10月7日~9日に鈴鹿サーキットで開催される2022Honda F1日本グランプリ。金曜日からのフリー走行を前に、F1ドライバーたちが続々とサーキットに到着し、メディア対応やコースの下見などを行っていた。
今シーズン、新しいコンビということで注目を集めたバルテリ・ボッタスと周冠宇のアルファロメオ コンビが、木曜日に独占インタビューを実施。日本にまつわる意外な共通点や、お互いの印象などを聞いた。
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2019年のF1日本GPで優勝を飾ったボッタスは、長年在籍したメルセデスを離れ、今季からアルファロメオに移籍。前半戦はコンスタントにポイントを獲得していたが、ここ数戦は不運なリタイアも重なり、入賞圏外でレースを終えることが増えている。それでも鈴鹿は好成績を残しているコース。カナダGP以来となるポイント獲得に期待がかかる。
一方の周は、今季F1にステップアップしてきた新人。開幕戦でいきなり10位入賞を果たしたが、その後は苦戦するレースが続いており、イギリスGPではスタート直後に他車と接触し、マシンがタイヤバリヤの外まで飛んでいく大きなクラッシュに見舞われた。
幸い周は無事で、その後も変わりなく参戦を継続。第16戦イタリアGPで今季3度目の入賞を果たしたが、もう一歩上を狙いたいところだ。
そんなふたりのドライバーは、お互いをライバル視しすぎることはなく、互いの良い部分は共有しし合って、パフォーマンスを上げていく印象がある。
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■日本にまつわる“意外な共通点”
──ボッタス選手は3年ぶりの鈴鹿になると思いますが、久しぶりに来た雰囲気はいかがですか?
ボッタス:鈴鹿に来るのは3年ぶりだ。ファンはいつも熱狂的で、コースもすごくチャレンジングで、ここはすごく特別なグランプリだなといつも感じる。
──周選手は、鈴鹿に来るのは、おそらく初めてですよね?
周:鈴鹿に来るのは初めてだけど、コロナ禍が始まる前に家族と大阪へ遊びに来たことがある。1月だったかな。あとは僕が小さい頃にカートのレースで日本に来たことがあるくらい。かなり昔なので詳細までは……(苦笑)
──なるほど、大阪に行ったことがあるのですね! いかがでしたか?
周:(大阪の旅は)すごく良かった! あの時は東京ではなくて大阪を旅先に選んだんだ。なぜなら、もっと日本の文化を知りたかったからね。東京はどちらかというとニューヨークや上海に似ていて、世界を代表する大都市という印象だけど、大阪は少し特殊な感じがするし、見どころもたくさんある。食べ物も美味しいしね!
ボッタス:大阪は何年か前に行ったことがあるけど、良い街だね。周が言うように、(東京と比べて)伝統的な雰囲気があると思う。ただ、僕は東京の方が良いかな。昨日も東京で過ごして日本食のレストランに行ったよ。
周:今回は直前までシンガポールにいたから、(東京滞在が)叶わなかったけど、いつかは東京を楽しみたいと思っている。
(意外に大阪話で盛り上がったが、この辺で話題を変えることに……)
■お互いに包み隠さず情報共有
──今シーズンのふたりを見ていると、コンビネーションが良さそうというか、仲が良い雰囲気が伝わってきますが、改めてお互いの印象はいかがですか?
周:バルテリと組めたことで、たくさんのことを学んでいる。それまでのことは僕もよく知らないけど、一緒に働き始めると彼の良さを改めて知ることができた。いろんなことを助けてくれるし、ルーキーである自分がF1に対しての理解を深めることができるし、自分自身を向上するためのたくさんの情報を彼から得られている。彼は本当にフェアにやってくれる。それで、自分自身も少しずつ良い方向に持っていけているから、来年も彼と一緒に居られるのはすごく心強い。
ボッタス:僕も周と同じチームになって、良いシーズンを過ごしている。彼は吸収が早くて、シーズンの初めは少し苦労していたけど、経験を重ねていくごとにペースも上がっている。セットアップの方向性もそこまで大きく変わらないから、クルマの開発もすごく良い感じに進んでいる。
周:レースがない時も、ファクトリーでよく会っているし、プロモーションの仕事も含めると、シーズンの半分くらいは一緒にいると思う。だけど、どこかに一緒に出かけるという機会はない。
ボッタス:そうだね。お互いに別の国に住んでいるからね
──すでにアルファロメオの来シーズンのラインナップが発表されて、このコンビも継続となります。それについては、いかがですか?
周:来年も同じアルファロメオで契約を延長できたのは、すごく良いことだ。今年アルファロメオと始めた旅を、この先も続けられるのは、すごくエキサイティングなことだよ。正直、シンガポールGPまでは来年のことを考えながら、レースと同時進行で進めていたけど、これで残りのレースに100%集中できるから、これまでの経験をいかして、もっと良い順位でフィニッシュしたい。チームもドライバーも、ここから先、大きくステップアップできる第一歩になればなと思っている。
ボッタス:同じ体制が継続されるということが、何よりポジティブなことだ。どこかで体制が変わると、イチからスタートとなる。それはドライバーだけではなくて、エンジニアもメカニックもそうだ。周は今シーズンの中で、非常に短期間のうちに成長した。これが来年も継続されていけば、来季の開幕戦は今季と比べても、随分違う位置からスタートできるから、それはすごく良いことだ。
──最後にプライベートで乗っているアルファロメオのクルマ、またはアルファロメオのなかでお気に入りのクルマを教えてください。
周:ジュリアに乗っているけど、一番のお気に入りはGTAmだね。アルファロメオの中で一番速いクルマだから
ボッタス:僕はステルヴィオに乗っているけど、今はジュリアGTAmが来るのを待っているよ。
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終始、リラックスした様子のふたりで、時にはお互いの回答にリアクションして、話が盛り上がるなど、かなり良好な関係を築けている様子だった。
特にボッタスが語ったように、同じメンバーで2年目を迎えられるというのは、チャンスが多いようで少ないF1では、効率よくポイントを獲って、結果を残していくには、これ以上にない好材料のひとつかもしれない。
今週末の日本グランプリはもちろんなのだが、今後のふたりのコンビネーションがどこまで進化していくのかも、目が離せないポイントとなりそうだ。
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