大幅な進化を遂げたレクサスのコンパクトSUV「UX」について、小川フミオが徹底解説! あらためて考える同ブランドの魅力とは?
「Always On」の意味
レクサスが2022年夏に発売するというSUV「UX」の改良型。楽しみなのは「Always Onの思想に基づいた走りと先進装備の刷新」と、謳われる内容の充実ぶりだ。
レクサスは、いま速いペースで、ラインナップに改良を施している。“次世代レクサス”と呼ばれるのは、最新のSUV「NX」(2021年11月発売)と、それに続き2022年1月に発売されたオフローダーの新型「LX」だ。
並行するように、2021年9月には「IS」に改良を施した。足まわりをはじめボディ剛性があがるなど、ハンドリングが大きく向上。フルモデルチェンジでもないのに、走りがよくなって、当時さっそく運転させてもらって、私は驚いたものだ。
レクサスの開発陣と話すと、必ず言及されるのが、いまの佐藤恒治プレジデントが主導する「Always On」のクルマづくりの思想。「レクサスのクルマづくりにおいて“完成”はないんです」と、聞かされた。作り手にとっては大変だろうが、レクサス車の走りを愛するひとには、すばらしいことであると思う。
ISの話をもう少しだけ続けると、もともと退屈なクルマではなかった。でも、レクサスのトップは、それでは満足しなかったのだろう。たとえば、スポーティな走りをつねに追求しているBMWと同様、ロードホイールとホイールハブの締結にはハブボルトを採用。これでハンドリングがうんと向上している。
ようするに、やらなくても問題なさそうなことでも、作り手が満足していなかったら、とことんやってみる。そして逐次、クルマをチェックしながら、さらに手を入れていく。これがAlways On。年次改良はどこのメーカーもやっていることだが、そのレベルをはるかに超えている、と思う。
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今回、ボディ剛性向上とともに、ダンパーや電気パワーステアリングシステム(EPS)などがアップデートされたのはガソリンの「UX200」と、ハイブリッドの「UX250h」。
「(愛知県豊田市の)Toyota Technical Center Shimoyamaで走り込むことで、上質さとダイレクト感、レスポンスの更なる向上によるすっきりと奥深い走りを実現しました」
レクサスのプレスリリースの文言を読むと、早く試してみたい、という気になる。
UX自体、思い返せば、最初に乗ったのがスウェーデン・ストックホルムでの国際試乗会。そのあと、東京、千葉、鎌倉と長めの距離を走ったのが、日本での最初だ。
このとき、ステアリング・ホイールを握っていても中立付近でやや感覚が曖昧。あれ?と思ったが、それから半年もたたないうちに、EPSに手に入って、クルマは別ものになっていた。これで感心したものだ。
バッテリー搭載位置の関係とかで、フラットでなく使い勝手がいまいちだった荷室のフロアも、平らに改良されて、すぐに実用性がうんと向上した。つねにものを考えているブランドだなぁというのが、私のレクサス観である。
今回は、ハイブリッドを含めた内燃機関搭載車のみの改良とのこと。レクサス初のピュアEVとして登場した「UX300e」には手が入らないようだ。でもじつは、このクルマも、とても走りがいい。
このあと、このUX300eになにか改良が施されるとしたら、ゼロからピュアEVとして設計された「RZ」が登場したタイミングだろうか。そこは私にはまったく知るよしもないけれど、私などが予想もできない改良で、さらにクルマがよくなるのかもしれない。
そういうことも楽しみにさせてくれるのが、レクサスなのだ。
文・小川フミオ
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みんなのコメント
誰が期待するのか?
売れないから作らないというならLSだって要らないと思う。