東欧の「ポルシェ」 刺激的だった廉価ブランドのRR シュコダ130/フェイバリット/120 ラピッド(1)
東欧の「ポルシェ」 刺激的だった廉価ブランドのRR シュコダ130/フェイバリット/120 ラピッド(1)
AUTOCAR JAPAN
【取引先からの不満は事実】日産、下請法違反勧告後の取り組みを説明
【取引先からの不満は事実】日産、下請法違反勧告後の取り組みを説明
driver@web
あまり重いと走行不可能! 重い積み荷の巨大トラックは「何トン」まで公道を普通に走ってOK?
あまり重いと走行不可能! 重い積み荷の巨大トラックは「何トン」まで公道を普通に走ってOK?
WEB CARTOP
“カツカレー”のようなクルマの進化──新型BMW X6 xDrive 35d M Sport試乗記
“カツカレー”のようなクルマの進化──新型BMW X6 xDrive 35d M Sport試乗記
GQ JAPAN
ホンダが認証不正で会見 対象車種の累計販売は325万台 「遵法性の意識に大きな問題」
ホンダが認証不正で会見 対象車種の累計販売は325万台 「遵法性の意識に大きな問題」
日刊自動車新聞
新デザインになった「ゆるキャン△ピングカー」イベント展示とオフィシャルグッズ販売が決定!
新デザインになった「ゆるキャン△ピングカー」イベント展示とオフィシャルグッズ販売が決定!
乗りものニュース
エステバン・オコン、今季限りでアルピーヌを離脱「次の計画はすぐに発表する」
エステバン・オコン、今季限りでアルピーヌを離脱「次の計画はすぐに発表する」
motorsport.com 日本版
ルノー「カングー」でこだわりの趣味を満喫!最長1年間貸与のモニターキャンペーン第3弾
ルノー「カングー」でこだわりの趣味を満喫!最長1年間貸与のモニターキャンペーン第3弾
グーネット
シボレー「コルベット E-RAY」発表 史上初の電動化&AWD車 加速性能は歴代最速に
シボレー「コルベット E-RAY」発表 史上初の電動化&AWD車 加速性能は歴代最速に
グーネット
ホンダ、新エアロにより最高速は向上も残る課題。新エンジン投入はサマーブレイク後の見込み/第7戦イタリアGP
ホンダ、新エアロにより最高速は向上も残る課題。新エンジン投入はサマーブレイク後の見込み/第7戦イタリアGP
AUTOSPORT web

みんなのコメント

8件
  • 昔、父がかなり気合を入れて、醋プリンタ−1200SLでは知っていた頃、スピードメーターは180km /hまで刻んであるのに、「4速(までしかない)全開で踏み込んで時速160㎞までしか、針が進まなかった」と言っていた。
  • ヴェゼル「となりの車に似ていまーす。」
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

104.8187.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.8292.9万円

中古車を検索
スプリンターの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

104.8187.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.8292.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村