三菱は、欧州最大の電動車両向け充電サービス事業会社であるオランダのNewMotion社(ニューモーション)、オランダ国営の送電事業者TenneT社(テネット)と共に、ビークル・トゥ・グリッド(V2G)技術を利用した、電力系統安定化サービスの実証実験を開始する。
V2Gというのは、電動車の車載蓄電池を束ねて電力グリッド向けに充放電を行ない、需給調整に活用する技術のこと。「アウトランダーPHEV」の車載蓄電池を、それに使おうというわけだ。
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具体的には、オランダで累計25千台以上の販売実績のあるアウトランダーPHEVを、ニューモーションがアムステルダム市の家庭や勤務先に新たに設置する、10台の電動車用充放電チャージャーに接続。不意の電源喪失や電力周波数の調整に備えるために用意された、予備電力市場向けにサービスを提供する。
欧州では2015年に採択された「パリ協定」により、温室効果ガスの削減をさらに加速すべく、再生可能エネルギーの積極的な導入促進策が維持・強化されている。それは今後、化石燃料による発電の代替として、太陽光や風力といった再生可能エネルギーが大量に送電系統に流れ込んでくることを意味する。
しかしそこで問題になるのが、そうした再生可能エネルギーの出力が、自然条件に大きく左右されてしまうこと。電力を安定供給するためには、系統の安定化が大きな課題となる。
さらに英仏両政府が、2040年以降化石燃料車を販売禁止する方針を掲げたことによって、自動車の電動化の流れも必然的に加速する。そんな中、充電が電力インフラに与える負荷を軽減するための、新たな仕組みが求められることになる。その解決策としても、車載用蓄電池を電力グリッド向けに充放電するV2G技術が注目されているわけだ。
三菱は、本実証を通じて電動車/車載蓄電池を活用した新たな価値、事業機会の創出を目指すことになる。
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