現在位置: carview! > ニュース > イベント > セルロースナノファイバーを全面採用したクルマが公道を走る日は近い!?【エコプロ2017】

ここから本文です

セルロースナノファイバーを全面採用したクルマが公道を走る日は近い!?【エコプロ2017】

掲載 更新
セルロースナノファイバーを全面採用したクルマが公道を走る日は近い!?【エコプロ2017】

“環境”をテーマにした展示会「エコプロ2017」(旧・エコプロダクツ。主催:産業環境管理協会、日本経済新聞社)が12月7~9日の3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された。出展社数は616社・団体、小間数は1,414小間を数え、3日間で160,091人の来場者を集めた同展示会において、今回特に注目を集めていたのは、環境省や製紙メーカーを中心に出品が相次いだ「セルロースナノファイバー」(CNF)だった。

CNFは、木材・枝葉・果実やジュースの絞りかす・コーヒーがらなどの食品残渣、稲わら・落ち葉・雑草などの未利用バイオマス、古紙などの植物バイオマスをパルプ化したものを、さらにナノ(10億分の1メートル)化した繊維状物質。植物由来素材のため再生利用が可能で環境負荷が小さいうえ、鉄に対し約1/5の重量と約5倍の強度、250m2/g以上の大きな比表面積を持ち、かつ熱変形はガラスの1/50程度、などの優れた物性を備えている。

スパークプラグの生産開始から60年目のDENSO、その歩みをひもとくディスプレイを展開【東京オートサロン2018】

環境省は2016年12月、京都大学を代表事業者とし、アイシン精機、デンソー、トヨタテクノクラフト、トヨタ紡織など自動車関連企業を含む約20の研究機関・企業が参画する「NCV(ナノセルロースビークル)プロジェクト」を始動。内外装の樹脂及び金属部品、タイヤ、ガラスなどを可能な限りCNFに代替し、従来製法より約10%軽量化したデモカーを2020年までに製作する計画を発表している。

今回のエコプロでは、「NCVプロジェクト」としてブースを構え、トヨタ紡織がドアトリム、キョーラクがデッキボード、マクセルがエンジンカバー、アイシン精機がインテークマニホールド、昭和丸筒がバンパー/ドアビーム、利昌工業がパネル類を参考出品。CNFを用いたこれら部品の多くは手に触れて持つことが可能な状態で展示されており、エコかつ軽量・高剛性な素材として、実用化に向けた検証が着実に進んでいることを来場者に強くアピールしていた。

製紙メーカーでは、フィンランドの首都ヘルシンキを本拠地とするUPMが、同じくヘルシンキにあるメトロポリア大学などと2010年より共同開発し2014年のジュネーブモーターショーで発表したコンセプトカー「Biofore」を展示。

フレームに鋼管とセルロース/炭素繊維複合材、ドアミラーおよびランプ・給油口まわりにCRFPを用いる以外、ガラスを除くほぼ全ての外板に、同社が「UPM Formi」と呼ぶ木質セルロースを用いたバイオプラスチックを採用。室内のウッドパネルには熱成型木材「UPM Grada」を使用することで、同サイズの一般的な車両に対し約150kg軽量化している。

このコンセプトカーはナンバーを取得しており公道走行が可能となっているものの、「あくまでPRのために製作したもので市販化の予定はない」とのこと。だが、木材をベースにしたクルマの究極の姿として、その存在意義は大きいといえるだろう。

自動車メーカーからはホンダ、マツダ、スバル、三菱が出展。ホンダは製造圧力82MPa・充填圧力70MPaの「スマート水素ステーション(SHS)70MPaコンセプト」、マツダは材料着色バイオエンジニアリングプラスチックを用いたCX-5用フロントグリルの試作品、スバルは北海道・美深試験場の開発時に伐採した白樺を活用した丸太いすや間伐材を用いたブース装飾、三菱はアウトランダーPHEVなどを展示した。

また、自動車リサイクルネットワーク大手のNGP日本自動車リサイクル事業協同組合は、エアバッグを展開し部品を取り外したトヨタ・ピクシスエポックと、その車両から実際に生産したリサイクル部品を展示。新品部品とリサイクル部品との価格差も示すことで、社会科見学で訪れた学生のみならずクルマを所有する大人からも大きな注目を集めていた。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「悪くはないが、良くもない」勝田貴元、シェイクダウンは入念に走行。改善のカギと戦略は/ラリージャパン
「悪くはないが、良くもない」勝田貴元、シェイクダウンは入念に走行。改善のカギと戦略は/ラリージャパン
AUTOSPORT web
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
THE EV TIMES
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
レスポンス
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
バイクブロス
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
motorsport.com 日本版
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
LE VOLANT CARSMEET WEB
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
くるまのニュース
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
VAGUE
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
バイクのニュース
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
LE VOLANT CARSMEET WEB
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
モーサイ
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
Webモーターマガジン
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
バイクブロス
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」  理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」 理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
くるまのニュース
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
レスポンス
ハミルトンFP2も首位、メルセデス好調も上位は接戦模様か。RB角田裕毅は10番手|F1ラスベガスGP
ハミルトンFP2も首位、メルセデス好調も上位は接戦模様か。RB角田裕毅は10番手|F1ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
スズキ、フラッグシップ『ハヤブサ』のカラーリングを変更した最新モデルを発表。11月22日より発売
スズキ、フラッグシップ『ハヤブサ』のカラーリングを変更した最新モデルを発表。11月22日より発売
AUTOSPORT web
まだまだ続きます 北近畿豊岡道の「有料トンネル」料金徴収期間を延長 背景に老朽化
まだまだ続きます 北近畿豊岡道の「有料トンネル」料金徴収期間を延長 背景に老朽化
乗りものニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

291.0422.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.8405.3万円

中古車を検索
CX-5の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

291.0422.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.8405.3万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村