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やればできる子かわいい子! 元オーナーが断言「シルビアはS14前期こそ至高だ」

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やればできる子かわいい子! 元オーナーが断言「シルビアはS14前期こそ至高だ」

 S14型シルビア。評価の高いS13、S15に挟まれ「ざんねんな子」扱いされ気味だが、なにを隠そう、私(飯嶋)の3台めの愛車だった。購入当時にはS15シルビアも新車販売されていたが当然買える金はなく「じゃあ中古のS14で」となったわけだが、狙いは前期モデルと決めていた。

文/ベストカー本誌・飯嶋 穣編集長 写真/日産

S13がバカ売れし過ぎただけだろ……「S14シルビア」って言うほど悪くなかったんじゃね!?

■映画『ピアノ・レッスン』の曲が流れるなか、うす暗いワインディングを走る。このCMがたまらん

購入したS14のボディカラーはこのグリニッシュブルー(不人気色だったらしい)。何年式かは覚えていないが前期のK’sだ

 柔和な顔つきからか走り好きからソッポを向かれ、後期は鋭い顔つきとなったS14。だが、私は圧倒的に前期派だ。なんせCMがいい。映画『ピアノ・レッスン』のテーマをバックに、うす暗いワインディング(西伊豆スカイラインらしい)を走っているヤツなんか最高だ。

 最後に「そのクルマは液体のようにワインディングを駆け抜けていった」と男性の声が入るが、今でもクルマCMトップ5に入るカッコよさなのではないかと思っている。

 ちなみにS15のCMは、シェリル・クロウの「エブリデイ・イズ・ア・ワインディング・ロード」をバックに流したが、こちらはちょっと捻りが足りないのではないかと考えており(個人の感想です)、ピンとこない。

 で、購入した個体は、もはや何年式かも覚えてないが、とにかく前期のK’sだ。たしか110万円ほどで買った気がする。ボディカラーはカタログ掲載色であるグリニッシュブルーで探した。不人気色だったらしいが、あの丸っこいデザインには似合っていたように思う。

 そしてそのカラーと丸っこいデザインにはエアロも要らないと考えていたが、不人気色ゆえ選択肢が極端に少なく、選んだ個体にはnavan (ナバーン)のエアロがゴリゴリに付いていた。まあヨシとしよう。

■ターボ搭載の上級グレードだから、当然本革製と思っていたら「違うじゃん!」

ウレタン製のシフトノブにはガッカリ。「気に入らないものは替えればいいじゃん」精神で替えましたよ!(写真はQ’sのもの)

 しかしこのクルマ、心から愛するためには少々、手を入れる必要があるように思う。一番アカンのはステアリングとシフトノブがウレタンなことだ。ターボ搭載の上級グレードなのだから当然、本革製だと思いこんでいたが違った。なんかペタペタする。前のオーナーはスライムだったのかもしれない。直前までR32スカイラインGTS-tタイプM(これも中古)に乗っていただけに、ここは正直、ションボリした。

 だがココで盛り上がるのが「気に入らない場所は変えればいいじゃん」精神だ。自分はステアリングをパーソナルのものに変えた。ステッチの色は何色かから選べたが、定番のイエローでも、ヤル気満々の赤でもなく、ブルーにしてみた。

 で、シフトノブはR33GT-R純正をチョイス。購入時に付いていたキーも安っぽかったので変えたら、イッキに愛情が深まった。「どこかの誰かのモノ」だったS14が「オレのS14」になったと思った。

■直4、2Lターボを搭載。220psのパワーは必要充分で、低回転域の乗りやすさもあった

直4、2Lターボが搭載された前期のK’s。最高出力220psだが、「キタキタキタァー!」という加給の高まりは乏しかった(写真は同型エンジンを積む180SXのもの)

 そして、肝心の走りだが、当時の日産はリニアチャージコンセプトを絶賛邁進中だったこともあり、R32タイプMの低速スカスカ&ややドッカン的な性格と比べると、低回転域の乗りやすさは確実に上と思えた。

 たとえば弊社・講談社ビーシーの近くには、信号を直角に曲がると、そこは一方通行の急な上り坂という道があるのだが、ここがR32タイプMだと地味につらい。もちろん、ずーっと1速で駆け上がるなら関係ないが、坂の長さが微妙なのと周辺住民への騒音を考えると、やはりギアチェンジしたくなる。

 で、2速に上げるとさらにつらくなるのがR32だが、S14はたいして考えもせずズボラにギアチェンジしても、さほどつらそうな素振りも見せずに上っていく。優秀ざます。

 一方、ターボらしい盛り上がりという点に関しては少々おとなしい、という判断もできる。フラットトルクを恐れるな、というのは某「湾●MIDNIGHT」で読んで知ってるつもりだが、やっぱり私のような素人には過給の高まりとともに「キタキタキタァー!」とくる感覚のほうが、わかりやすく感じてしまう部分は正直、ある。

 また、これを感じている人は「ダメだぞ!」という部分のネガとして、速度が上がってくると意外に風切り音がうるさいというのがある。むろん、通常の使用範囲であればまったく問題ないので、風切り音のうるささに同意できる人は、速度計をよく見てみよう。

■いやマジで、S14シルビアを愛しています。後席はS15よりはるかに快適だしね

何度でも言う。好きなのは前期型。クルマに詳しくない人がトヨタのカレンと間違えそうな外観も……好き!

 ここまで読んで、なかには「お前は本当にS14シルビアが好きなのか」と疑われる方もいるだろう。何度も言う。残さず言う。S14シルビアを愛している。

 ただし前期モデル。クルマに詳しくない人にはトヨタのカレンと間違えられそうな外観もいいし、ドカーンと来る加速感はないものの220psのパワーは充分以上だ。

 しかもボディ剛性はS13に比べ、曲げ剛性で約200%、捻り剛性で約150%と大幅に高められているらしい。「らしい」というのは比べたことがないからだ。わかる人にはわかるのだろう。

 ちなみに後席もそれなりに使える。1999年の登場時に、ディーラーマンが「どうですか?」とわざわざ自宅にまで持ってきたにもかかわらず、なぜか後席に急に乗り込んだ姉が「狭い。却下」と言い放ったS15より、はるかに快適だ。

■「ざんねんな子」ではないことは保証する。神格化されすぎなS15よりS14でしょうが!

S14といえば、こちらの後期型が「イイね!」という声が圧倒的に多いが……、私が好きなのは「前期型」です!(何度でも言います)

 S14に1~2年ほど乗ったタイミングでR34スカイラインが生産終了になると知り、「最後の直6!」という謎の強迫観念に駆られ、ドリフトとか一切しないのにR34の25GT-Tセダン(MT)購入のために売ってしまったが、今でもS14シルビア(前期)の存在は強烈に記憶に残っている。

 たしか売却価格は70万円だった。個人的には「イラネー」と思っていたナバーンのフルエアロが加点評価された。ありがとう、ナバーン。

 というわけでS14シルビア、「ざんねんな子」なんかじゃないことは保証する。ちょっと調べてみたところ、前期の中古車もまだタマがあるようだ。柔和な顔してけっこう速いという「ギャップ萌え」好きな人は、ぜひ狙ってほしい。

 私が購入した時よりだいぶ高くなっており、そこだけ微妙に「壁」の気もするが、そんな壁も悠々飛び越えられるバブリーバブバブなアナタを、S14型シルビア(前期)はきっと待っている。

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みんなのコメント

39件
  • 14前期でサーキットを走っていた。走行性能の面で言えば、13より格段に上で、ドリフトコントロールもしやすかった。
    パワーもブーストアップで楽々280オーバーだったし、ハイキャス、ABS無しで1220キロという軽量な車体と相まって意外なほど速かった。
  • 好きと言いつつ、エンジンの写真が使いまわしな部分に違和感を感じます。S13からS14になったときに話題に上がった「NVCS」。これによってターボラグのもたつきが少なくなったことは当時大いに評価された部分。それによってタービンも少し大きなものを回すことができた。ポン付けタービンで400ps越えとか出てくるようになったのもS14以降の話。SRエンジンの基礎がS13なら、それをベースにうまく進化させたのがS14のSR。足回りについてもS13でネックだったリヤショックのダンパー容量(ストローク量)もS14では大容量(ロングストローク)化。リヤショックの抜けも少なくなった。世間ではダメダメといいつつも、S13のネガな部分をちゃんと良い方向に進化させた車だったな…
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