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安くて頼れる!! 軽&コンパクトカーの優良4WD車 6選

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安くて頼れる!! 軽&コンパクトカーの優良4WD車 6選

 4WDといえば、SUVを始め「悪路に強い車」のイメージが強い。では、比較的安価なコンパクトカーや軽の4WD性能はどうか? 多くの人々が乗る車だけに、雪道などでの「安心感」に4WD性能は大きく影響する。そこで、比較的価格の安い4WDで性能が優れる車をみていきたい。

文:渡辺陽一郎/写真:編集部
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軽&コンパクトの4WDは「シンプルさと高効率」が肝

 舗装路で4輪を駆動するには、カーブを曲がる時に前後輪の回転数を調節する機能が必要だ。現在は大半の車種が電子制御される多板クラッチ、あるいはシリコンオイルとプレートで構成されるビスカスカップリングによって前後輪に駆動力を振り分けている。

 特に軽自動車では低燃費と低価格が重要だ。4WDの装着に伴う車両重量の増加を50~70kgに抑え、価格上昇も10万~13万円にとどめねばならない。4WDの機能にはシンプルさと高効率が求められる。コンパクトカーでは4WDの価格が15万~20万円になるが、25万円を超える上級カテゴリーよりは低価格だ。

「緻密に」後輪を駆動させるデミオの4WD

マツダ デミオ/4WDシステム:アクティブオンデマンド4WD/坂道発進でも空転を生じにくいシステムはこのクラス随一

 コンパクトカーで最上位に位置するのはマツダ デミオだ。通常は前輪駆動に近い状態で走り、必要に応じて電子制御カップリングにより後輪に駆動力を配分するが、路面の状態や天候の検知を綿密に行う。

 例えばエンジンを始動させた後、ドライバーが少しでもハンドルを動かせば、ステアリングに加わる抵抗によって路面状態を検知する。

 滑りやすい路面と判断すれば、電子制御カップリング内部のクラッチを強く締結させるワケだ。このほか外気温度から前後ワイパーの作動まで、さまざまな情報をベースに周囲の環境を把握して、4WDを制御する。

 今の車は横滑り防止装置などと併せ、数多くのセンサーを備える。そこから得られる情報を有効活用すれば、さほどコストを費やさず、車両を綿密に制御することが可能だ。デミオの4WDはこの点に着目して機能を高めた。

 デミオが採用する4WDの特徴を明確に感じるのは、積雪路面における坂道発進だ。ビスカスカップリング式などは、前輪が空転を生じたことで後輪にも駆動力を伝えるから、瞬間的とはいえ空転は避けられない。しかし、デミオは路面状態を先読みするから、雪道の登り坂でハンドルを回した状態で発進しても空転を生じにくい。安定性がかなり高い。

残るトップ3はシンプルなシステムながら優秀

スズキ イグニス/4WDシステム:ビスカスカップリング式/スイフトと同タイプながら安定性を高める機能がより豊富

 2位はスズキ イグニスで、4WDはビスカスカップリング式だが、安定性を高める機能が豊富だ。悪路でホイールが空転した時、4輪を独立ブレーキングして空転を抑える「グリップコントロール」などを備える。最低地上高も180mmを確保したから、雪道やデコボコのある悪路も走りやすい。

 3位はヴィッツで、電子制御カップリングを搭載する。「アクティブコントロール4WD」と呼ばれ、スイッチ操作によって2WDと4WDオートを選ぶことが可能だ。

 4WDオートでは路面状況に応じて多板クラッチが制御され、最適な駆動力を前後輪に伝える。また、2WDを選ぶと後輪の駆動に伴う動力性能の伝達ロスが抑えられ、燃費を節約できる。

多くのコンパクトカーはシンプルな4WDシステムを採用する例が多いが、ノート・マーチなどのe-4WDは後輪にモーターを装着し駆動する珍しいタイプ

 フィットやパッソはビスカスカップリング式で、コンパクトカーの4WDとしてはオーソドックスなタイプだ。

 ユニークなのはマーチやノートが搭載するモーターアシスト方式の4WDだろう。後輪にモーターを装着して4輪駆動とした。

 ただし、モーターの出力が小さく作動速度の上限も30km/h程度だから、悪路の走破力は低い。後輪に駆動力を伝えるプロペラシャフトが省かれて居住性を損なわず、燃費の悪化を抑えられることなどがメリットだ。

『軽量、低価格、シンプル』軽4WDで抜きんでるのは?

スズキ ハスラー/4WDシステム:ビスカスカップリング式/空転時に駆動力を高める走行モードが設けられ、通常の軽より走破性は一歩リード

 いっぽう、軽自動車の4WDは、ジムニーなどを除くと前輪の空転を受けて後輪にも駆動力を伝える方式になる。前述のように軽量で低価格にする必要があり、4WDの機能もシンプルだ。

 従って車種ごとの差があまり開かないが、ハスラーとキャストアクティバは有利になる。悪路で空転を生じたホイールをすばやくブレーキングして、駆動力の伝達効率を高める走行モードを設け、滑りやすい急斜面を下る時、車両が自動的に4輪を独立ブレーキングし、安定して走破できる機能も備わる。最低地上高は両車ともに180mm前後だから、ほかの軽自動車を30mmほど上回る。

定番軽も4WD進化! 特筆はワゴンR

スズキ ワゴンR/4WDシステム:ビスカスカップリング式/ハイト系では車重の軽く、雪道での不安が少ないのが特徴

 ホンダのNシリーズ、スズキ ワゴンRなどの4WDも、以前に比べると制御が向上した。基本的には前輪の空転を受けて後輪に駆動力を伝えるが、雪道での急な坂道発進などを除くと、4WDになるまでの時間差が気にならなくなった。

 特にワゴンRはボディが軽く、エンジンは実用回転域の駆動力が比較的高いから、滑りやすい路面でも運転しやすい。カーブを曲がる時の腰高感も抑えられ、雪道の走りでも不安が少ない。

軽の走破性にはエンジンも関係

 エンジンの排気量が小さい軽自動車では、車両重量が増える4WDにはターボが効果的だが、アクセル操作には気を遣う。アクセルペダルを踏み増した時、唐突に駆動力が高まる傾向があると、滑りやすい路面では安定性を阻害するからだ。この点でホンダNシリーズのターボは、低回転域から過給効果が発揮され、運転がしやすく安定性も満足できる。走破力は4WDだけでなく、車両全体で考える必要がある。

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