トヨタは2020年7月1日、看板車種のプリウスおよびプリウスPHVの一部改良を発表した。2020年8月1日にはアクアも一部改良モデルを発表する予定だ。
ここ最近、カローラやヤリス、ライズ、フィットの台頭で、プリウスとアクアの販売は極端な減少傾向にある。
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コロナ禍により影響があるとはいえ、4月の販売台数は、プリウスが9位、4669台(対前年同月比57.8%減)、アクアが10位、4551台(対前年同月比41.4%減)。
5月の販売台数もプリウスが9位、3499台(68.2%減)、アクアが11位、3453台(対前年同月比56.0%減)と、かつてはトップ3の常連だった2車種の落ち込みぶりが目立ってきている。
そんななか7月1日に行われたプリウスの一部改良、そして8月1日に予定されているアクアの一部改良モデルの内容を解説していこう。
はたして、プリウスとアクアは今回の一部改良モデルの発売で、挽回できるのか?
文/遠藤徹
写真/トヨタ
【画像ギャラリー】トヨタの既販売車種用後付け「踏み間違い加速抑制システムII」とは?
プリウス&プリウスPHVの一部改良モデルを2020年7月1日に発表発売
今回の一部改良は、安全、安心機能の強化、そしてトヨタ初採用となる「プラスサポート(急アクセル時加速抑制)」がポイント。写真はプリウス A“ツーリングセレクション”(2WD)
プリウスPHVはソーラー充電システムをオプション設定。また1500Wの外部給電機能が全車標準装備により、CEV補助金が一律22万円となった。写真はプリウスPHV A(2WD)
トヨタはプリウスおよびプリウスPHVの一部改良モデルを2020年7月1日から発売するとともに、ブラインドスポットモニター、リアクロストラフィックアラート、バックカメラ搭載ナビレディセットなど、さらなる安全・安心機能を充実させたプリウスの特別仕様車 S“Safety PlusII”(FF/275万5000円、E-FOUR/295万3000円)を設定し、同日発売した。
一部改良の具体的なメニューは、トヨタセーフティセンスの機能向上やインテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ「静止物」)を全車に標準装備。
さらに、今回の一部改良で、運転が不安なドライバー向けにプラスサポート(急アクセル時加速抑制)をトヨタとして初採用したのも見逃がせないポイントだ。
そして、災害時などに役立つ、外部給電機能を全車標準装備。さらに、プリウスPHVにはソーラー充電システムを全グレードにオプション設定。このソーラー充電システムは、太陽光で発電した電力を駆動用バッテリーに貯めて給電することが可能で、全グレードに設定した。
■プリウス&プリウスPHV 一部改良の主なポイント
1/安心、安全装備の強化
●予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」の機能向上
・プリクラッシュセーフティの検知範囲が従来の昼間の歩行者のみ対応から、夜間の歩行者と昼間の自転車運転者に拡大
・レーダークルーズコントロール使用時に、同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援するレーントレーシングアシスト(LTA)を装備
・カメラで認識した道路標識をディスプレイに表示することで道路標識の見落としを減らし、安全運転を促すロードサインアシスト(RSA)を追加
・先行車の発進をブザーとディスプレイ表示で知らせる先行車発進告知機能を追加
プリクラッシュセーフティの検知範囲はこれまで昼間の歩行者のみの対応だったが、夜間の歩行者と昼間の自転車運転者に拡大した
●駐車場などでのアクセルとブレーキの踏み間違いやアクセルの踏みすぎなどで起こる衝突被害の軽減に寄与するインテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]を全車に標準装備
●「プラスサポート(急アクセル時加速抑制)」をトヨタ初採用
・高齢者や運転に不安なドライバー向けに、プラスサポート用スマートキー(販売店装着オプション/税込価格1万3200円~)を設定。このキーで解錠すると自動でシステムが起動し、進行方向に障害物がない場合でも、ペダルの踏み間違い操作を検知した際、加速を抑制。インテリジェントクリアランスソナーに加え、ペダル踏み間違い事故の抑止・被害の軽減に貢献することが狙い
・プラスサポートは、プラスサポート用スマートキーによる解錠以外、複雑な操作や設定は不要で、家族内でも、使用者に応じて標準スマートキーとの使い分けが可能
プラスサポート用スマートキー
プラスサポート(急アクセル時加速抑制)作動・非作動時 比較イメージ
2/給電機能の強化
●AC100V・1500Wのアクセサリーコンセントを全車標準装備
●プリウスPHVでは、ソーラー充電システムを全車オプション設定
ソーラー発電量をマルチインフォメーションディスプレーに表示。発電量が確認しやすくなった
プリウスはアクセサリーコンセント(AC100V・1500W、コンセント2個(Eグレードは1個)/非常時給電システム付き)。プリウスPHVは、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W、コンセント2個、ヴィークルパワーコネクター付)として設定
プリウスPHVにオプション設定されたソーラー発電システム。マルチインフォメーションディスプレイにソーラー発電量が表示される
■プリウス 特別仕様車 S“Safety PlusII”の概要
●「S」をベースに、主に以下の機能を特別装備
・車線変更時の後方確認をアシストするブラインドスポットモニター
・駐車場などから後退する際に、左右後方から接近してくる車両を検知し、ドアミラー内のインジケーターの点滅とブザーにより、注意喚起するリアクロストラフィックアラートを装備
・後方の映像を表示し車庫入れをサポートするバックカメラに加え、ステアリングから手を離さずに音声操作やハンズフリー通話を可能にするステアリングスイッチがセットになったナビレディセット
・悪天候時にヘッドランプの明かりを補助するLEDアクセサリーランプ(薄暮灯)
そのほか、車内を爽やかな空気で包むナノイー、雨滴感応式オートワイパー、自動防眩インナーミラーを特別装備
プリウスの特別仕様車 S“Safety PlusII”。価格はFF/275万5000円、E-FOUR/295万3000円
2020年8月1日に行われるアクアの一部改良の内容 クロスオーバーは廃止!
2011年12月にデビューし、2014年にマイチェン、2017年6月のデザイン変更を含む大幅なマイナーチェンジで息の長いロングセラーとなっているアクア
2020年8月1日に行われる予定のアクアの一部改良は、一部グレードの廃止とボディカラーの再編が中心。
ボディカラーはセメントグレーメタリック、ダークブラウンの2色を設定する代わりにあまり売れ行きのよくないイエロー、ブルーメタリックの2色を廃止する。
装備は中心グレードのS系をメインに簡素化、グレードはクロスオーバーや特別仕様車のSスタイルブラックを廃止する。
アクアクロスオーバーは2020年8月31日に「新型ヤリスクロス」が発売になることで、コンセプトが被るため、必要ないとの判断によるものと思われる。
一部改良モデルの価格はほぼ据え置き。改良モデルの納期は9~10月あたりと先延しの状況にある。
最近の両モデルは極端な減少傾向にある。この5月の車名別登録台数はプリウスが3499台、前年同月比68.2%減、アクア3453台、同56.0%減と半減以上の急減ぶりとなっている。
車名別の順位はプリウスが9位、アクア11位であり、つい最近までベスト10の上位にランキングされていたのが嘘のような衰退ぶりとなっている。
この要因はコロナ禍に加えて、モデルの陳腐化による商品力のダウンである。プリウスの現行モデルの登場は2015年12月9日、アクアが2011年12月26日であるから、それぞれ4年半、8年半以上が経過しているので、大幅なマイナスになるのは当然ともいえる。
また、同じトヨタ車でライバルとなる新型車が発売になり、さらにマイナス幅は加速拡大させている事情もある。
プリウスはカローラスポーツ、同ツーリング、アクアはヤリスの各1.8&1.5ハイブリッドであり、こちらへ代替えするユーザーが増えているといった状況がある。
今回の両モデルの一部改良や特別仕様車の設定グレードやボディカラーの再編でこれまでの劣勢を挽回できるかどうかは極めて厳しい状況にあるといえる。
首都圏にあるトヨタ系列店の営業マンによると、「今回は両モデルとも安全対策を中心とした小幅改良やグレードボディカラーの再編で、プリウスは最近の新型車であるカローラやヤリスに採用した先進デバイスを合わせて装備したのに過ぎないので、これによって劣勢を挽回するのは難しい」と一様にコメント。
やはり、カローラやヤリスのようにフルモデルチェンジ、新規開発をして最新のデザイン、技術を盛り込んだ新型車にしないと復権はできないのではないかという見方が強い。
次期プリウス、次期アクアが登場するのはいつ?
次期アクアは2021年中盤のデビュー予定(CGイラストはベストカーが製作したもの)
次世代モデルが登場するのはいつか。今のところアクアが2021年中盤、プリウスは2022年末が有力である。
両モデルともこれまでとは大幅に路線を変更させる方向で開発プロジェクトが動いているはずである。
次期型アクアは様々な情報が流れている。新型ヤリスが登場し、従来のネッツ店専売からトヨタ全系列店扱いに拡大されたことでますます存在価値がなくなっている。
後席が狭く居住性が悪いのがネックになっており、室内の広いヤリスハイブリッドがあれば必要ないと見る扱い店が多くなっているのである。このため次期型は存在せずモデルが廃止になるとの見方もある。
一方、次期型は存在し、ヤリスとのコンセプト分けを明確にするため、サイズアップし、上級シフトするという考え方である。
この場合、アクアの名称を引き継ぐのか、グローバルで使われている「プリウスS」になるのではないかという情報もある。
プリウスの名称になると、本家と合算した販売台数のカウントになるため、両モデルの新型車が出揃えば、再びトップブランドに浮上する可能性が高まってくる。
次期型プリウスも上級シフトする。サイズアップし、パワーユニットは従来の1.8Lハイブリッドから2Lに排気量をアップさせる。
最新の安心パッケージである「トヨタセーフティセンス」に最新のデバイスを装備、自動運転支援のハンズフリーなども採用する。こうしたことから、今後は、両モデルとも世代交代するまでは販売苦戦が続くだろう。
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