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ミレニアルズ3人が、モータージャーナリストに素朴な質問──2019年話題のクルマ、どうなんでしょう?【前編】

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ミレニアルズ3人が、モータージャーナリストに素朴な質問──2019年話題のクルマ、どうなんでしょう?【前編】

Q メルセデス・ベンツのAクラスとBクラスとCクラスの違いがわかりません(近藤)

A メルセデス・ベンツの乗用車のラインナップは一度覚えてしまえば簡単です。長男がSクラス、次男がEクラス、三男がCクラス、そして末っ子がAクラスとBクラスです。「末っ子がAとBの2人いるの?」というギモンはごもっともで、実はこのふたりは二卵性双生児。見た目は違うけれど基本的な成り立ちは一緒なのです。違いはBの方が背が高くて、スペースに余裕があること。だから人を乗せたり荷物を積んだりする機会が多い方は、Bクラスの方が使い勝手がいいかもしれません。(サトー)

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Bクラスがスタイリッシュに生まれ変わりましたQ 知り合いが「Bクラスってエフエフだろ?」って言ってたんですが、それって?(米永)

A FFとはフロントエンジン・フロントドライブ、つまり前輪で駆動する方式です。部品の数が少なくて軽くできるFFは合理的ですが、舵と駆動の一人二役をこなさなきゃいけない前輪に負担が集中し、ハンドルの手応えが悪いなどの課題がありました。一方、前輪は舵、後輪は駆動と役割を分担するFR(後輪駆動車)は贅沢品だとされています。メルセデス・ベンツは、AクラスとBクラスがFFで、Cクラスから上がFRですね。ただし技術の進化によって、FFの課題は克服されました。目隠ししてFFとFRを乗り比べたら、正直、見分ける自信がありません。Bクラスのような実用車は、駆動方式を気にする必要はないでしょう。(サトー)

Mercedes-Benz B-ClassAクラスより10cm以上背が高く、室内と荷室の空間に余裕アリ。エンジンは1.3ℓガソリン(136ps)と2ℓディーゼル(150ps)の2種。「ハイ、メルセデス」と音声でナビや空調を操作するMBUXはかなり使える。

SPEC 全長×全幅×全高:4425×1795×1565mm ホイールベース:2729mm 車両重量:未公表 乗車定員:5名 ¥3,840,000(税込)~

今年いちばん話題のオープンその名は、BMW Z4Q オープンカーって、気持ちいいんですか?(長谷川)

A オープンカーでルーフを開けた時に味わえる開放感は、一度体験すると病み付きになる類いのものです。最近のオープンカーは、巧みな空力設計で風の巻き込みも上手く抑えられていて、特に海岸沿いやワインディングロードをオープンにして走れば、それだけで気分が上がります。都会のナイトクルージングもオススメです(とくに女子と乗る場合)。

そんなオープンカーで、今最も注目すべきはBMW Z4でしょう。この春に日本市場へ導入された3代目Z4は、BMWがトヨタと共同開発したモデルで、最高出力340ps、最大トルク500Nmの3.0ℓ直6ターボを搭載したZ4 M40iと、197psと320Nmを発揮する2.0ℓ直4ターボを積んだZ4 sDrive20iの2タイプがあります。Z4 M40iは抜群にパフォーマンスが高く、ピュアスポーツカーとしての出来映えも素晴らしいですが、気軽にオープンドライビングを楽しむなら、Z4 sDrive20iでも十二分に満足できるクルマに仕上がっています。(竹花)

Q トヨタ スープラとの違いって?(米永)

A ニューBMW Z4は、トヨタ GRスープラとメカニズムのほぼすべてを共用した、いわば双子のようなモデルです。しかし、Z4はオープンボディ、スープラは屋根付きのクーペボディという違いがあります。これはBMWとトヨタの間で、開発初期の段階で互いに取り決められたそうで、今後も「Z4クーペ」や「スープラ・コンバーチブル」が登場することはありません。

ボディの基本骨格やシャシー、エンジン、トランスミッションなども、コンポーネントは共通ですが、チューニングはBMWとトヨタがそれぞれ独自に行っています。ですから乗り味は、全くの別モノとまでは言いませんが、かなり違います。スポーツカーらしいスパルタンな走りを追求したスープラに対し、Z4はオープンスポーツカーとして、よりしなやかで上質な乗り味を実現しています。同じ素材でもシェフが違えば、出来上がってくる料理も味も違ってくるのと似ています。

最大の違いはやはりデザインでしょう。エクステリアはもちろんですが、インテリアもZ4とスープラは別モノです。ちなみにスープラのインテリアは、98%がトヨタのオリジナルだそうです。(竹花)

BMW Z4

3世代目となる新型Z4のトピックは屋根がリトラクタブルハードトップからソフトトップに回帰したこと。ロングノーズ・ショートデッキの古典的プロポーションにはこちらが似合う。エンジンは直6と直4の2種。

SPEC 全長×全幅×全高:4335×1865×1305mm ホイールベース:2470mm 車両重量:1535kg 乗車定員:2名 ¥5,660,000(税込)~

かつての公道のスターが真っ当なスポーツカーにQ 昔のスープラとなにが変わっているのでしょう?(近藤)

A スープラは、4気筒エンジン専用セリカの6気筒仕様として誕生したのがそもそもの始まり。このため、キビキビした走りが自慢だったセリカに比べると、スープラはより豪華で長距離クルージングが得意なモデルでした。なかにはハンドリング志向の強いモデルもありましたが、それらはあくまでも少数派です。

ところが新型はスポーツカー方向に明確に舵を切りました。新しいスープラがBMWとの共同開発であることはご存じのとおりですが、当初トヨタが「われわれはリアル・スポーツカーを作りたいんだ」と何度説明しても、BMW側にはなかなか理解してもらえなかったそうです。それでも最終的にトヨタの提案が受け入れられ、BMWにとってもかつてなかったほどホイールベースに対してトレッドが幅広い、言い換えればコーナリング性能重視の基本設計がスープラとZ4に採用されたのです。(大谷)

Q BMW Z4とどう違いますか?(米永)

A 基本的なボディ構造、サスペンション、エンジン、駆動系などはZ4とスープラで共通とされています。メーターパネルのデザインこそ異なりますが、ナビゲーション・システムの操作方法や表示はBMW方式を踏襲。細かいところではウィンカーレバーの操作ロジックまでBMWと共通とされています。エンジンがBMW製だったり、ギアボックスがアイシン社製ではなくZF製となっていることからも、基本設計の多くはBMW主導で行われたと思って間違いなさそうです。

われわれはリアル・スポーツカーを作りたいんだ両者の違いとしては、スープラがクーペとなるのに対して、Z4が開閉可能なソフトトップをルーフに採用した点がまず目につきますが、クルマの味付けも大きく異なっています。スープラのサスペンションは、ボディの動きをしっかり抑え込むくらい硬いのに、路面からの衝撃はスムーズにやりすごすしなやかさも併せ持っています。この結果、路面が強くうねったコーナーを攻めてもハンドルが左右にとられることなく、安心してドライビングに集中できます。この点は、左右に振られるハンドルを常にドライバーが抑え込まなければいけないZ4とは大きく異なっています。(大谷)

TOYOTA SUPRA

スープラが17年ぶりに復活、直6エンジンを積む後輪駆動のスポーツカーという伝統は受け継がれた(直4仕様もアリ)。BMWと共同で開発を行い、Z4と基本構造を同じくするがデザインと味付けはトヨタ独自のもの。

SPEC 全長×全幅×全高:4380×1865×1290mm ホイールベース:2470mm 車両重量:1520kg 乗車定員:2名 ¥4,900,000(税込)~

質問するミレニアルズ米永 豪 23歳 大学生

慶應義塾大学商学部5年生。大のクルマ好きで、将来乗りたいクルマはポルシェ911RS。「貯金なくしてクルマライフなし、頑張ります」

長谷川まりか 24歳 フリーター

制作会社に勤めていたが、現在転職活動中。クルマは助手席専門。「派手な色の車はちょっと苦手。私のメイクも薄口です」

近藤玲央名 25歳 エディター

大学生の頃に『GQ JAPAN』でインターンをし、今年6月より『GQ JAPAN』編集部の編集者に。主にデジタルのニュース記事を担当する。

答えるモータージャーナリストサトータケシ ライター

1966年生まれ。伝説の自動車文化誌『NAVI』で副編集長を務めた後に独立。猛暑日に愛車シトロエンC6のエアコンが働かず悶絶。

大谷達也 モータージャーナリスト

電機メーカーの研究所で7年間エンジニアとして勤務した後、1990年『CAR GRAPHIC』編集部に転職。現在はフリーランスで大活躍。

竹花寿実 モータージャーナリスト

昨年帰国するまで、ドイツで8年間にわたりベーシックカーからスーパーカーまで取材した経験を持つ国際派モータージャーナリスト。

Photos Utsumi(Mercedes-Benz B class)、Hiro Kimura@W(BMW Z4)、Hiromitsu Yasui@Weekend.(Toyota Supra、Mazda Mazda3)、Yoshitaka Kashiwada(Land Rover Range Rover Evoque)、Raihei Okada(Audi A6 Avant)

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