知る人ぞ知るお買い得ハッチバック「スズキ スイフト」。種類多めのパワートレーンをどう選ぶかがカギになる

スイフトのグレード選びはパワートレーンからして複雑！
いま日本でコンパクトカーを購入検討すると、「トヨタ ヤリス」や「ホンダ フィット」といった名前が挙がりますが、「スズキ スイフト」も忘れてはいけない一台です。

スイフトというと、コスパ最強のホットハッチ「スイフトスポーツ」のイメージが強いものですが、標準モデルも非常に充実したグレード構成となっています。逆にいえば、しっかり検討しないとグレード選びが難しいほどです。

基本のエンジン：1.2L 4気筒＋CVT／5MT
…このクラスでは3気筒が多いことを考えると、上質な回転フィールを味わえる4気筒エンジンはそれだけで価値があります。トランスミッションはCVTに加えて、貴重な5速MTも設定。

加えて2種類のハイブリッドも設定。
1.2L 4気筒＋マイルドハイブリッド＋CVT
…3.1馬力（2.3kW）のISG（アシストや発電機を兼ねた小型モーター）を使用

1.2L 4気筒＋ハイブリッド＋5速AGS（MTベースの自動クラッチ式AT）
…13.6馬力（10kW）と小さめのモーターを組み合わせたスズキ独自のシステム

整理すると、次のように6種類のパワートレインを選ぶことができるのです。
・5速MT（FF）
・CVT（FF）
・CVT（4WD）
・CVT＋マイルドハイブリッド（FF）
・CVT＋マイルドハイブリッド（4WD）
・AGS＋ハイブリッド（FF）




最上級の独自ハイブリッド搭載車はスイフトスポーツより高い
この中で、オススメを考えるのはなかなか難しいお題となります。

まず、それなりに価格帯が異なります。もっとも安価な5速MT・FFグレード「XG」のメーカー希望小売価格は153万5600円ですが、独自ハイブリッドを搭載する最上級グレード「ハイブリッド SZ」は208万7800円（FF）と「スイフトスポーツ」（6速MTで201万7400円）より高価になっています。

また、スズキのハイブリッドシステムはどれも他社のストロングハイブリッドほど燃費を稼いではいません。カタログ値（WLTCモード）でいうと、5速MT・FFが21.8km/L、5速AGSベースのハイブリッドが23.0km/Lと、乗り方次第で逆転できそうな差しかありません。ちなみに、マイルドハイブリッド車（FF）の燃費性能は21.0km/Lで、5速MTに負けています。

実際に走ってみると、AGS＋ハイブリッドの加速は電動らしい非常にパワフルかつシームレスなもので、5速MTよりもずっと洗練されています。しかし、燃費の良さで選ぶタイプのハイブリッドでないことも事実でしょう。




あえてMTを選ぶのも合理的。どの組み合わせでも走りを楽しめる
もし、あなたがAT限定免許でなく、日常的にMTを操ることに抵抗がないのであれば、スイフトの場合は最もベーシックな5速MTを選ぶことも経済合理性のある選択です。

MTに組み合わせられるエンジンは91馬力とパフォーマンスは平均的ですが、スイフトのボディ骨格は走りに定評のあるスイフトスポーツと基本的に共通なので、キビキビとした走りが楽しめるポテンシャルを持っています。

もちろん、基本部的な走りの良さはCVTでも、マイルドハイブリッドでも、ハイブリッドでも味わえます。ベーシックカーらしく生活の足となりながら、気分次第でスポーティなドライビングを楽しむポテンシャルをもったモデルなのです。

そう考えると、後席のドアハンドルが隠しタイプになっているなど、少し癖のある使い勝手なども、スイフトの走りをイメージさせるダイナミックなフォルムに貢献しているチャームポイントということができるでしょう。

ハッチバックにスポーツ性を求めるユーザーであれば、ライバルモデルよりも優先順位を上げて検討したいのがスイフトではないでしょうか！




文：山本晋也（自動車コミュニケータ・コラムニスト）
写真：
1枚目：スイフト ハイブリッドRS
2枚目：スイフト ハイブリッドSZ
3枚目：スイフト XG

Comments

スイフト評価ほど売れていないのが現実

スイフトスポーツ買うような若い貧乏人はというと：

貧乏人は※※※※※...



そういうバカヤローを私は大嫌い