1963年頃のアメリカでは、ホンダ「スーパーカブ」が空前の大ヒットとなりましたが、これには「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」というキャンペーンが深く関わっているようです。では、このキャンペーンはどのような内容だったのでしょうか。
誰でも気軽に乗れ、快適な走行ができるバイクとして商品化されたスーパーカブは、廉価で発売されたこともあり、1958年のデビュー早々に大ヒットとなりました。発売年はわずか5ヶ月で2万4000台を売り上げ、翌年には国内二輪車総台数の6割にあたる16万7000台、1960年は56万台と、圧倒的な販売台数を記録しました。
当時、四輪車も含めたグローバルな展開を想定していたホンダは、スーパーカブが誕生した翌年の1959年に、アメリカに現地法人を設立。
これに併せて、「ドリーム305」や「ドリーム250」、「ベンリィ125」、「CA100」の4モデルを輸出開始したところ、CA100が好評を博しました。日本国内では実用車としての評価が高いスーパーカブですが、大排気量バイクに慣れたアメリカのユーザーにとっては、小さく手軽に乗れるモデルとして評価されたようです。
実際、当時のアメリカではキャンプや狩猟、釣りへ行くときにCA100を車載し、目的地で降ろして長靴やトレッキングシューズのように使う、という使い方が多かったといわれています。
そして、ホンダはその勢いに乗り、「ホンダに乗ると素晴しい人びとに会える」「ホンダに乗ると素晴しいことが起きる」というフレーズのもと、1963年にナイセスト・ピープル・キャンペーンを実施しました。
キャンペーンの内容は、老若男女のライダーがCA100に乗るイラストを色鮮やかに並べ、ヘッドコピーを粋にそえるというグラフィックを「タイム」「ライフ」をはじめとしたグラフ雑誌に継続して掲載する、というものでした。これらの読者層にアピールするとともに、1964年にはテレビコマーシャルも放映されたといいます。
その結果、CA100はアメリカ社会で一大ムーブメントを起こし、二輪車の社会的地位が向上しただけでなく、ホンダブランドに対する親しみをもってもらえるようになりました。また、ライフ誌で「ホンダに恋したアメリカ」という特集記事を掲載したり、ビーチ・ボーイズがCA100をモチーフにした曲「LITTLE HONDA」をリリースしたりと、ブームがブームに火を着けるような状態にまで発展したようです。
加えて、アメリカ大統領が外交会談でホンダを話題にした、というエピソードも伝えられており、スーパーカブとナイセスト・ピープル・キャンペーンは、アメリカのバイク市場を大きく変える原動力になったといっても過言ではありません。
ちなみに、スーパーカブが生産開始されて60周年を迎えた2018年には、「スーパーカブ50 60周年アニバーサリー」「スーパーカブ110・60周年アニバーサリー」が、受注期間限定で発売されました。
これらのモデルは、当時のキャンペーンで登場したCA100の、マグナレッドを主体とするボディカラーやツートン仕様のシート、ブラック塗装のリアキャリアなど思い起こさせるカラーリングに仕上がっています。
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アメリカでも一大ブームを巻き起こしたスーパーカブは、その後世界中で高い評価を受け、世界一売れたバイクのひとつとしてバイク史上に残る存在になりました。現在も、さまざまなバリエーションが追加されながら進化し続けるスーパーカブは、これからも世界中の人々から愛され続けていくバイクといえるかもしれません。
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