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「ルーフの上」で一晩 ポルシェ911 ダカールで真冬のキャンプ(2) オンロードも望外に面白い

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「ルーフの上」で一晩 ポルシェ911 ダカールで真冬のキャンプ(2) オンロードも望外に面白い

911 ダカールの上で眠りに落ちる

筆者は平坦な場所を探し、キャンプサイトにした。クランプを開き、リッドを持ち上げ、フロアを拡張。ポルシェ911 ダカールのルーフテントを張る。

【画像】オンロードも望外に面白い ポルシェ911 ダカール ベースのカレラ4 GTS ウラカンも 全133枚

伸縮式のハシゴを引き下ろし、4本の支柱で入口と窓側を持ち上げれば、設営完了。慣れれば2分で終わるだろう。

これはアイキャンパー社がポルシェへ提供しているアイテムで、英国価格は4635ポンド(約86万円)。同じく専用のアルミ製クロスバーの上へ固定されている。合計の重さは66kgもあるが、190kgの重さまで耐えられるという。

すべてをケースに格納すれば、130km/h以下の速度で走れる。設営したテント自体は、37km/hの風まで耐えられるらしい。

今夜はほとんど無風。夜空に浮かぶ雲の合間から、息を呑むような天の川が見える。これまで眺めた星空の中で、最も壮大だ。

ガスボンベをストーブへ固定し、クリスマスディナーのスタート。レトルトのボロネーゼ・パスタをいただく。体も温まる。唯一の野菜、芽キャベツも加熱。スーパーで調達したクリスマスチキンは、なかなかのお味だ。

クリスマスプディング・ケーキを温め、ブランデーと一緒に味わう。少し早いパーティーは、あっという間に終了。カメラマンとともに、ルーフテントへ戻る。

フロアの広さは一般的なダブルベッドとほぼ同じで、薄いフォーム・マットレスが敷かれている。筆者とカメラマンは、別々の寝袋で身を包み、911 ダカールの上で横になる。ブランデーのおかげか、すぐに眠りへ落ちたようだ。

真冬のキャンプが人気な理由を理解

翌朝、山の気温は2度まで落ちていた。顔が少しヒリヒリするほど寒い。不慣れな場所でも、想像以上に疲れが取れていることに驚く。

純正のルーフテントを買える予算があれば、立派なホテルで数週間は過ごせるだろう。とはいえ、真冬のキャンプが人気な理由も理解することができた。夜明けが近づくと空はピンク色に染まり、森では鳥がさえずり始める。遠くでは、オス鹿が鳴いている。

制汗剤シートで体を拭き、荷物をまとめ、テントを畳む。911 ダカールが下山すると、登る前と変わらない景色が戻る。ひと晩、他の動物が近寄ってこなかったことが、不思議に思えた。

舗装されたワインディングへ戻り、ケアンゴームズ山のスキー場を目指す。家族連れで混雑した駐車場へクルマを停め、グレートブリテン島で唯一、放し飼いにされているトナカイを眺めに行く。クリスマスだから。

この群れは、1952年にスウェーデンの原住民、サーミの人達によって贈られたもの。約800年前に絶滅してしまったが、現在は150頭にまで増えている。毛皮は分厚く、氷点下70度でも生き続けられるそうだ。

1頭のトナカイが、餌を持つ筆者へ近づいてくる。穏やかで、人間を恐れる様子はない。巨大な角を伸ばしたオスも近づいてくる。飼料をモグモグと、口のなかで何度も噛んでいる。動物好きなら、1日中眺めていられるだろう。

オンロードでも非常に有能 望外に面白い

ケアンゴームズ国立公園の東へ回り、走りがいのある舗装路へ911 ダカールを放つ。ブレアゴウリーの町までは、約150km。広大な湿地の間を、うねるように道が続く。路面状態も変化に富んでいる。

66kgのテントがルーフに載り、オールテレーン・タイヤを履いているが、911 ダカールに譲歩は無用。ツインターボの水平対向6気筒は、2700rpmから57.9kg-mのトルクを生み出す。8速デュアルクラッチATが、キビキビとギアを選ぶ。

加速力は充分以上。グリップ力も驚くほど高い。

カレラ4 GTSより肉厚なタイヤと、伸ばされたサスペンション・ストロークによって、凹凸が目立つ路面を流暢に進んでいく。鋭い隆起部分も、最小限の衝撃へ吸収してくれる。横方向の安定性は、アクティブ・ロールコントロールが担保する。

ポルシェらしく、シャープに反応するステアリングが輝く。頼もしいブレーキが、安心感を増している。

911 ダカールの動的特性には、高水準のスペックや「ダカール」というサブネームからイメージするほどの、生々しさはない。走りがいのあるオンロードを、優れた充足感で堪能できた。非常に有能で、望外に面白い。

スコットランドの冷たいオフロードにも、見事に対応できることも確認した。その上で一晩を明かす必要性は、低いかもしれないが。

ポルシェ911 ダカール(英国仕様)のスペック

英国価格:17万9025ポンド(約3311万円)
全長:4530mm
全幅:1864mm
全高:1338mm
最高速度:239km/h
0-100km/h加速:3.2秒
燃費:8.9km/L
CO2排出量:256g/km
車両重量:1605kg
パワートレイン:水平対向6気筒2981cc ツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:479ps/6500rpm
最大トルク:57.9kg-m/2300-5000rpm
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック(四輪駆動)

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みんなのコメント

1件
  • さと
    車は違いますがルーフ型テントは寝るとわかりますが車のサスペンションのせいでかなり揺れます
    車にジャッキーを4箇所かえば良いですが…車内シートで寝るとは全く違う感覚です
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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