本国から遅れること1年半、新型ゴルフがついに日本に上陸した。ゴルフといえば世界のベンチマークと言われてきたCセグハッチバックで、これまで同クラスの日本車にも大きな影響を与えてきた存在。
そのゴルフが新型へと生まれ変わったとなると、国産同クラスのCセグバックであるカローラスポーツやマツダ3ファストバック、インプレッサスポーツと比べてどうなのか? が気になるところ。
輸入車の大定番!! VWゴルフが日本で長年愛されてきた理由は?
そこで、新型ゴルフと国産Cセグハッチバックの3モデルとの差をチェック。新型ゴルフは価格が291万6000~375万5000円と、国産の同クラスよりもけっこうお高いわけだが、この価格も考慮すると最高のCセグハッチバックはどれか?
文/松田秀士 写真/ベストカー編集部
【画像ギャラリー】新型ゴルフ8と国産スポーツハッチバック3車種の魅力を写真でチェック!!
■4車種のうち3車種は実際に乗り比べることができた!
世界中がCセグハッチバックの王様と認めるVWゴルフ。そのフルモデルチェンジした新型ゴルフVIIIが6月15日に日本上陸した。
そこで国産Cセグハッチバックの代表としてマツダ3ファストバック、インプレッサスポーツ、カローラスポーツの3台を比較してみようというのが今回のお題。
王様の新型ゴルフに対して日本勢はどのレベルにあるのか? 新型ゴルフはやはり買いなのか? 日本勢が凌いでいる部分はあるのか? さっそく検証してみたい。
実はこの企画、ベストカー本誌でも同時進行で行われ、カローラスポーツを除く2車(マツダ3ファストバック、インプレッサスポーツSTI Sport)は実際に試乗済みだ。悲しいことにカローラスポーツの広報車がすでにトヨタになく、こちらは筆者の試乗体験から解説することをお許しいただきたい。
ゴルフとマツダ3、インプレッサの3車はベストカー本誌の取材で乗り比べたばかりだった
とはいえカローラスポーツはサーキット試乗(FSWショートコース)を含め、個人的に広報車をハイブリット&ガソリンターボ含めトータル2週間以上試乗している。車載動画も撮影しているのでもう一度見直しながら比較してみたいと思う。
その前に比較4車のグレードを決定しておこう。主役のゴルフは初の3気筒エンジン1.0Lターボに48Vマイルドハイブリッドを搭載したeTSI Active(312.5万円)。
インプレッサスポーツはSTI Sport(278.3万円)。マツダ3ファストバックは1.8XD Lパッケージ(297.3055万円)で、こちらはディーゼル搭載車とした。そしてカローラスポーツは1.8ハイブリッドG(266.0万円)だ。
■まずは内装を比較してみる
まず新型ゴルフをじっくり見てみよう。ライト周りを含めより直線的なラインを感じるエクステリアはスッキリ感が強い。Cd値は0.725へと進化している。
新型ゴルフ8は直線的でスッキリしたキープコンセプトのデザイン。いちばん目につく変更されたヘッドライトはLEDマトリックスヘッドライト「IQ.LIGHT」を採用
欧州ではGoogleのAlexa(アレクサ)を使えるというボイスコントロールが進化。デジタルコクピットと呼ばれる10+8.25インチのタッチ&スライド式ディスプレー。一気に世界観を変えるようなインテリアのデザインは素晴らしく、欧州車の先進性に思わず嫉妬してしまう。
新型ゴルフ8のデジタルコックピット。10インチナビ、デジタルメータクラスタ、オンラインサービス「WeConnect」の先進デジタル技術で未来感満載
使い勝手という部分では慣れは必要だがステアリングスイッチからの操作でもわかりやすい使用感。上級モデルではスイッチ類を撫でるようにタッチするだけでも操作できる。
プラットフォームは継承なのでインテリアやラゲッジのスペース感に大きな差はないが、後席のシートはリッチ感が増している。
コクピットに関してはマツダ3とインプレッサスポーツの国産2車はこの点とてもアナログ。ただし使い勝手は直感的で中高齢者向け。この点カローラスポーツは近代的で、ディスプレーオーディオ(オプション2万8600円)を装着すれば9インチ6スピーカーとなりゴルフに準じるが、標準だと7インチ4スピーカーだ。
後席シートでは国産3社ともしっかりした仕様で、特にマツダ3のリアシートは背もたれとクッション性でゴルフよりもリッチに感じた。
ラゲッジスペースはゴルフも国産3車もこれなら充分と納得できるもの。マツダ3が狭いのでは? との予想があったがまったく問題ないレベルだ。
■4車それぞれの個性が光る動力性能
では動力性能。やはりゴルフeTSI Activeの48Vマイルドハイブリッドを採用した1.0L 3気筒ターボエンジンは注目。エンジンを始動してみて、まず驚くのが室内でのメカニカル振動の少なさ。先入観さえなければ3気筒エンジンとはわからない。
新型ゴルフ8搭載の直列3気筒 1LターボDLA型エンジン。48Vマイルドハイブリッドにより低速トルク補助、静粛性、低燃費を実現
そこでエンジンフードを開けてみると、4気筒エンジンに比べて明らかに振動している3気筒があった。しかし、分厚いゴム質のエンジンマウントがその振動をしっかり吸収している。経年劣化して交換する時は高そうだが、凄いパーツである。
いわゆるオルタネーター(発電機)を駆動とスターターにもなるモーターに置き換えたベルト駆動の48Vマイルドハイブリットが装備されたエンジン出力は110ps/200Nm。これに7速DSGが接続される。
圧巻だったのはこの48Vマイルドハイブリッドによるコースティング機能。停止寸前やアクセルオフでのエンジン停止が頻繁に起こり、燃料を節約している。またアイドリングストップからの再始動も、この音無しスターターよって瞬間にエンジンに火が入る。
では動力性能を国産ライバル3車と比較しよう。
インプレッサSTI Sportは2.0L 4気筒のNAで154ps/196Nmを発揮し、トランスミッションはCVT。もう一台のマツダ3 1.8XD Lパッケージはディーゼルで130ps/270Nmという性能で6速AT。カローラスポーツは1.8Lハイブリッドで98ps/142Nm+72ps/163Nm(モーター)である。
発進加速で力強いのはマツダ3のディーゼル。1600rpm時に270Nmの最大トルクはやはり快適。とはいえゴルフは200Nmを1500rpmで発生し、しかも48Vのアシストもありそれほど劣るものではない。
マツダ3 ファストバック 1.8XD Lパッケージ。このクルマの魅力は何といってもデザイン、ファストバックはシンプルながら印象的でエレガント
ただ、30km/hあたりからマツダ3はグングン加速する。ゴルフは3000rpmを超えると力強さが増し1.0Lとは思えない加速が始まる。
インプレッサは出だしがそれほど非力には感じなく満遍なくスムーズに加速する印象だが、高回転、高速になるほど真価を発揮するエンジン特性。3車それぞれに加速の個性があって興味深い。
スバル インプレッサスポーツ STI Sport。動力性能と燃費は他車に劣るが、高い操安性に見切りのよさとアイサイトの安全性が魅力の1台
カローラスポーツはトヨタハイブリッド独特の加速感でアクセル全開にすればそれなりに速いが速度に比例しないエンジン音の上昇が気になるといえば気になる。ただし燃費は30.0km/L(WLTC)であり、燃料もレギュラーガソリンなのでやはりフルハイブリッドは経済的。
マツダ3のディーゼルはカローラスポーツほどの燃費は出ないが軽油は安い。
■乗り心地と走行性能はどうか?
では乗り心地。ゴルフとマツダ3はリアサスが左右が繋がったトーションビーム式。インプレッサとカローラスポーツは左右セパレートの高価なWウィシュボーン式だ。
インプレッサは4輪のサスが独立して路面の凸凹を吸収。カローラスポーツも路面からの初期入力をソフトに吸収。サスが硬いのはマツダ3で、叩くような初期のタップ感は強いが、凸凹通過時などのホイールの動きを一発で収束させる、尾を引かない乗り心地。これが好きな人もいると思う。
ゴルフはその中間だが、どちらかといえばインプレッサに近いコンフォート系。ただしここで注目すべきは国産2車は18インチタイヤ(マツダ3:45%扁平/インプレッサ:40%扁平)に対してゴルフとカローラスポーツは16インチ(55%扁平)だったこと。
ただ室内の静粛性のよさはゴルフだ。3気筒の振動を巧みに抑え込み、走行ノイズが低く0.275に進化したCd値のせいか高速でもストレスがない。それに準じるのがカローラスポーツといったところ。
ゴルフはADAS(運転支援)機能が強化され210km/hまでACCが使えるという。速度無制限のドイツならではだが、インプレッサは135km/hまで、マツダ3はそれ以上可能。カローラスポーツはLTA(レーントレーシング)を採用したトヨタセーフティーセンスを装備。
とはいえ日本の高速道路の最高速度は120km/hまでだからこれは4車互角である。LKAS(レーンキープ=車線内中央維持)にも大きな差はなかった。
また、新型ゴルフは路車間/車車間通信の未来安全規格といえるCar2Xを標準装備するなど先進安全へのいち早い対応は高評価だ。だがしかしこの機能、日本では規格も異なり使えないと予想されている。
ではまとめてみよう。先進性を含めてやはりCセグハッチバックのトーナメントリーダーはやはり新型ゴルフだろう。ただしコストパフォーマンスという意味ではエントリーモデルで300万円を超えている点は考慮する点が大いにある。
CセグメントFFハッチバックの王道を行くVWゴルフ。1974年のデビュー以来、多くの自動車ジャーナリストから高い評価を得ているだけにさすがの作り込み
すると、発売からすでに2年を経て古い感じがあるのは捨てきれないカローラスポーツだが、コストパフォーマンスとフルハイブリッドの圧倒的な燃費はなかなかのアドバンテージを持つ。
Wウィッシュボーン式リアサスペンションはストローク感のあるホイールトラベルによって、乗り心地などは新型ゴルフと互角以上の勝負をしている。トヨタさん、広報車が再度貸し出されたらもう一度しっかりと乗り比べてみたいです。
2018年にデビューしたトヨタ カローラスポーツ(写真のグレードは1.8ハイブリッドG)。全幅1790mmの3ナンバー化で運動性能をアップ、元気のいい1.2Lターボモデルも用意する。さらに来年夏ごろに300ps・4WDのGRモデルも発売予定
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みんなのコメント
知的障害者の温床になってるな。
車を買う経済力も無ければ、運転する知性も持ち合わせていない気の毒な奴なんだろうが、悪いのはいつまでも匿名掲示板のままで、糞コメ連投可能な仕様にしている運営だよな。