2021年度の国内PHEV販売台数で第1位と第2位を獲得した三菱アウトランダー PHEVとエクリプス クロス PHEV。この好調な理由はどこにあるのだろうか。それを確認するため、2台を同時に連れ出した。
より完成度を高めた2台のPHEV
いちはやくSUVタイプのPHEVを世に送り出した三菱は、PHEVの販売において2021年度に1万1663台を記録し、国内販売台数1位となった。アウトランダー PHEVについては新旧を合算した台数となるが、車名別販売台数においても、1位がアウトランダー PHEVで、2位がエクリプス クロスのPHEVモデルだ。
三菱 アウトランダー PHEVのセールスが絶好調。 その本領を発揮するのはやっぱり雪道や悪路だ
アウトランダー PHEVが登場したのは2012年末のこと。初めてドライブしたときのインパクトは今でも忘れない。 静かでスムーズで力強く、ハンドリングも意のまま。その後も改良を重ねてより洗練度を深めていった。
ひとつの大きな節目となったのが、 2018年にそれまで2Lだったエンジンが 2.4Lに換装されたことだ。これにより、ドライバビリティも大幅に向上した。
そのアウトランダー PHEVでいう第1世代の最終進化形のシステムが、エクリプスクロスのPHEVにも搭載されている。2018年に1.5L直4ガソリン直噴ターボエンジンを搭載して登場したエクリプスクロスには、2019年にクリーンディーゼルモデルが追加された。さらに2020年、マイナーチェンジを機にかねてからウワサのあったPHEVが設定された。この際に、システムを収めるためボディサイズの拡大が図られた。
3列シートをラインナップしたアウトランダー PHEV
一方、2021年に登場した現行モデルのアウトランダー PHEVには刷新された最新のシステムが搭載された。さらに商品性におけるポイントは、従来型では選べなかった、3列シート7人乗り仕様がラインナップの主体になったことだ。
初代に比べてボディサイズはだいぶ大きくなったように見えるが、実は思ったほど違わず、全長の差は165mmとそれほどかけ離れているわけではない。大きく見えるのは、それだけアウトランダー PHEVには高級SUVとしての風格があるからだろう。
かたやエクリプスクロス PHEVは クーペライクでスタイリッシュだ。キックアップしたサイドビューにより前進感もある。ふくよかなフォルムのアウトランダーに対して、エクリプスクロスは 各部を尖らせていて見た目の印象はだいぶ異なるが、フロントマスクのデザインは力強さと安心感のある「ダイナミック シールド」コンセプトでインパクトがあるのはどちらも共通している。
インテリアの雰囲気はかなり上質なもので、車内が広々としていて高級感があり、目線が高いアウトランダー PHEVは、シートも見るからに上質なものが与えられている。インフォテインメント系も新しい。
一方のエクリプスクロスPHEVは若々しくスポーティな雰囲気がある。ただし、十分に確保された後席の居住性や広い荷室などを見るにつけ、クーペしすぎていなくて、SUVとしての実用性を損なわないようにしているあたりも三菱の良心を感じる。そんな2台の魅力をあらためて探ってみた。
初めて初代アウトランダー PHEVに乗ったときに、静かで滑らかで力強い走りに感銘を受けたのが印象的だったと書いたが、エクリプスクロスはその改良版であり、1stジェネレーションの最終進化形なのだから、悪いはずがない。
2台を比べるとアウトランダー PHEVのほうが動力性能は高く、EV走行距離も長く、ドライブモードに力強い走行が可能なパワーモードもある。低~中速域のトルクの厚みや、上での伸び感が違って、車両重量が160kg重くても、新しいシステムのポテンシャルはかなりのものだ。足のつま先の動きで緻密に加減速をコントロールできる繊細さも併せ持っている。そのあたりはやはり新しいシステムに軍配が上がるが、エクリプスクロス PHEVも十分な実力を身につけていることには違いない。
上質な走りのアウトランダーとスポーティなエクリプスクロス
フットワークはそれぞれのキャラクターの違いを感じる。アウトランダー PHEVはステアリングフィールからして高級車らしい味があり、路面から伝わる雑味をドライバーに感じさせない。ルノー、日産、三菱自動車のアライアンスによって新開発されたプラットフォームは剛性が非常に高く、足まわりがよく動いて路面からの入力を巧みに受け止め、フラット感のある走りを実現している。
新たにフロントに加えてリアの左右輪間でも駆動力・制動力を制御するように進化したS-AWCも効いて、特にターマックモードを選択すると小さな舵角で面白いほどよく曲がるのも特徴だ。
一方のエクリプスクロス PHEVは、快適性が十分に確保されていながらも、やや引き締まった足まわりによりハンドリングの一体感があり、スポーティなテイストの走りを楽しむことができる。回生の強さをパドルで調整できることや、フットブレーキの違和感が小さいことは両車とも共通しているが、エクリプスクロス PHEVのほうが踏み応えがダイレクトなのも、スポーティさの追求の一環かもしれない。
先進運転支援装備については、ステアリングの制御など基本的な機能はエクリプスクロス PHEVにも搭載されているが、アウトランダー PHEVは標識認識システムなどさらに機能が充実していて、先行する他社勢に一気に追いつき、あっさりそれを超えた。両モデルとも最大1500Wの給電機能を備え、PHEVながら急速充電に対応していることも、この2台の特筆すべき点である。
PHEVのトップランナーとしての高い完成度はもちろん、それぞれの持ち味の違いも印象的な両車であった。(文:岡本幸一郎/写真:永元秀和)
■三菱 アウトランダー PHEV(P) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4710×1860×1745mm
●ホイールベース:2705mm
●車両重量:2110kg
●エンジン:直4 DOHC+モーター
●総排気量:2359cc
●最高出力:98kW(133ps)/5000rpm
●最大トルク:195Nm/4300rpm
●モーター最高出力:前85kW、後100kW
●モーター最大トルク:前255Nm、後195Nm
●トランスミッション:ー
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・56L
●WLTCモード燃費:16.2km/L
●タイヤサイズ:255/45R20
●車両価格(税込):532万0700円
■三菱 エクリプス クロス PHEV(P) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4545×1805×1685mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1920kg
●エンジン:直4 DOHC+モーター
●総排気量:2359cc
●最高出力:94kW(128ps)/4500rpm
●最大トルク:199Nm/4500rpm
●モーター最高出力:前60kW、後70kW
●モーター最大トルク:前137Nm、後195Nm
●トランスミッション:ー
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・43L
●WLTCモード燃費:16.4km/L
●タイヤサイズ:225/55R18
●車両価格(税込):451万円
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みんなのコメント
新型エクストレイル、CX−60PHEV、RAV4PHV、ハリアーハイブリッドよりも断然良いという評価だらけです。
私はテスラのモデルXよりも良いと感じた程です。
三菱食わず嫌いの人でも目隠しして載せたら絶対欲しくなると思うよ。