今のクルマは大きくなりすぎているので、手軽な5ナンバーサイズの日本のFRコンパクトスポーツが欲しいと思っている人は多いという。しかし、古いし相場も確実に上がっているだろうということで躊躇しがち。
世界に誇る名車のユーノスロードスター、人気があったにもかかわらず排ガス規制により約3年半という短命に終わった日産シルビア(S15型)は今でも中古車として人気が高い。現在欲しい人も多いはず。
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そこで本企画では、この2台の中古車のタマ数、相場などを紹介しつつ、萩原文博氏が両モデルの中古車について検証していく。
文:萩原文博/写真:MAZDA、NISSAN、ベストカー編集部
一度も途絶えることなく販売されているのはロードスターだけ
1989年デビューの初代(ユーノスロードスターNA型:奥左)、1998年デビューの2代目(NB型:手前右)、2005年デビューの3代目(NC型:奥右)、2015年デビューの現行4代目(ND型:手前左)。ロードスターは2019年9月にデビュー30周年を迎える
バブル景気まっただ中で幕を開けた平成の時代。好景気に支えられておかげで、国産車のビンテージイヤーと呼ばれる1989年からバルブ崩壊直前の1991年までは現在でも名車と呼ばれるクルマがたくさん登場した。
1993年頃にバブル景気が終わるとその後、国産メーカーはコストカットの嵐となり、モデルの統廃合や廃止が相次いだ。そしてようやく経済が立て直し始めた2008年リーマンショックによって再び国産車メーカーには厳しい時代が到来する。
つまり平成の30年は自動車業界にとって最初の数年は好景気だったが、その後は停滞や低迷が続いた厳しい時代となったのだ。
そういった逆風の状況で趣味性の高いスポーツカーなどは生産終了となりやすい車種であることは間違いない。実際、1980年代後半に生まれたスポーツカーで令和の時代まで、一度も途絶えることがなく販売されているのはマツダロードスター(ユーノスロードスター)だけ。
2012年にデビューしたトヨタ86は、共同開発車のスバルBRZとともに小型FRスポーツとして根強い人気をキープしている
そのほか、フェアレディZのように一度生産終了した数年後に復活や86/BRZのように平成の後半に発売されたモデルばかりだ。
しかも、アメリカの25年ルールによって平成初期に登場した日産R32型スカイラインGT-Rをはじめとした右ハンドルのクルマはどんどん海外に流出している。
そういった世相を反映して、今回は1990年代に生まれたスポーツカーのなかから、コンパクトなボディでFR(後輪駆動)を採用した国産スポーツカーである、初代NA型ユーノスロードスターと最終型となったS15型日産シルビアに注目し、中古車事情に迫ってみる。
前期は1.6L、後期は1.8L
前期モデル(1989~1993年)
エンジン形式:直4DOHC、エンジン型式:B6-ZE、総排気量:1597cc
最高出力:120ps/6500rpm、最大トルク:14.0kgm/5500rpm
後期モデル(1993~1997年)
エンジン形式:直4DOHC、エンジン型式:BP-ZE、総排気量:1839cc
最高出力:130ps/6500rpm、最大トルク:16.0kgm/4500rpm
NA型と呼ばれる初代ユーノスロードスター(現マツダロードスター)は1989年9月に登場し、間もなく生誕30周年を迎える2シーターオープンスポーツカー。
当時絶滅していたライトウェイトスポーツカーとして復活し、その後各自動車メーカーが2シーターオープンカーを発売したのはご存じのとおり。当初は最高出力120psを発生する1.6L直列4気筒エンジンを搭載。
NA型の販売期間は1989~1997年で、全長3970×全幅1675×全高1235mm、デビュー時の価格は170万円(標準)、中古車はソフトトップの状態も要チェック
そして1993年のマイナーチェンジで最高出力130psを発生する1.8L直列4気筒エンジンが追加された。
組み合わされるトランスミッションは5速MTと4速ATで駆動方式はFRのみ。車両重量も1トン以下(1.8LAT車は1トン超え)というライトウェイトスポーツを体現していた。
最近になってNA型ロードスターはマツダ自らがレストアを行うプランもあり再注目されている。
1990年8月に上級グレードとして、レザーシート、ナルディのウッドステアリングなどを標準装備したVスペシャルを追加。デビュー時の価格は212万2000円
グレード構成は標準車に加えて、MOMO製の本革巻きステアリング、アルミホイールなどを装備する、スペシャルパッケージ、ナルディのウッドステアリング、ウッドシフトノブを、タンカラーの幌装着したVスペシャル(1.8L車はVスペシャルタイプ2も設定)、そしてビルシュタイン製ダンパー、BBS社製のアルミホイールなどを装着したSスペシャル、1.8L車の後期型にはMパッケージやスペシャルタイプ2などのカタログモデルが設定されていた。
中古相場は幅広く、上昇中
現在、NA型ユーノスロードスターの中古車の流通台数を見てみると、何と約204台も流通している。2代目NB型の約300台、3代目NC型の約270台と比べても驚異的な数値と言える。
そして平均価格の推移は3カ月間が約74万円で、現在は約84万円と3カ月で約10万円も平均価格が上昇している。その間の中古車の平均走行距離は約10.6万kmから10.4万kmとわずかに減少している程度なので、初代ユーノスロードスターの中古車は値上がり傾向となっているのは間違いない。
NAロードスターはチューニング、ドレスアップをしているモデルも多数。1台として同じモデルが存在しないほど多種多彩なので選び甲斐もある
初代ロードスターの中古車のグレード分布を見てみると、最も多いのが1.6の標準車で約39台、続いて1.8の標準車の約27台、1.6Vスペシャルの約24台が続く。
本当にわずかだが、スペシャルモデルM2シリーズの1001や1028も流通しているが、こちらは1~3台程度なので見つけたら即買いしたい。
現在の初代ロードスターの中古車の価格帯は約20万~約318万円と非常に幅が広い。200万円近い高額車の中には走行距離1万km台という中古車もあるが、そう簡単に見つかるモノではない。
すでにクラシックカーの域に達しているので、購入してからレストアしながら所有していくそんな余裕がないと付き合っていけないクルマと言える。
NAロードスターは特別仕様車、限定車が数多く発売された。写真はイエローのボディカラーが鮮烈なJリミテッドで今でも人気が高いモデルだ
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短命に終わったS15型シルビア
スペックS
エンジン形式:直4DOHC、エンジン型式:SR20DE、総排気量:1998cc
最高出力:165ps/6400rpm、最大トルク:19.6kgm/4800rpm
スペックR
エンジン形式:直4DOHCターボ、エンジン型式:SR20DET、総排気量:1998cc最高出力:250ps/6400rpm、最大トルク:28.0kgm/4800rpm
そして、現在でもドリフトや走行会などでは現役バリバリに活躍しているのが、1999年に登場したS15型の日産シルビアだ。
排ガス規制の関係で、販売されていたのは1999年~2002年と短かったが、スカイラインがR33からR34になったときにボディサイズを変更したように、先代のS14は3ナンバーサイズだったが、S15では5ナンバーサイズに戻されたのが特徴だ。
S15型シルビアの販売期間は1999~2002年で、ボディサイズは全長4445×全幅1695×全高1285mm、 価格はスペックSが177万~、スペックRが239万円~(デビュー時)とサイズ、価格とも手頃感があったのが人気となった要因
グレード構成はシンプルで2L直列4気筒自然吸気エンジンを搭載するスペックS、2L直列4気筒ターボエンジンを搭載するスペックRの2種類。
搭載されるエンジンはS13型シルビアから受け継がれたSR型で自然吸気エンジンの最高出力はMTが165ps、ATが160ps。ターボエンジンの最高出力はMT車が250ps、AT車は225psとそれぞれ組み合わされるミッションによって異なっている。
デザイン自体はシンプルながら、当時スポーティ車の定番として流行していたホワイトメーターを採用。Aピラーに装着されたブースト計もその気にさせる
シルビアも相場が高騰中!!
S15型シルビアの中古車の流通台数は約223台。この数字からも初代ロードスターの流通台数がどれだけスゴイかがわかるはずだ。
平均価格は3カ月前が約125万円、そして現在が142万円と右肩上がりで上昇中だ。
リアビューはスッキリとまとめられていた。フロントスポイラー、サイドステップ、リアスポイラーを標準装着したエアロというグレードが人気
それに伴い中古車の平均走行距離は3カ月前の約11.5万kmから約10.7万kmまで減少中で、市場に流通している中古車は走行距離の延びた物件がドンドン減少していることがこのことからわかる。
そしてS15型シルビアの中古車の価格帯は約48万~約369万円で、グレード構成はターボ車のスペックRが85台と最も多く、次いで自然吸気エンジンのスペックSの約25台。そしてターボ車のスペックRエアロとスペックR Vパッケージがそれぞれ約23台となっており、S15型シルビアはターボ車の比率が高くなっている。
今が最後のチャンス!?
NA型ロードスター、S15型シルビアともにすでに生産終了してかなりの時間が経っているので、これから中古車が増えるという確率はかなり低い。
一般的には走行距離の少ない中古車のほうがコンディションはいいと思われがちだが、こういったクルマは年式相当に走行距離が延びているほうが、普段使われているため逆にコンディションがいいケースも多い。
そして走行距離が延びていれば、前オーナーがどれだけメンテンスしていたのかがコンディションを占う指標になる。
したがって、定期点検記録簿が残っていてこれまでの履歴がわかるクルマを購入したほうが、購入後の出費を抑えることができるはずだ。
NA型ロードスターはすでにクラシックカーの域に入っているし、シルビアも新車で売れた台数は決して多くないため、今後減っても増えることはない
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