現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > スバルがトヨタと共同開発した新型「ソルテラ」。気になる2つのポイントとは?

ここから本文です

スバルがトヨタと共同開発した新型「ソルテラ」。気になる2つのポイントとは?

掲載 更新 30
スバルがトヨタと共同開発した新型「ソルテラ」。気になる2つのポイントとは?

4WDがセールスポイントのスバルがFWDを用意する背景

スバルがグローバルに展開する初の電気自動車(BEV)として「ソルテラ」を発表しました。全長4690mmのSUVで、バッテリー総電力量は71.4kWh。すでに多く報道されている内容をみて、十分な航続距離が期待できる「使えるBEV」という印象を受けている方も多いことでしょう。

スバル、電動SUVの「ソルテラ」を世界初披露。“スバルらしさ”の実現をアピール

そんなスバルのBEV「ソルテラ」で気になる点が2つあります。

ひとつはFWD(前輪駆動)を用意していること。スバルといえばシンメトリカルAWDがブランドアイデンティティのひとつで、グローバル販売の98%がAWD(四輪駆動)というのはスバル・ブランドの特徴となっています。

ご存知のようにソルテラはトヨタと共同開発しているモデルなので、トヨタ版の「bZ4X」にはFWDとAWDが設定されたとしてもスバル・ソルテラはAWDだけになるのでは? という事前予想もありました。しかし、結果的にはFWDもラインナップされることが明言されました。

AWDは前後に駆動モーターが必要なためコストも上がりますし、重量増などの面から航続距離を稼ぐのにも不利というのが現実です。また、電動化は企業としてのCO2排出量を減らさなければならない昨今においては欠かせないアプローチです。

せっかくゼロエミッションを実現できるBEVを出すのですから、あえて航続距離が短く、価格の高くなるAWDだけに絞るというのは商品企画としては考えづらく、ソルテラにFWDを設定するのは当然といえば当然なのですが、そのあたりをスバルが築き上げてきたブランド性と、どのように整合させていくのかは気になります。

気になる充電インフラ整備

もうひとつ気になるのは、今回は車両の詳細を発表しただけで充電インフラについての発表がなかった点です。

たしかに日常的には自宅や事業所などでの普通充電をメインにすることがBEVの運用としてはベターなのですが、遠出する場合や集合住宅のユーザーにとって急速充電インフラは欠かせません。実際、ソルテラは最大150kWの急速充電に対応すると発表しています。

そうであれば、150kW級の急速充電インフラ整備について何らかの公式発表を期待したくなるのは人情です。

たとえば日産は自社系列の販売店に急速充電器を設置、多くの箇所で24時間利用できるようにしています。また、自社ユーザー以外でも加入できる急速充電のサブスクリプションサービス「ゼロエミッションサポートプログラム3(ZESP3)」も用意しています。

仮にスバルが急速充電インフラやサブスクを用意せずとも、ソルテラのオーナーが日産ZESP3に加入すれば困ることはないかもしれません。しかし、それは日産が展開しているサービスにフリーライドするカタチになりますし、ZESPに他社ユーザーが加入できる状況が未来永劫続くという保証もありません。

本気でBEVを売っていくならば、急速充電インフラについて何らかのアナウンスが必要なはずです。それが持続可能なBEVによるカーライフにつながります。

もちろん、日産が整備した急速充電インフラにフリーライドするつもりではないでしょうし、トヨタからも兄弟車が出ることを考えると、トヨタとスバル両社のBEVの市販が始まるまでには、なんらかの発表があるのでしょう。

スバルの販売店はもちろんトヨタの販売店でも24時間使える急速充電インフラが整備されれば、かなり便利にBEVを活用できるので、大いに期待したいものです。

それでも、この段階で充電インフラについてのアナウンスをしないことは、BEVのオーナー心理としては不安になります。そうした認識が、もしスバルにないのだとすれば、BEVを売っていくにあたって少々意識が低いと言わざるを得ません。

まだまだ一般ユーザーにとって航続距離や充電時間がネックになると思われている電気自動車、それ単体の機能をアピールするのではなく、安心できるカーライフを提案することが大切ではないでしょうか。安心と安全をアピールしてきたスバルだからこそ、BEVにおける安心を生む要素には充電インフラがあることをしっかり認識してほしいと思うのです。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

AM放送が聴けない「電気自動車」が数多く存在! FMラジオは搭載されているのになぜ?
AM放送が聴けない「電気自動車」が数多く存在! FMラジオは搭載されているのになぜ?
THE EV TIMES
ヤマハがNetflixアニメ用に未来のレースマシン「Y/AI」をデザイン、実物大モデルも
ヤマハがNetflixアニメ用に未来のレースマシン「Y/AI」をデザイン、実物大モデルも
レスポンス
”第2の波”を生んだ挑戦者、それはレズニー傘下で喘ぐamtだった…!【アメリカンカープラモ・クロニクル】第39回
”第2の波”を生んだ挑戦者、それはレズニー傘下で喘ぐamtだった…!【アメリカンカープラモ・クロニクル】第39回
LE VOLANT CARSMEET WEB
レッドブルのペレス、今季6度目の予選Q1敗退。3戦続けてRBの角田&ローソンに敗れる「マシンに根本的な問題がある」
レッドブルのペレス、今季6度目の予選Q1敗退。3戦続けてRBの角田&ローソンに敗れる「マシンに根本的な問題がある」
motorsport.com 日本版
トヨタ「コンパクトSUV」なぜ消滅? “全長3.9m”級の元祖「ヤリスクロス」的存在な「ヴィッツSUV」に注目! 14年で幕を閉じた「ist」とは?
トヨタ「コンパクトSUV」なぜ消滅? “全長3.9m”級の元祖「ヤリスクロス」的存在な「ヴィッツSUV」に注目! 14年で幕を閉じた「ist」とは?
くるまのニュース
シャープでクールなNEWグラフィック! SHOEIが「NEOTEC 3」の新たなグラフィックモデル「ANTHEM」を発売
シャープでクールなNEWグラフィック! SHOEIが「NEOTEC 3」の新たなグラフィックモデル「ANTHEM」を発売
バイクのニュース
ラリージャパン唯一の女性ドライバー、平川真子が意気込み。兄・亮に「クラス優勝をするところを見てほしい」
ラリージャパン唯一の女性ドライバー、平川真子が意気込み。兄・亮に「クラス優勝をするところを見てほしい」
AUTOSPORT web
トヨタ陣営の23XIとフォードのRFKが、来季2025年NASCARカップシリーズにて3台体制に拡充
トヨタ陣営の23XIとフォードのRFKが、来季2025年NASCARカップシリーズにて3台体制に拡充
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGP FP1:序盤から上位につけたメルセデスがワン・ツー。ノリス、ルクレール、フェルスタッペンが続く
F1ラスベガスGP FP1:序盤から上位につけたメルセデスがワン・ツー。ノリス、ルクレール、フェルスタッペンが続く
AUTOSPORT web
ラッセル、サインツ抑えポールポジション! ガスリー驚異の3番手、角田裕毅もQ3進出7番手|F1ラスベガス予選
ラッセル、サインツ抑えポールポジション! ガスリー驚異の3番手、角田裕毅もQ3進出7番手|F1ラスベガス予選
motorsport.com 日本版
新潟~青森直結 壮大な「日本海東北道」全通まであと少し!? 約320kmの「すごい高速」最後の未開通部どこまで工事進んだ?
新潟~青森直結 壮大な「日本海東北道」全通まであと少し!? 約320kmの「すごい高速」最後の未開通部どこまで工事進んだ?
くるまのニュース
F1ラスベガスGP予選速報|ラッセルPP獲得! ガスリーが驚きの3番手。角田裕毅も7番手と好結果
F1ラスベガスGP予選速報|ラッセルPP獲得! ガスリーが驚きの3番手。角田裕毅も7番手と好結果
motorsport.com 日本版
ヒョンデ、旗艦EVの『アイオニック5』を刷新。次世代800V電源システムで航続距離は703kmに延伸
ヒョンデ、旗艦EVの『アイオニック5』を刷新。次世代800V電源システムで航続距離は703kmに延伸
AUTOSPORT web
名神ICに直結! 「彦根お城トンネル」が12月開通 高速道路から市中心部へ一気にワープ
名神ICに直結! 「彦根お城トンネル」が12月開通 高速道路から市中心部へ一気にワープ
乗りものニュース
ホンダ斬新「オデッセイSUV!?」に大反響! 「V6ワゴン」から進化の“最上級クーペSUV”に「カッコイイ」「モダンな見た目」の声も! 13年ぶりの「アヴァンシア」がスゴイ!
ホンダ斬新「オデッセイSUV!?」に大反響! 「V6ワゴン」から進化の“最上級クーペSUV”に「カッコイイ」「モダンな見た目」の声も! 13年ぶりの「アヴァンシア」がスゴイ!
くるまのニュース
ロバート・クビサ、2025年も3台目のフェラーリ499Pをドライブへ。AFコルセ残留が決定
ロバート・クビサ、2025年も3台目のフェラーリ499Pをドライブへ。AFコルセ残留が決定
AUTOSPORT web
アルファ・ロメオ・トナーレでジュリエッタ乗りに出会う【新米編集長コラム#9】
アルファ・ロメオ・トナーレでジュリエッタ乗りに出会う【新米編集長コラム#9】
AUTOCAR JAPAN
ル・マン優勝のポルシェ「917K」がなんと550万円!? ホンダエンジンを搭載した子供向けジュニアカーの大きさは実車の7割…おもちゃにしては高すぎる!?
ル・マン優勝のポルシェ「917K」がなんと550万円!? ホンダエンジンを搭載した子供向けジュニアカーの大きさは実車の7割…おもちゃにしては高すぎる!?
Auto Messe Web

みんなのコメント

30件
  • 充電のためにディーラーに行くという状況では、BEVはまだまだ。
    受電インフラを自動車メーカーに求めるのは、どう考えてもおかしい。BEVが増えれば、自動的に充電場所は増えて、ディーラーなんかに行かなくなる。
    私、BEV乗っていないのだけど、ディーラーでの充電は有料なんですよね?充電が商売として成立しないと、日本中に充電スタンドの普及させるのは難しいと思う。
  • デザインが悪い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村