昨年末に行われた、第45回目を迎えた日本カー・オブ・ザ・イヤー。受賞は本賞受賞として初のミニバン選出となったホンダ・フリードでした。選考委員59名の各持ち点は16点。もっとも評価するクルマに10点、そして次点に4点、2点を配点する方式で、ホンダ・フリードは220点を獲得。次点のマツダCX-80の196点を24点上回り、晴れの2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
日本カー・オブ・ザ・イヤーによる授賞理由は以下の通り。
アウディは2023年に約190万台の車両を販売、EVの販売台数が前年比51%増
「基本5ナンバーサイズで3列シート。日本市場で重用されるファミリーカーゆえ、これまでは突出したキャラクターを生み出しづらかったことも事実。ホンダはそこに切り込んだ。居住性、使い勝手の良さに磨きをかけるとともに、動的質感の向上、ひいては操縦の喜びをも加味することに成功した。ガソリンエンジンモデルに加え、ホンダ独自のハイブリッド「e:HEV」を加えたことも大きな魅力のひとつ。ホンダが大切にしているM・M(マン・マキシマム、メカ・ミニマム)思想を見事現代に体現した1台である」。
そこで、ここでは2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したホンダ・フリードの魅力を2025年年頭に再検証。筆者は標準車となるエアーのe:HEV FF、4WD、クロスオーバーモデルのクロスターのFF、4WD、ガソリン車のFF、4WD、2列目キャプテンシートの6人乗り、2列目ベンチシートの7人乗りのほぼすべてのラインナップに試乗済み。実際、2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤーでホンダ・フリードに10点を配点させていただいた1人でもあります。
筆者による新型フリードの試乗インプレッションをおさらい
まず、すでにこの@DIMEでの試乗記で報告した、メイン車種と言えるe:HEVエアーEXのFFモデルの試乗インプレッションから抜粋すると、「新型フリードe:HEV AIR EXのFFモデルを走らせれば、まずは唐突感のない穏やかでスムーズかつ静かなEV走行でスタート。スムーズで静かな発進はハイブリッドモデルなら当然ともいえるのだが、そこにアクセルレスポンスの穏やかさが加わったところが新型フリードらしさ(変速機の違いもある)。つまり、乗員が前後に揺すられにくい走りになるというわけだ。加えてすっきり、ゆったりとしたパワーステアリングの操舵感、そしてリニアシフトコントロールがもたらす加速時のスムーズ、気持ち良さも見どころ。つまり、ステアリングを切った時のクルマの動きが、これまた穏やかで(同乗者の安心感、快適性につながる)、先代フリードの2ペダルMT、i-DCDに見られたギクシャク感とはもうさよならである。もちろん、アクセルペダルを深々と踏み込めば、ライバルのシエンタの3気筒に対して4気筒となる1.5Lエンジン106ps、13.0kg-m+モーター123ps、25.8kg-mのスペックによる加速力は2Lエンジン並みと言っていい」。
「乗り心地は想定外の快適感に感動できる。先代は上屋がふわふわするシーンもあったのだが、新型はフラットかつクラス上のゆったりとした上質さある快適無比の乗り心地を示す。荒れた路面、首都高の段差、セブラゾーンでのショック、振動は最小限。まるでより大型のミニバン、そう、ステップワゴンに乗っているかのような乗り味を思わせる。カーブでは4輪のタイヤが路面にピタリと張り付くようなトレース性、文句なしの安定感を見せ、重心を感じにくいことから、余裕をもってカーブをクリアすることができ、カーブの運転が苦手なドライバーもこれなら安心、カーブ恐怖症をクリアできるのではないか。ちなみに活発な走りでS字カーブを走り抜けるようなシーン、あるいはキビキビしたレーンチェンジを試みるシーンでも、リヤタイヤがしっかりとねばり、ステアリングを切る、戻す場面でも”おつり”のない安定しきった走りを見せてくれるあたりは、なるほど、ミニバンでも走りにこだわるホンダ車だ」。
「新型フリードで素晴らしすぎる乗り心地の良さとともに感動したのが、パワーユニットからのノイズ、ロードノイズの侵入を含めた車内の上級車並みの静かさだ。e:HEVモデルのEVモードでは当然としても、エンジン始動時、そしてエンジンを高回転まで回しても、車内はうるささとは無縁。遮音・吸音にこだわり、進化させているのは当然として、実は走りのダイナミクスとともに、車内の静粛性もまた、ミニバンの特等席となる2列目席にフォーカスして開発されたというのだ。実際、2/3列目席で市街地を走行した経験があるが、1-3列目席間の会話も小声で容易。とにかく、静音ミニバンと呼んでいい車内の静かさが、新型フリードの大きな特徴、魅力のひとつとなることは間違いない。静かに走るクルマは、ロングドライブ、高速走行を含め、車内のうるささによるストレスが軽減されるメリット絶大なのである」。
販売比率約15%のガソリン車の出来の良さにも注目
一方、販売比率約15%でしかないガソリン車に乗った印象を記すと、「さすがに市街地でのストップ&ゴーのシーンでは、エンジン音がダイレクトに車内に侵入し、e:HEVと比べ、車内の静粛性では見劣りする。ただし、エンジン自体はスムーズに回り、CVTは”ブレーキ操作ステップダウンシフト制御”と”全開加速ステップアップシフト制御”も働き、そこからの加速もレスポンス良く、ATのようなシフトアップ感覚で加速し、ハイブリッド車より約90kg軽いこともあってより軽快な走りが味わえる。しかも、高速巡行(80km/hでのエンジン回転数は1500回転程度)では、新型フリードの基本的な静粛性の高さもあって、エンジンは黒子に徹する印象。そこそこ静かにクルージングすることができる。足回りのセッティングは専用化されているが、おおらかで快適な乗り心地、穏やかで安心感ある操縦性は、e:HEVモデルと変わらない印象だ」。
つまり、新型フリードはe:HEVモデル、ガソリン車のどちらを選んでも、いや、FF、4WDのどちらを選んでも満足できる仕上がりと言っていいのです。
新型フリードの魅力、商品力は誰もが納得、満足できる15項目以上
最後に2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤーでミニバン初受賞となった新型フリードの魅力、商品力を整理すると・・・。
(1)ライバルとは違い、標準車のエアーとクロスオーバーモデルのクロスターが選べる
(2)ライバルとは違い、2列目キャプテンシートの6人乗りと2列目ベンチシートの7人乗りの選択可
(3)ライバルにない電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能は全グレード標準装備
(4)ライバルにない、クラス初のリヤクーラーを用意
(5)クラスを超えた、まるでステップワゴンを運転しているような上級感ある乗り心地と快適性の実現(段差などの乗り越えでも全車、快適無比)
(6)ミニバンの特等席となる2列目席にフォーカスした静粛性と安定性
(7)ライバルにない2列目キャプテンシートなら1-2列スルーはもちろん、1-3列スルー(移動)も可能。スライドドアから3列目席への乗降も幅220mmの2-3列目スルー空間から行える超実用性
(8) 3列目席格納操作のしやすさの進化
(9)e:HEV FFモデルで21km/L以上という実燃費(高速70%、一般道30%の実走行時)
(10)ガソリン車の出足のHVモデルに匹敵するスムーズさと巡行時の静かさ
(11)ファブリックをふんだんに用いた全グレードのインパネ周りの質感の高さ
• 特等席の2列目席のキャプテン、ベンチシートを問わないソファ感覚のかけ心地の良さ
• 1-2列目席フラットアレンジによる居心地、寝心地のよさ
• 高速走行、渋滞時のストレスを軽減してくれる渋滞追従機能付きACC、渋滞運転支援機能のトラフィックジャムアシストを含む先進運転支援機能の充実度
(12)つながる安心、つながる便利のホンダコネクトの全グレード標準装備
など、もう全方位に納得、満足できる仕上がりになっているのが、新型フリードと言っていいでしょう。コンパクトミニバンとしてのベストチョイスは、リヤクーラーが備わるe:HEVエアーEX FF、6人乗り(304.7万円)。アウトドア派には、大容量コンパクトワゴンと呼べるe:HEVクロスター4WD、5人乗り(339.35万円)がジャストフィットするはずですが、実はガソリン車の実力もなかなか。価格重視であれば、ガソリン車のエアーEX FF、6人乗り(269.72万円)もお薦めです。ボディカラーはフィヨルドミスト・パール、ソニックグレー、クロスターであればデザートベージュ・パールが新型フリードのスタイリングの魅力をいっそう引き立たせてくれると思います。ちなみにクロスターはフリード初の3ナンバー登録となりますが、それはフェンダーアーチの出っ張りによって全幅が1720mmになったためで、実際のミラー・トゥ・ミラー幅、ボディの見切り、取り回し性は5ナンバーサイズのエアーと変わるところはないのでご安心を。
なお、愛犬家のみなさんには、1年中、毛皮を着ていて暑がりの子も多い犬が夏、より快適に涼しくドライブを楽しめるリヤクーラーが装着されるe:HEVエアーEX、e:HEVクロスター6人乗り、ガソリン車ではエアーEX、クロスター6人乗りが絶対のお薦めとなるでしょう。
文/青山尚暉
写真/日本カー・オブ・ザ・イヤー 青山尚暉
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みんなのコメント
ブルーやオレンジ、イエローなどの
レトロぽく明るいボディカラーが
あれば良いのにな。
売っているのは
どれも山キャンプ系の
カラーなんだよね。