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手動切替は不要? 普及しつつある「オートハイビーム」の過信が禁物の理由とは

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手動切替は不要? 普及しつつある「オートハイビーム」の過信が禁物の理由とは

■ロービームとハイビームが自動で切り替わる最新機能とは

 普段、夜間の市街地などを走行している際、ヘッドライトは「ロービーム」にしていることが多いですが、道路交通法の基本は、夜間は「ハイビーム」で走行するものと決まっています。

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 しかし、他のクルマとのすれ違いや前走車の直後を走行する場合は、ヘッドライトの消灯あるいは減光する等灯火を操作しなければなりません。最近は、「ハイビーム/ロービーム」の切り替えを自動で行うクルマも普及し始めていますが、どのような機能かつ役割を持っているのでしょうか。

 一般にクルマのヘッドライトには、ロービームとハイビームがあります。道路運送車両法上では、ハイビームは「走行用前照灯」とされていて、前方100m先までを照らすことができるものです。

 ロービームの正式名称は「すれ違い用前照灯」で前方40mが視認できるものと定められ、安全運転確保義務が課されているドライバーには、夜間にはロービームとハイビームの切り替えを積極的に活用し、事故を防止することが求められます。

 一方で、ヘッドライトの進化によって対向車や歩行者の眩しさも増加していることから、ロービームのままで走っている人も多いのも事実です。

 そうした背景を受け、自動車メーカー各社は「オートハイビーム(自動切替型前照灯)」を先進安全機能のひとつとして採用しています。

 各社で名称は違い、トヨタ「オートマチックハイビーム」、ホンダ「オートハイビーム」、日産「ハイビームアシスト」となっていますが、基本的には時速25km/hから30km/h以上で作動する仕組みです。

 また、新型の乗用車は2020年4月、継続生産車は2021年10月から、周囲の明るさが1000ルクス未満の場合には、すれ違い用前照灯(ロービーム)の2秒以内の自動点灯を義務付けています。

 これらも、薄暮時のヘッドライト点灯を早めることやトンネルに入った時などのヘッドライト点け忘れを無くし、他交通からの認識を容易にして交通事故を防ぐためのものです。

■「オートハイビーム」の過信は禁物

 実際に、状況に応じて『素早くライトが切り替わるか』、『対向車などを眩惑させる恐れはないか』をトヨタ「カローラ スポーツ」、日産「セレナ」、ホンダ「CR-V」を使ってJAFがテストを行いました。

『素早くライトが切り替わるか』については、テスト車が対向車の横をすれ違い後、ロービームからハイビームに切り替わる時間を測定。「カローラ スポーツ」と「セレナ」が約1.5秒に対して、「CR-V」は約3.46秒という結果ですが、「セレナ」は切り替えに若干の不安定さが見られたとしています。

 次に『対向車などを眩惑させる恐れはないか』のテストでは、対向車(乗用車)に対して約750m手前から切り替わり、バイクでは「カローラ スポーツ」の約480m手前から「CR-V」の約190m手前と差が大きいようです。

 また、3台ともに歩行者や自転車に対しては反応しなかったことが、テストの結果で明らかになっています。そのほか、街灯や反射式の標識・ガードレールなどがあると、正常に切り替えが行われない場合も。

 ハイビームとロービームの自動切り替え制御には限界があるため、運転手は周囲の状況を確認しながら必要に応じて手動で切り替え操作を行う習慣をつけておく必要があります。 【了】

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