10月11日の早朝、代官山T-SITEの駐車場に新型フェアレディZプロトタイプが展示された。日産パビリオンでの公開時は屋内だったため、陽光の下で初めて新型を確認できたわけだ。会場には事前の抽選で選ばれた歴代Zとそのオーナーも集結。朝早くから会場は熱気ムンムン。
そういえば・・・フェアレディZは、なぜ「Z」なの?
アンベールされると、シャッター音とともに「結構いいじゃん!」という声。そう、デザイナーや開発陣が語るように、やっぱりクルマは実車が一番。新型はスマートさとグラマラスさがちょうどよく融合している印象で、他を威圧するような雰囲気は控えめ。それでいてじっくり眺めたくなるような存在感を放っている。
「なんか歴代へのオマージュが過ぎない?」なんて声もあるが、プロポーションに古さは皆無。今回、会場で話を聞いたZ31オーナーの娘さんも言っていたが、「レトロなだけじゃなく、新しくも感じます」という言葉がピッタリなのだ。
ほかのZオーナーたちも、「自分のZは手放さないけれど」というお決まりの言葉は付くものの、「これなら欲しいかも」と写真と実車の違いを確認したようだ。あとは、「エンジンとかトランスミッションがどうなるかですね。400R(スカイライン)のV6ツインターボなんでしょ? ちょっとパワーありすぎかな…」なんて声も。そのへんは、最大の市場であるアメリカの要望にも合わせているのだろう。ただスペックなどは今回も非公開だった。
発売時期に関して向けられた日産の田村宏志チーフプロダクトスペシャリストは、「それはお忍びで来られている内田社長じゃないとわからないなー(笑)。内田さんはZ32を好きで乗っていた人で、今回のプロジェクトを通した張本人です。そういう意味で、会場に来てくれて本当にうれしい。まあGT-Rプロトが出てきてから何カ月かで市販車が出てきましたよね。まだ言えないけどだいたい(そういった感じ)」
なんと、会場には日産の内田 誠社長がサプライズで登場していたのだ。発売時期に関しては田村氏同様に「もう少しお待ちください」という雰囲気だったが、この新型Zに掛ける思いは並々ならぬものがあるはずだ。現行のZ34が登場したのは2008年12月で、まもなく丸12年が経とうとしている。随分なご長寿であることからも想像はたやすいが、ずいぶん前からフルモデルチェンジの構想は練られていた。しかしいろいろな事情があって日の目を見ずにいた…。
そんな状況のなか、新型のプロジェクトに対して内田社長がGOサインを出したわけだ。
じつは内田社長は日産に入社する前にフェアレディZを購入したという、Zファン。田村氏いわく、「結構なクルマ好きです。マニアックな知識などにも耳を傾けるタイプなんですよ」と教えてくれた。
新型の正式デビューは、2021年末と予想。「Nissan Next A to Z」(5月28日に公開した動画)のトリを飾るのが、この新型Zということになるのだろうか。楽しみに待ちたい!
〈文=ドライバーWeb編集部〉
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みんなのコメント
内田社長も自身でユーザー車検を通すほど車好きなんだそうだ。
そういう人が社長になった日産がこれからどう生まれ変わるのか期待したい。