2023年12月にトヨタが開催したクラウンのメディア向け試乗会。その片隅に1台のワゴン車が置かれていました。そのモデルこそ、新生クラウンの最後発モデル「クラウン エステート」です。まだ公表されていないことが多いクルマですが、今回は写真を交えてご紹介していきます。
約16年の沈黙を破りエステートが復活する!
クラウン エステートは2024年(2023年度中)の発売が予告されている新機種です。クロスオーバー(2022年7月登場)、ハッチバックのスポーツ(2023年10月登場)とセダン(2023年11月登場)に続く第4弾になるモデルです。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
ワゴンボディのクラウンは、バンも含めて昭和から平成にかけてはほぼ必ずといっていいほど準備されていました。しかし、1999年に登場した10代目クラウンにエステートが用意されていましたが、2007年にそのモデルライフを終えて以降、クラウンのワゴンは姿を消しました。それから16年以上を経て、クラウンにエステートが復活することになったのです。
ボディ寸法はクロスオーバーに近い
ここからは、新型クラウン エステートのエクステリアと細部を見ていきましょう。まずボディサイズですが、全長4930✕全幅1880✕全高1620mm、ホイールベースは2850mmです。これらの数値は開発目標値なので市販モデルでは変更される可能性がありますが、全長とホイールベースはクラウン クロスオーバーと同一です。
また、パワーユニットはハイブリッド(HEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)を搭載することになっています。先述のディメンジョンやパワーユニットの種類を考慮すると、先行して発売されているクロスオーバーやスポーツに搭載されているFFベースのパワーユニットが搭載される可能性が高そうです。また駆動方式は4WDのみとなります。ちなみに今回撮影した車両はPHEVでした。
フロントマスクにはエステートだけの個性が与えられている
クラウン エステートで目を引く部分が、ほかのクラウンとは意匠が異なるフロントマスクです。クラウンシリーズはボディタイプによってフロントグリルやアンダーグリルのデザインを変えることで差別化を図っていますが、クラウン エステートではバンパーとフロントグリルを一体化したデザインを採用しています。
一方でプリウスなどにも採用され、トヨタの新しいアイコンになりつつあるハンマーヘッド形状を採用することで、クラウンとしてもトヨタ車としても認知できるデザインとしているのです。ちなみにヘッドライトはクラウン スポーツのようにバンパーの左右に埋め込まれています。
また、バンパー下部やフェンダーにはブラックのモールが付いていて、SUVらしさも漂っています。しかしその色は光沢のあるブラックなので、SUVによくある黒い無塗装樹脂製のものとは質感がまったく異なります。これは開発陣のこだわりの一部なのかも知れません。このこだわりについてはこのあとに書きたいと思います。
落ち着きのあるカラーリングと質感のインテリア
続いて車内を見ていきましょう。インパネの造形は、クラウン スポーツとほぼ同じ、左右非対称のデザインを採用しています。今回の撮影車両のシートやトリムはタンカラー、ルーフライニングはブラックだったこともあり、とても落ち着いた大人の雰囲気が漂っています。
ちなみに開発者によると、この落ち着いた雰囲気は内外装をデザインする際に重要視した部分なのだとか。クラウンである以上、アウトドアやカジュアルなイメージがあるエステートであってもある程度のフォーマルさを持っていなければならない、と考えたそうです。その結果、内外装は大人びたデザインやカラーリング、質感になったそうです。
このように車内は落ち着いた雰囲気ではあるものの、それでいて後席の頭上までグラスルーフとなっているので決して暗くなりすぎていないところも好印象でした。
後席はクラウンシリーズでもっとも使いやすいかもしれない
フロントシートはシート地こそスポーツやセダンとは異なりますが、形状や機能は共通のようでした。ヒーターやベンチレーションも付いていますし、これらの機能が連動するフルオートエアコンも装備されているものと思われます。運転席と助手席の乗員は快適なドライブを楽しめるはずです。
一方、リアシートはほかのボディ形状と比較すると明らかに乗り込みやすいと感じました。これはルーフ両サイドの梁がセダンやスポーツでは後方にいくに従い低くなっているのですが、エステートは高めかつ水平に近いことが効いています。
リアシートに座るとヒップポイントは高めで、足元の広さも十分確保されています。着座姿勢はセダンのソファに深く腰掛ける感じとは違い、チェアに座るというイメージです。アイポイントも高いので前方の見通しはクラウンシリーズの中で一番良いのではないかと感じました。
ラッゲジスペースは車中泊ニーズにも応えられそうな広さ
ワゴンタイプのクルマで大切なのがラゲッジスペースですが、広さや使い勝手はどうでしょうか? リアハッチを開けると荷室の床面積は真っ平らで、しかもかなり広く感じました。床下に3列目シートが隠されていてもおかしくないほどです。
リアシートの背もたれは60:40分割可倒式で荷室側壁にあるレバーで、ワンタッチで倒すことができます。シートバック部分はやや凹凸が残る点は少し残念です。ですが感心した点もあります。それは後席シートバックにリアシートの足元スペースを覆うパネルが付いていることです。
例えば車中泊をする際に、後席のフットスペースをどう埋めてフラットな寝床を作るかというのは、けっこう重要な問題です。またペットを入れたケージなど、前席からすぐに手が届くところにモノを置きたい場合にも、後席のフットスペースがまるで空堀のように邪魔な存在になります。
その点をクラウン エステートでは考える必要がないのです。また、後席シートバックを倒した状態の荷室長はかなり余裕があり、身長175cm程度の人でも十分横になれそうです。
ある意味、ワゴンの理想形かも知れない
また、パワーユニットがHEV、またはPHEVということもアウトドアでクルマを使うユーザーには大きな注目点かも知れません。トヨタのHEVのほとんどにAC100V・1500Wのアクセサリーコンセントを備え、PHEVではDC外部給電にも対応するからです。
このように、クラウン エステートは高級感とワゴン車のユーザーに求められる機能性を兼ね備えていると感じました。また、エクステリアデザインやインテリアの設えなどは、上級SUVのユーザーも取り込めるのではないかと思える内容でした。こういったことから、クラウン エステートはワゴンの理想形なのかも知れません。
価格やグレード構成などはまだ発表されていませんが、あと少しで判明するので追ってご報告したいと思います。
(写真:佐藤正巳)
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みんなのコメント
早く実車を見て・試乗して『走行時の様々な音の車室内への入り込み具合』を確認したい。
セダンの静かな室内と比較すると、ワゴン系はどうしても荷室の遮音性が悪くて走行音が大きいので。(路面からの音はREGNO等で静かになりますが…)
後は他のボディカラーの雰囲気と価格&納期がどうか?です。