純正シートメーカーが制作した高い精度。福祉車に買い換えずに助手席回転が可能に
高齢化社会になり、両親を買い物に連れて行ったり、病院への送り迎えをしたり、一緒にドライブしたりというクルマの使い方をしている家庭は増えている。そのようなお宅でも、高齢者が自分の足で多少なりとも歩行可能ならば、本格的な福祉車両に乗り換える必要はないだろう。しかし、クルマの乗り降りがしやすかったり、乗車中に安定して座れる環境は必要。そこで紹介したいのが、「丸菱工業」の後付けできる回転シート。もちろん、強度試験などもパスしている。
クルマのシートが車いすに!トヨタ福祉車両のキメ細かいラインアップ
愛知県の「丸菱工業」は、三菱自動車の純正シートなども製造しているメーカー。ここが製造・販売している『らくらく快転シート』という製品が、後付けの助手席回転シートセットだ。
仕組みは、純正の助手席をシートレールごと取り外して、丸菱工業製のシートと回転ユニットに付け替えるというもの。このシートセットに換えても純正シートと座面の高さが変わらない(一部車種では少し低くして乗降性を高めている)ことや、シートの回転がほぼ直角の85度まで回り、さらにそこから前方(車外方向)へ100~140mmスライドできるので、乗り降りのしやすさは段違いに向上できるわけだ。三菱自動車の純正シートを製造するメーカー製らしく、精度の高さにも自信をもっている。
現在『らくらく快転シート』を装着できる車種は、三菱ekスペース、日産・デイズクルーズ、ホンダ N-BOX、N-WGN、ダイハツ・ムーヴ、スズキ・ハスラー/ワゴンR、マツダ・フレア/フレアクロスオーバー、スバル・ステラだ。価格はシートと回転ユニットのセットで16万円/1脚(税抜き)。シートカラーはベージュとブラックの2色を設定する。
なお、普通車用には「レカロ」のシートを使った仕様となる。こちらはセット価格で22万3020円/1脚(税込)。ともに取り付けは自動車整備工場など専門業者に依頼することになり、取り付け工賃は別途必要になる。
機能はとても魅力的だが、シートが1脚だけ変わってしまうのは見た目的にどうか……、と思う人向けにシートカバーも用意している。シート形状は異なっていても全席の色や質感が合うことで助手席を換えたことがあまり気にならなくなるはずだ。
回転仕様の助手席は便利だと思うが、そのために新車の福祉車両は買えないという人にとって、後付けの助手席回転シートセットは魅力的なはず。
また適合車種のラインアップを見ると、中古車の流通量が豊富なモデルばかり。手の出しやすい価格帯の中古車を購入してシートを換えるというほうが、新車の福祉車両を購入するよりグッと現実味があるといえるだろう。
なお、『快転シート」は衝突実験などを車検に適合する要項をクリア。基本的に車検はパスできる製品なのだが、車検場の検査官によっては適合を証明する書類を用意するように言われることもある。「丸菱工業」では検査用書類の用意もあるので、必要な場合は申請してくれれば対応可能とのこと。
丸菱工業 企画部 企画室TEL0568-79-9427
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