■ホンダの新型コンパクトSUV「エレベイト」は日本導入の可能性ある?
ホンダのインド法人が2023年9月に発売した「エレベイト」は、スクエアなボディが特徴の「タフ系」コンパクトSUVです。
このエレベイト、「日本でも発売される」という噂がありますが、日本導入となる場合、どのようなカタチで登場する可能性が考えられるのでしょうか。
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ホンダのインド法人は2023年9月、新型コンパクトSUVの「エレベイト」を発売しました。
急成長するインド市場へと投入されたコンパクトSUVであるエレベイトは、全長4312mm×全幅1790mm×全高1650mmという扱いやすいサイズ感のボディに、1.5リッターガソリンエンジンにCVTもしくは6速MTが組み合わされます。
また、ブラウンとブラックのコントラストが美しい内装に加え、10.25インチの大型タッチスクリーンディスプレイや安全運転支援システムの「ホンダセンシング」が備わるなど、先進装備も充実しています。
エレベイトは、グローバルモデルとして今後多くの国や地域で販売されることが明らかにされています。
エレベイトが生産されるインドのタプカラ工場は、およそ18万台の年間生産能力があるのに対し、インドにおけるホンダの販売台数はその半分程度です。
つまり、少なくとも数万台のエレベイトがインドから各国へと輸出されることがわかりますが、現時点ではそこに日本が含まれるのかどうか、ホンダから正式なアナウンスはありません。
ただ、日本国内におけるホンダのラインナップを見ると、SUVは「ZR-V」と「ヴェゼル」の2つしかなく、やや物足りない状況であることは否めません。
現在はSUVがトレンドとなっていることを考えると、エレベイトのようなコンパクトSUVがラインナップに加わるメリットは計り知れません。
また、エレベイトはヴェゼルと重なるサイズ感ではあるものの、スタイリッシュで都会的なイメージのヴェゼルに対し、スクエアなボディがタフな印象を与えるエレベイトは、新たなユーザーへとアプローチできる可能性も秘めています。
エレベイトと思われるカモフラージュされたコンパクトSUVの目撃情報が、SNSで相次いでいることを考えても、近い将来、エレベイトが日本導入される可能性は十分にあると言えそうです。
ただ、もし仮にエレベイトが日本導入されるにしても、インド仕様のままということはなさそうです。
たとえば、1650mmという全高は日本の駐車場事情などを考えるとやや中途半端であることから、サスペンションのチューニングやルーフレールのオプション化などによって、1550mm程度に調整される可能性は高そうです。
パワートレインについても、日本のユーザーのニーズを考えるとホンダ独自のハイブリッドシステムである「e:HEV」の搭載は必要不可欠であると考えられます。
一方、ホンダはエレベイトに対してBEVを含むさまざまなパワートレインを搭載することを示唆しており、そこには「e:HEV」も含まれると見られます。
「e:HEV」が搭載されるのであれば、エレベイトの日本導入はさらに現実味を帯びてきそうです。
逆に言えば、全高とパワートレインの問題が解決されれば、内外装のデザインや機能装備についてはインド仕様のままでも必要十分なレベルと言えます。
ただし、日本のMT需要を考えると、5速MT仕様の日本導入は見送られる可能性が濃厚です。
エレベイトは、インドでは約110万ルピー(約200万円)という価格で販売されています。
ただ、これはガソリン車の価格であるため、ハイブリッド車の場合には250万円程度からの価格になると見られます。
これはヴェゼルとほぼ同じ価格帯です。ただ、前にも述べたとおり、エレベイトとヴェゼルはキャラクターが異なるため、タフ系SUVを求めるならエレベイト、都会派SUVを求めるならヴェゼルといったようなすみわけがなされるものと考えられます。
エレベイトが日本に導入された場合、そのライバルとなるのはトヨタ「ライズ」「ヤリスクロス」、日産「キックス」、マツダ「CX-30」、スバル「クロストレック」、ダイハツ「ロッキー」などかもしれません。
そのなかでも、エレベイトとキャラクターの似ているヤリスクロスやクロストレックは、特に比較されやすいモデルとなりそうです。
※ ※ ※
これまで、日本の自動車メーカーでインドから輸入したものを国内で販売した事例は、スズキ「バレーノ」のみであり、エレベイトの日本導入が実現すれば、ホンダとしては初のインドからの輸入となります。
ただ、ホンダはこれまで「アコード」(タイ)や「シビックタイプR」(イギリス)、「アコード」(アメリカ)を輸入販売した実績があり、さらには2023年冬にも発売される「オデッセイ」も中国から輸入となる予定です。
加えて、二輪に関してはすでにインドから多くの輸入実績があり、ノウハウは十分にあります。
こうした点も、エレベイトが日本導入される可能性が高い理由のひとつと言えそうです。
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