現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 輸入車も違うしレクサスもちょっと……じつは新型センチュリーは「ライバル不在」のクルマ! 「こんなクルマを待っていた」富裕層は多い

ここから本文です

輸入車も違うしレクサスもちょっと……じつは新型センチュリーは「ライバル不在」のクルマ! 「こんなクルマを待っていた」富裕層は多い

掲載 16
輸入車も違うしレクサスもちょっと……じつは新型センチュリーは「ライバル不在」のクルマ! 「こんなクルマを待っていた」富裕層は多い

 この記事をまとめると

■トヨタの新型センチュリーの価格は2500万円でターゲットは超富裕層となっている

「テーラーメイド」でなんでもできると噂の新型センチュリー! じゃあ「オープンは?」「パワーアップは?」どこまでできるかトヨタに聞いてみた!!

■高級車の世界では価格に見合う高級感に加えて値落ちが少ないことも重要なポイント

■「センチュリー」としてのブレない販売方法は購入希望者の心をくすぐる

 ライバルひしめく超高級SUVカテゴリーに参入したセンチュリー

 2023年9月6日にトヨタから「新しいセンチュリー(通称センチュリーSUV)」が追加された、その価格は2500万円。ハンドメイドといってよい生産体制など、センチュリーの名に恥じないさまざまな匠の技術で作られている。とはいっても多様化する日本社会においては、価格に対する高級感など、その価値観については個々で判断がわかれることになるかもしれない。

 新型センチュリーがPHEV(プラグインハイブリッド車)となるので、直接的なライバルとはいえないが、高級輸入ブランドで2500万円のSUVタイプモデルを探すと、アストンマーティンDBX、ベントレー・ベンテイガHEV(ハイブリッド車)あたりとなり、ポルシェ・カイエンEハイブリッドなら少し足すと2台買えることになる。また、マセラティ・レヴァンテもグレードによってはほぼ2500万円で2台買えることになる。

 新型センチュリーのような価格帯のターゲットカスタマーは、当然ながら超富裕層となる。ただし、価格に見合う高級感を持った仕上がりとなっていて自分の感性に合っているから「それでは」とスムースに買ってもらえるものでもないようだ。

 メルセデス・ベンツやBMWなど、誰でも知っているプレミアムブランドにおいても、投資という視点も重要な車種選びのポイントとなっている。つまり、そのクルマに乗っていてステイタスを感じるだけでなく、売却するときに「値落ちが少ない」というのも重要なセレクトポイントとなってくるケースも多いと聞く。

 新型センチュリーが価格にふさわしくないと言うつもりは毛頭ない。しかし、ニューカマーとなるので、レクサスブランドがかつて日本に初上陸したときもそうだが、ブランド力やステイタスというものは『高級ですよ』といえばすぐに高まるものではないし、作り手よりも乗り手が時間を重ねて作り出していくものと筆者は考えている(センチュリーのセダンタイプはすでに50年以上ラインアップされているが、オーナードライバーカーとしての認知はそれほど高くない)。

 つまり、急に同価格帯の輸入車に興味のある人を惹きつけるには、モデルの魅力や話題性だけでは限界があることも事実と言いたいのである。

 再販価値だけを考えれば、色違いでポルシェ・カイエンEハイブリッドを2台購入したほうがいいかもしれない(筆者とは縁の遠い世界のため、おそらく超富裕層のなかには維持費などにこだわらないという人もいるだろうという勝手な判断での話)。

 本当の日本の高級SUV登場を待っていた人も多いはず

 ただし、日本国内の販売現場でBEV(バッテリー電気自動車)の販売状況について聞くと、興味深い話を聞くことができた。

 いまは日系ブランドのラインアップはかなり少なく、輸入ブランドのほうがラインアップは多くなっている。しかし、だからといって日本車に乗っている人がBEVに乗りたいからといって、たとえばドイツ系ブランドのBEVに乗り換えるというと、そのような動きは目立っていないとのこと。かえって「日本車ユーザーの多くは日本メーカーからBEVが数多くラインアップされ、選択肢が増えるのを待っているようだ」との声も聞かれる。

 つまり、『同じ2500万円なら新型センチュリーではなく、ベントレーを選ぶ』といった購買行動も、まったくないとは言わないが、あまり現実的な話ではないともいえるのだ。

 新型センチュリーではなく、セダンタイプのセンチュリーの初代が登場したのは1967年。1965年に輸入自動車販売の完全自由化が行われており、アメリカ車を中心とした輸入大型セダンの本格的な国内販売を待ち構えるために、トヨタはまず2代目クラウンをベースにした「クラウン・エイト」を市場投入する。トヨタ以外の日系メーカーでも排気量2リッターオーバーの高級セダンを投入していた。そのなか、トヨタは今回の新型センチュリーのように、和のテイストをふんだんに盛り込んだ初代センチュリーをクラウン・エイトの後継モデルとして市場に送り出し、いまに至っている。

 新型センチュリーは、そもそもアメリカや中国あたりの海外市場を強く意識しているのだろうが、日本国内では「ベンテイガみたいなクルマに乗りたいけど輸入車だからなぁ」というだけでなく、「レクサスもちょっと違う」といった日本車びいきの富裕層をターゲットにしているのかもしれない。

 残念ながら日本国内でも貧富の差は拡大する一方となっており、超富裕層といっていい階層も今後ますます増えてくるだろう。そのような層を「みすみす超高級輸入ブランドにとられるよりは」という部分もあるのかもしれない。

 新型センチュリーは「センチュリーマイスター」という専門スタッフのいるトヨタ系正規ディーラーでしか購入できないとはいうものの、全国津々浦々に販売窓口があるので、超高級輸入ブランドSUVではフォローできない富裕層の開拓にも適しているといえる。

 現場で話を聞くと、ある販売会社では、センチュリーマイスターは全社で2名しかいないとのこと。そもそも販売台数が多くないこともあるが、大切に売っていきたいというトヨタの姿勢のようなものを感じる。

 車名だけ拝借というのではなく、あくまで「センチュリー」としてのブレない販売体制は、購入を希望する人の心をくすぐるのも間違いないだろう。

こんな記事も読まれています

トヨタ新型「ランドクルーザー“300”」発表! タフ感高めた本格SUV! 黒感高め外装がカッコイイ「“勝利”仕様」UAEで約1350万円
トヨタ新型「ランドクルーザー“300”」発表! タフ感高めた本格SUV! 黒感高め外装がカッコイイ「“勝利”仕様」UAEで約1350万円
くるまのニュース
トヨタは『クラウンセダン』のHEVとFCEVのカットモデルを展示…人とくるまのテクノロジー展2024
トヨタは『クラウンセダン』のHEVとFCEVのカットモデルを展示…人とくるまのテクノロジー展2024
レスポンス
MotoGPカタルニアFP1|ポイントリーダーのマルティンがトップタイム。引退表明エスパルガロは5番手
MotoGPカタルニアFP1|ポイントリーダーのマルティンがトップタイム。引退表明エスパルガロは5番手
motorsport.com 日本版
なぜパガーニ「ウアイラ R」がブリティッシュグリーンに?「フォウリ・コンコルソ2024」への出展が決定しました
なぜパガーニ「ウアイラ R」がブリティッシュグリーンに?「フォウリ・コンコルソ2024」への出展が決定しました
Auto Messe Web
トーヨータイヤがサーキット走行イベント「プロクセス・ドライビング・プレジャー」を5月25日に開催
トーヨータイヤがサーキット走行イベント「プロクセス・ドライビング・プレジャー」を5月25日に開催
レスポンス
スズキの個性派軽SUV「ハスラー」に、タフなデザインに仕上げた「ハスラー タフワイルド」を新設定。快適装備充実の仕様変更が嬉しい!
スズキの個性派軽SUV「ハスラー」に、タフなデザインに仕上げた「ハスラー タフワイルド」を新設定。快適装備充実の仕様変更が嬉しい!
Webモーターマガジン
毎年開催決定! 「ジャパンモビリティショー2024」は幕張開催! 新たに実施される「3つの企画」とは?
毎年開催決定! 「ジャパンモビリティショー2024」は幕張開催! 新たに実施される「3つの企画」とは?
くるまのニュース
有明でフォーミュラEができるなら「オラが町」でも! 公道レース向きの「都市」を妄想してみた
有明でフォーミュラEができるなら「オラが町」でも! 公道レース向きの「都市」を妄想してみた
WEB CARTOP
下請代金の適正取引方針を自工会が発表…原材料費やエネルギー費の上昇分を全額転嫁
下請代金の適正取引方針を自工会が発表…原材料費やエネルギー費の上昇分を全額転嫁
レスポンス
ランボルギーニの次世代HPEVスーパースポーツはV8ツインターボエンジン+モーターのプラグインハイブリッドシステムを搭載
ランボルギーニの次世代HPEVスーパースポーツはV8ツインターボエンジン+モーターのプラグインハイブリッドシステムを搭載
カー・アンド・ドライバー
姉妹車……とはいえ双子状態でほぼ違いなし! 西部警察で一躍スターダムにのし上がったのにシルビアに統合されちゃった日産ガゼール
姉妹車……とはいえ双子状態でほぼ違いなし! 西部警察で一躍スターダムにのし上がったのにシルビアに統合されちゃった日産ガゼール
WEB CARTOP
しっかり悩んでみる価値はあり! 超個性派モデル、ベストバイはこれ!【トヨタ・ハイエース】
しっかり悩んでみる価値はあり! 超個性派モデル、ベストバイはこれ!【トヨタ・ハイエース】
月刊自家用車WEB
ホンダ、原付二種レジャーバイク『ダックス125』に新色“ブラック”を追加。8月22日から発売
ホンダ、原付二種レジャーバイク『ダックス125』に新色“ブラック”を追加。8月22日から発売
AUTOSPORT web
シューマッハー家、”AIフェイク”インタビューに対する法的措置で出版社と和解へ
シューマッハー家、”AIフェイク”インタビューに対する法的措置で出版社と和解へ
motorsport.com 日本版
スズキ新型「軽ワゴン」高級車並みの「豪華リアシート」装着! 広々後席で快適に過ごせる“斬新アイテム”とは?
スズキ新型「軽ワゴン」高級車並みの「豪華リアシート」装着! 広々後席で快適に過ごせる“斬新アイテム”とは?
くるまのニュース
仕事と趣味の心強いミカタ! 日産キャラバンが一部改良を実施して新色を追加
仕事と趣味の心強いミカタ! 日産キャラバンが一部改良を実施して新色を追加
WEB CARTOP
天国から帰ってきた母との再会を描く心温まるファンタジー『母とわたしの3日間』
天国から帰ってきた母との再会を描く心温まるファンタジー『母とわたしの3日間』
バイクのニュース
レッドブル、今から本気モード。フェルスタッペン「持てる全てを出さなきゃ」ここ数戦ではライバルの接近許す
レッドブル、今から本気モード。フェルスタッペン「持てる全てを出さなきゃ」ここ数戦ではライバルの接近許す
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

16件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2008.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.02500.0万円

中古車を検索
センチュリー(セダン)の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2008.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.02500.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村