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スポーツカーが売れないこのご時世でも健闘している貴重な国産モデル5選とその理由

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スポーツカーが売れないこのご時世でも健闘している貴重な国産モデル5選とその理由

 純粋に運転する楽しさを味わえるのが醍醐味なのだが……

 最近はスポーツモデルの売れ行きが悪い。その理由に「若年層のクルマ離れ」が挙げられるが、メーカーが生み出した都合の良い言い訳だ。本当の理由は、手軽に買える運転のしやすいスポーツモデルが激減したこと。

【今さら聞けない】なぜスポーツカーのタイヤは「薄い」のか?

 日本のメーカーなのに海外市場を重視して国内が空洞化した。かつて若い人達に愛された初心者でも運転を楽しめるコンパクトなスポーツモデルも、海外重視の商品開発に抹殺されてしまった。このような事情もあり、各メーカーの世界生産台数に占める国内の販売比率は20%以下になった(ダイハツを除く)。10%前後のメーカーもある。

 しかしスポーツモデルが皆無になったわけではない。改めて堅調に売れるスポーツモデルのベスト5車を考えたい。

 1)マツダロードスター

 純粋なスポーツカーとして挙げられるのがロードスターだ。1カ月の登録台数は500~600台だからデミオの約13%だが、2ドアのスポーツカーでは堅調な部類に入る。

 ソフトトップの1.5リッターエンジン搭載車であれば、後輪駆動で車両重量は約1トンと軽い。峠道の走りは軽快で、挙動が乱れても修正操作がしやすい。初心者にも優しく接してくれるスポーツカーで、運転の基礎を身に付けるときにも使いやすい。

 2)トヨタ86

 86も純粋なスポーツカーで、位置付けはロードスターの上級版だ。後輪駆動の比較的コンパクトなスポーツカーという点ではロードスターに似ているが、ボディはひとまわり大きい。エンジンは水平対向4気筒の直噴2リッターで、最高出力は207馬力(6速MT)と強力だ。

 ロードスターで運転を学んだドライバーが、さらにテクニックを上達させるべく、86に乗り替えてサーキットに通うといったストーリーを描ける。そこで86の後席は、スポーツカーながら背もたれを倒すことが可能で、4本のタイヤと工具を積めるように配慮した。

 86の1カ月の登録台数は500~600台でロードスターと同程度だが、スバルが扱うBRZも150台前後は売れている。

 3)スイフトスポーツ

 スポーツカーの開発は難しい。大量な販売を望めず、独自のプラットフォームなどを必要とするから開発と製造のコストが高い。そこでトヨタとスバルは86とBRZを共同開発した。このあたりを合理的にできるのが、大量に売られるコンパクトカーをベースにしたスポーツモデル、あるいはスポーティグレードだ。かつてはコンパクトなスポーツハッチやスポーツセダンが豊富に用意されていた。

 今は車種数が減ったが、スイフトスポーツは健在だ。スイフトをベースにしたスポーツモデルで全長は3890mmと短い。全幅は1735mmに広がって3ナンバー車になるが、依然としてボディは小さくて運転しやすい。

 エンジンは直列4気筒1.4リッターターボを搭載して、2.3リッターの自然吸気(NA)に匹敵する動力性能を得た。ボディや足まわりも補強され、モンロー製ショックアブソーバーを装着するなど走りを熟成させている。価格は緊急自動ブレーキや車間距離を自動制御できるクルーズコントロールを備えたタイプでも200万円を下まわり、スポーツモデルでは売れ行きが堅調だ。

 4)デミオXDツーリング

 デミオは1.3リッター/1.5リッターのガソリンエンジンに加えて、1.5リッターのクリーンディーゼルターボも用意する。実用回転域の駆動力は2.5リッター並みで、燃料代は軽油価格の安さもあってコンパクトなハイブリッド車と同等だ。

 しかもボディはコンパクトカーとしては低重心で剛性が高いから、走行安定性が優れている。前述のスイフトスポーツは峠道に適するが、デミオは高速道路を使った長距離ドライブが得意だ。

 5)アルトワークス

 アルトは低燃費と低価格を特徴とした天井の低い軽自動車だが、高性能なターボを搭載したワークスも選べる。5速MTも用意され、車両重量は670kgと軽いから、曲がりくねった峠道の走りは抜群に楽しい。

 ターボの動力性能は今日の1リッターエンジン、昔の1.3リッターと同等で、車両重量も昔のカルタス、スターレット、シティなどに近い。走りの水準は今のアルトワークスが勝るが、運転感覚は昔のコンパクトなスポーティカーに似ている。軽快に曲がって挙動が乱れた時の収まりも良く、試乗したときには若いころが思い出されてちょっとした感動があった。

 若いときにコンパクトなスポーツモデルに乗っておくと、運転技術が向上して楽しい思い出もできる。大人になって改めて運転すれば、感動を味わえる。このようなクルマを多くのユーザーが求めており、市場を活性化させる秘訣でもあるのだろう。

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