現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > いまでこそアルヴェルの影に隠れてるけど初代は凄かった! 発売後1カ月で1万7000台も売れた「初代エルグランド」の衝撃

ここから本文です

いまでこそアルヴェルの影に隠れてるけど初代は凄かった! 発売後1カ月で1万7000台も売れた「初代エルグランド」の衝撃

掲載 26
いまでこそアルヴェルの影に隠れてるけど初代は凄かった! 発売後1カ月で1万7000台も売れた「初代エルグランド」の衝撃

 この記事をまとめると

■日産の初代エルグランドは1997年に登場した

どんなにいいクルマを作っても「アルファード&ヴェルファイア」は倒せない? 新型登場が噂される「エルグランド」の前に立ちはだかるいくつもの壁

■当時では類を見ない「高級ミニバン」というジャンルで大ヒットした

■2002年にはトヨタがライバル車種「アルファード」を投入してきた

 栄光の初代エルグランドを振り返る

 現時点で国産ハイエンドミニバンとして君臨しているのは、発売されたばかりのトヨタ・アルファードとヴェルファイア、そして日産エルグランドだ。エルグランドはこのところ、販売台数でアルヴェルに大きくリードされ続けている。その理由がエクステリアデザインの堂々感、先代アルヴェルの1400mm(新型は1360mm)に対して1300mmという室内高がもたらす室内の広々感で劣る点、アルヴェルには当初からあるハイブリッドモデル(日産ではe-POWER)の不在、そして先進運転支援機能の充実度でアルヴェルに後れを取っている点などが挙げられる。

 もっとも、インテリアの豪華さや特等席となる2列目キャプテンシートのかけ心地に関しては、決して大きく引き離されているわけではない。とはいえ、現行型の3代目エルグランドは2010年のデビューであり、もう13年。基本設計の古さは隠しようもない。

 が、おそらく2024年には4代目がe-POWERやプロパイロットを引っ提げて、さらにはハイブリッドシステムを搭載し、先進運転支援機能を充実させて登場すると予想されており、国産ハイエンドミニバンのアルヴェル一強の構図が変わる可能性もある。その立ち位置を確立し、多くの一般ユーザー、VIP、芸能人などに愛用されているアルヴェルを倒すのは並大抵のことではないが、国産ハイエンドミニバンの選択肢が広がることは大歓迎ではないか。

 しかし、そんな日産エルグランドの初代モデルこそ、国産ハイエンドミニバンの元祖であり、のちのトヨタ・アルファードとヴェルファイア登場のきっかけともなったことを忘れてはいけない。

 1997年、つまり初代トヨタ・アルファードがデビューする2002年より5年も前に登場した初代エルグランドは、セミキャブオーバータイプのパッケージングを採用し、それまでの商用ワンボックスカーとは一線を画すミニバンデザイン(助手席側のみスライドドア)、広大な室内空間、フラットフロア、前後席ウォークスルーを実現。商用車とは別物の操縦性、パワフルなV6エンジンのラインアップ、オールモード4×4、上級グレードの本革シートの設定など、当時、大注目を集め、空前の大ヒット。

 なお、基本部分はR50系テラノ(SUVゆえに駆動方式はFR)と共用。車名は当初、その前身を引きずって、販売店によって、キャラバンエルグランド、ホーミーエルグランドとネーミングされていた。キャッチフレーズは「最高級新世代1BOX」。室内はズバリ「ファーストクラス」と謳われていた。グレードは7人乗りのX、8人乗りのV、Jの3タイプ。パワーユニットはディーゼルのQR32Eti、150馬力、34.0kg-m、およびガソリンのVG33E、170馬力、27.1kg-m+4速ATだった。2000年のマイナーチェンジでは新開発ガソリンエンジンのVQ35DE、177馬力、36.0kg-mを搭載している。

 しかも、翌1998年には、いま話題のレクサスLMの最上級グレードに相当する、贅沢にもほどがある2列シート、4人乗りのロイヤルラインを設定(オーテックジャパン製、当時の日産の社長車)していたのである。

 まさに先見の目がある国産ハイエンドミニバンだったというわけだ。1997年5月の発売から1カ月で受注は約1万7000台に達し、2002年に2代目に移行した翌2003年には、初代からの国内販売台数25万台を記録。その記念車も発売されたほどで、日産の大ヒット作の1台となったのである。

 高級ミニバンの先駆けだった

 筆者の当時の試乗メモによれば、乗用ハイエンドミニバンというカテゴリーでライバルなき存在として、その手法がいまでも継承される迫力満点の2段構えの顔つき、3列シートフル乗車にも対応するV6エンジン(当初はVG型3.3リッター、2000年にVQ型3.5リッターに拡大)のゆとりある動力性能(直4もあり)、当時のセドリック、グロリア並みのインテリアのデザイン、質感、商用車とは異なる自然なドライビングポジション、とある。

 また、5代目ホンダ・オデッセイにも採用された、リラックス度を高める2列目キャプテンシートの背もたれ中折れ機構、2/3列目席回転対座機構といった大空間を生かした居住性を高めるアイディアが際立っていた。もっとも、3列目席使用時のラゲッジスペースの奥行きは最小限だったと記憶する。

 走行性能は平凡。パワフルさを売りとしたためか、発進はドーンと前に出るし、巡行時は静かなものの、エンジンをまわすと途端にうるさくなるのが気になった。が、全高、重心、運転席の着座位置こそ高いものの、操縦性は意外なほどしっかりしていて、乗用車感覚で不安なく走れたのだった(当時の試乗メモによる)。

 国産乗用ハイエンドミニバンとして初のクルマだけに、いいところもイマイチなところもあったわけだが、当時としては唯一無二の存在であったことは間違いなく、繰り返すけれど、ハツモノとして大ヒット。国産ミニバンの歴史のなかで、大いなる偉業を遂げた1台なのである。

 いまでは一世を風靡するVIP御用達車であるトヨタ・アルファードの初代(基本部分はエスティマ)が、エルグランドの2代目登場のタイミングとなる2002年にデビューしたのも、初代エルグランドが2年弱で20万台を売った大ヒットあってのこと、とも言えそうだ。

 ゆえに、2024年にも登場するはずの4代目新型エルグランドには、このクラスの先駆者としての意地をみせてほしいところ。e-POWERでついにハイブリッドモデルが加わり、プロパイロット(2.0か新型?)で先進運転支援機能を充実させるのは当然として、あとはアルヴェルを打ち負かす、あるいは同等の存在感、迫力あるエクステリアデザインと室内高のゆとりが成功のポイントになると”勝手に”思ったりする。

 ちなみに、おなじみのハイウェイスターというグレード名が残るとしたら、一般ユーザーにはウケると思うが、VIP御用達車としてはどうだろうか……。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

新SUV時代に挑むトヨタ、ミツビシ、シボレーの全15チームに対し異例の“ドラフト制”で布陣が確定/SCB
新SUV時代に挑むトヨタ、ミツビシ、シボレーの全15チームに対し異例の“ドラフト制”で布陣が確定/SCB
AUTOSPORT web
日本の道路事情にピッタンコ!? 旧型「ミニ」生産終了から四半世紀 なぜ高値安定なのか?
日本の道路事情にピッタンコ!? 旧型「ミニ」生産終了から四半世紀 なぜ高値安定なのか?
乗りものニュース
【メキシコ】日産の新型「キックス」が人気スギ!? 8年ぶり全面刷新で“大胆顔”に!全長4.3m級ボディ&「クラス超え上質内装」の「小さな高級車」が売れてる
【メキシコ】日産の新型「キックス」が人気スギ!? 8年ぶり全面刷新で“大胆顔”に!全長4.3m級ボディ&「クラス超え上質内装」の「小さな高級車」が売れてる
くるまのニュース
ホンダが大型スクーターの「X-ADV」をアップデート! 新型ヘッドライトや先進装備の採用で「カッコよさ&快適性」が大幅アップ
ホンダが大型スクーターの「X-ADV」をアップデート! 新型ヘッドライトや先進装備の採用で「カッコよさ&快適性」が大幅アップ
VAGUE
輪留めは物理的なブレーキであると共に気もちのブレーキとしても重要! 輪留めがプロドライバーの意識を高めていた
輪留めは物理的なブレーキであると共に気もちのブレーキとしても重要! 輪留めがプロドライバーの意識を高めていた
WEB CARTOP
グーマガ 今週のダイジェスト【12/14~12/20】池田直渡氏、吼える!
グーマガ 今週のダイジェスト【12/14~12/20】池田直渡氏、吼える!
グーネット
[DSP大全]「イコライザー」をプロ並みに使いこなすスペシャル・テクを紹介!
[DSP大全]「イコライザー」をプロ並みに使いこなすスペシャル・テクを紹介!
レスポンス
ホンダウエルカムプラザ青山が本社ビル建て替えのため2025年3月31日で休館。最後のイベントを開催へ
ホンダウエルカムプラザ青山が本社ビル建て替えのため2025年3月31日で休館。最後のイベントを開催へ
AUTOSPORT web
F1タイヤの34%が未使用で”ムダ”に。ピレリのデータから浮き彫りになる対策の必要性
F1タイヤの34%が未使用で”ムダ”に。ピレリのデータから浮き彫りになる対策の必要性
motorsport.com 日本版
どうして隣の車にビタ付きで走るの…? 謎の「トナラー運転」の行動心理を交通心理士がズバリ解説
どうして隣の車にビタ付きで走るの…? 謎の「トナラー運転」の行動心理を交通心理士がズバリ解説
乗りものニュース
レクサスの“小さな高級車”「LBX」がスゴい! 全長4.2mの小型ボディに“クラス超え”高級インテリア採用! どんなモデル?
レクサスの“小さな高級車”「LBX」がスゴい! 全長4.2mの小型ボディに“クラス超え”高級インテリア採用! どんなモデル?
くるまのニュース
マルチスズキ、『ワゴンR』発売25周年を祝う…3年連続インドベストセラー車に
マルチスズキ、『ワゴンR』発売25周年を祝う…3年連続インドベストセラー車に
レスポンス
新たなF1公認番組の製作が進行中か。ダニエル・リカルドのHuluシリーズに似た作品に?
新たなF1公認番組の製作が進行中か。ダニエル・リカルドのHuluシリーズに似た作品に?
motorsport.com 日本版
『ADVAN Sport』全面訴求。横浜ゴムがTAS2025でタイヤ、ホイール、カスタムカーなど幅広い展示
『ADVAN Sport』全面訴求。横浜ゴムがTAS2025でタイヤ、ホイール、カスタムカーなど幅広い展示
AUTOSPORT web
ティムの息子ヤコブ・ベルグマイスターがSFライツテストに参加「父とまた日本に来ることができたら」
ティムの息子ヤコブ・ベルグマイスターがSFライツテストに参加「父とまた日本に来ることができたら」
AUTOSPORT web
横浜ゴムはタイヤ/ホイールの2ブース出展、織戸茉彩選手の『MAAYA GR86』展示も…東京オートサロン2025
横浜ゴムはタイヤ/ホイールの2ブース出展、織戸茉彩選手の『MAAYA GR86』展示も…東京オートサロン2025
レスポンス
スバル/STI、BRZ GT300とWRX NBR CHALLENGEの2025年モデルを展示へ。東京オートサロンの出展概要を発表
スバル/STI、BRZ GT300とWRX NBR CHALLENGEの2025年モデルを展示へ。東京オートサロンの出展概要を発表
AUTOSPORT web
F1ドライバーとFIA間に横たわる溝。ラッセル「ベン・スレイエム会長は、ドライバーたちに目標を伝えるべき」
F1ドライバーとFIA間に横たわる溝。ラッセル「ベン・スレイエム会長は、ドライバーたちに目標を伝えるべき」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

26件
  • 日産、ホンダよ、ヒットモデル開発したのに大抵、次、その次で何時もトヨタに負けちゃう。
    その考察、研究はもう済んでいるのか、30年間で。
  • VQ35DEの馬力間違えてます。
    その車に乗っていたので…
    ちゃんと調べて記事を書いてください。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

408.2837.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0529.9万円

中古車を検索
エルグランドの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

408.2837.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0529.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村