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ルーフの脱着も大変だし収納場所も面倒じゃない? それでもポルシェの「タルガトップ」が存在するワケ

掲載 更新 10
ルーフの脱着も大変だし収納場所も面倒じゃない? それでもポルシェの「タルガトップ」が存在するワケ

 安全性を確保するボディ構造が必要だったために登場した

 ポルシェが伝統的に使い続けている車型に「タルガトップ」というボディ構造がある。この名を耳にしたことのある人も多いかと思うが、なぜこのボディ構造が生まれてきたのか、発祥となったポルシェの車史に沿って振り返ってみることにしよう。

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 まず、タルガトップと呼ばれるボディ構造だが、これは脱着可能式のルーフトップを持つオープンエアを可能にしたボディの一形態と見なすことができる。厳密に言うなら、構造的にはクローズドボディのオープントップ可能モデルと表現したほうが、より正しいだろう。ちなみに、このタルガトップという名称は、ポルシェAGの商標登録で、ポルシェが伝統的に強かったレースイベント、タルガフローリオに由来するものだ。

 では、なぜ着脱式のルーフ構造が考え出されたのか? 戦後、自動車の車体形態は、屋根付きのクローズドボディが基本、標準とされてきた。自動車が全天候型でなければ都合が悪いことは、自動車が歴史的に実用の道具と考えられてきたことでも明らかだろう。屋根がなく、思い切り太陽の光と新鮮な外気を楽しめるオープンカーは、趣味性には優れていても実用の道具として考えた場合、ユーティリティの点で劣ってしまう。

 ポルシェ社は、戦後成功を収めたスポーツカーメーカーとして知られるが、発端は1948年オーストリア・グミュントで自動車メーカーとして起業。1950年から356(クーペ)の量産が始まっているが、ほぼ同時期にソフトトップ構造のオープンモデル、カブリオレがカタログモデルに加えられ、以後、申し訳程度の小さなウインドースクリーンを持つスピードスターが1954年に追加された。そして、さらにスポーツ指向を強めた550スパイダーを登場させる道のりを歩んでいる。

 こうした一連の356シリーズで、スポーツカーメーカーとしての基礎を固めたポルシェは、1964年に次世代モデルの911を登場させたが、規模が拡大しつつあった北米市場に対して問題を抱えていた。ポルシェは、356に続き911にもオープンモデルの設定を検討していたが、アメリカでオープンカーの安全基準が見直され、従来どおりのフルオープン構造のモデルの投入が難しい状況となっていた。ロールオーバー時に乗員の安全性を確保するボディ構造が必要とされるようになっていたからだ。

 この基準に応え、ポルシェが具体化したオープンモデルが、ルーフトップを脱着式とするタルガトップの構造だった。車体構造は、フロントウインドーまわりを支えるAピラーまわりはクローズドボディ車と同じ、Bピラー/Cピラーを兼ねる部分を幅広く堅牢に作り(疑似ロールバー構造)、転倒時はAピラーとB/Cピラーでキャビンを保護、支える構造である。

 911の場合、車両デザインを見れば明らかだが、クローズドボディ車よりルーフ全長ははるかに短い。見方を変えれば、短く脱着式としたルーフによってオープンエアモータリングを楽しめる構造としながら、クローズドボディ車並の車体剛性、強度の確保に成功したわけである。

 手軽にオープンエアモータリングを楽しめるのが魅力!

 初採用となったモデルは1966年製の初代ポルシェ911(901型)。以後、2代目930型、3代目964型、4代目993型、5代目996型、6代目997型、7代目991型と歴代911で採用され続けたボディ形状で、クーペボディ並の高いボディ剛性を持つこと、手軽にオープンエアモータリングを楽しめることから、根強くファンに支えられてきた実績を持つ。

 なお、初代採用時には手動脱着式だったルーフ構造も、時代の進化に合わせ、現在の991型では電動格納方式が採用され、ワンタッチ操作でクローズド/オープントップの状態が作り出せるようになっている。

 タルガトップの名称は、ポルシェの商標登録のため同社以外に使うことはできないが、同様の構造は古くからあり、日本ではトヨタスポーツ800(1965年)が手動脱着式の樹脂トップを採用。取り外したトップ部はトランクルーム内に収納可能だった。

 また、電動格納式はホンダが「トランストップ」の名称でCR-Xデルソル(1992年)に採用。スチールトップ/電動格納式の組み合わせを基本としたが、アルミトップ/手動脱着式の方式も併売され、こちらは重量が50~60kg程度軽量に仕上がっていた。

 いわゆるタルガトップの形式は、フルオープン方式と比べて開放感は少ないが、走行性能に影響するボディ剛性の面で、クローズドボディ車並みの性能を持つ点が大きな特徴で、同じクローズドボディをベースとするサンルーフ方式とは、オープンエアの感覚が段違いで優れている。そしてなにより、安全性が確保されている点が大きい。

 なお、この方式に問題があるとすれば、外したルーフの収納場所だが、現在は電動格納式が圧倒的に多く、トランク機能を確保しながら実用化しているので、使い勝手の点でもそれほど不自由さはないはずだ。車体剛性、車体強度、安全性とオープンエアモータリングの爽快さを、高次元でバランスさせた方式がタルガトップと言えるだろう。

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みんなのコメント

10件
  • タイトルがおかしくないか?
    本文で述べられているのは何故タルガトップが誕生したか?であって存在する理由ではない。オープンボディでも比較的ボディ剛性を保てるようになった今、ポルシェでタルガを選ぶユーザーは単純にそのデザインに惹かれているのではないだろうか。
  • よく理解できませんでした。説明が下手ですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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