現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > よく考えられたクルマだわ……WR-Vは日本市場にピッタリ!! 250万円以下も驚きの走行性能とは?

ここから本文です

よく考えられたクルマだわ……WR-Vは日本市場にピッタリ!! 250万円以下も驚きの走行性能とは?

掲載 更新 51
よく考えられたクルマだわ……WR-Vは日本市場にピッタリ!! 250万円以下も驚きの走行性能とは?

 2023年末に公開されたコンパクトSUVのホンダ WR-V。約210万円からというお買い得感爆上がりの価格設定となった。ホンダの稼ぎ頭といえば軽自動車のN-BOXがあるが、登録車でも目玉が欲しかったホンダの救世主となるか!?

※本稿は2023年12月のものです
文/鈴木直也、写真/HONDA、ベストカー編集部、撮影/平野 学
初出:『ベストカー』2024年1月26日号

よく考えられたクルマだわ……WR-Vは日本市場にピッタリ!! 250万円以下も驚きの走行性能とは?

■国内市場と海外市場のギャップは自動車メーカーの悩みのタネ

全長4325mm、全幅1790mm、全高1650mmでホイールベースは2650mm。ボンネットフードが高く、フロントグリルが大きいので存在感のある顔だ

 自動車メーカーがグローバル化すると、悩ましいのは自国ローカルの市場とグローバル市場のギャップ。要するに、売れセンのクルマがローカルとグローバルでは異なる、という問題だ。

 ホンダは日本の自動車メーカーの中でもっとも早く海外展開した会社だけに、そのヒズミは年々拡大するばかり。

 北米や中国では大型セダンやSUVが売れているけど、日本市場はずーっと軽自動車のN-BOXが稼ぎ頭。本来販売の中核を担うべきフィットの意外な不振なども手伝って、中間を埋める車種が手薄になって久しかった。

■やっと欲しかったカテゴリーのクルマが登場した!

WR-Vは直4、1.5Lガソリンエンジンを搭載するFFのみの設定。バリエーションを絞ることでコストを圧縮し、209万8800円からというバリュー感の高い価格とすることができたという側面もある

 しかし、待たされた甲斐はあったと言っていい。待望のニューモデルWR-Vに試乗してみて、「コイツは日本のマーケットをよーく研究してるぞ!」と感心することしきり。少なくとも、販売の現場がいちばん待ち望んだ商品となっているのは間違いない。

 まず、狙ったターゲットが的確だ。世界的にSUVが多数派となって久しいが、日本市場はただSUVであるだけではダメで、やや小さめでお手軽価格という条件がつく。

 そういう意味で、全長4325mm、全幅1790mmの車格感で約210万~250万円という価格設定はどストライク。これまでのホンダ車に欠けていた「お買い得感」がすごくある。

 サイズ感としては全長はヴェゼルとほぼ同じ。ZR-Vよりは245mm短く、キックスやヤリスクロスよりも大きい。フロントマスクにボリューム感があり、実際のサイズよりも“立派”な佇まいで、存在感がある。

■ホンダアジア圏開発拠点の共同プロジェクト

インパネは最近のホンダ車が取り入れている水平基調とは異なる造形。けっしてハイクオリティではないが、インパネの樹脂やドアトリムなど「安っぽさ」を感じさせない仕上げは嬉しい

 もちろん、コストダウンは自動車メーカーにとってもっとも難しいテーマだから、ここは大いにアタマを絞っている。

 開発拠点はタイ、生産拠点はインドと、ホンダのグローバルリソースをフル活用。実走テストもタイのテストコースで走り込んで仕上げたという。

 この堂々たるスタイリングのSUVが、N-BOX並みのエントリー価格で手に入るというのはなかなかインパクト大。販売の現場は大いに活気づいているに違いない。

 一方、インド生産というと「品質は?」という懸念を持つ人もいるかもしれないが、この点もむしろ「予想以上にグッド」と評価できる。今や、生産国がどこかということは気にする問題じゃないと確信した。

 さすがに最廉価版の“X”は鉄チンホイールなど質素だが、その上の“Z”なら17インチアルミホイールをはじめとして装備類には基本的に不足なし。内外装のクオリティについても、ロッキー/ライズを上回る水準にある。

 さらなるサプライズは、走りのクオリティが予想以上に高いことだ。

 パワーユニットは何の変哲もない1.5L(118ps/14.5kgm)純ガソリンエンジンとCVTの組み合わせだが、活気ある吹け上がりフィールと巧みなCVT制御が相まって「やっぱしホンダのエンジンはイイね!」と言いたい爽快感がある。

 ハンドリングについてもしかり。まず感心するのは電動パワステ(EPS)の操舵感が上質なことで、ここはロッキー/ライズの弱点だっただけに優位性を実感する。

 乗り心地と操安のバランスも、お手本どおりの優等生だ。早いステア操作で左右に揺さぶってもボディ上屋は必要以上にグラつかず、後輪のグリップ感が怪しくなることもない。

 普通に走れば基本はマイルドで安全志向のハンドリングだが、緊急回避時のフットワークやスタビリティにもバランスよく目配りされたセッティングと評価できる。

 日本の自動車メーカーは日本市場で頑張ることでブランド価値が高まるというのがぼくの持論。「やればできるじゃん、ホンダ!」とエールを送りたいと思います。

■Check Point!

ホンダセンシングは最新バージョンを搭載

●ホンダセンシングは最新バージョン

 ホンダセンシングはフロント単眼ワイドビューカメラと前後8つのソナーセンサーを使用した最新バージョンを全モデルに標準装備。衝突軽減ブレーキ、歩行者事故低減ブレーキ、ACCなどの機能を有する。

●後付けパーキングアシスト……これ、メチャ使えます!

 ホンダ純正アフターパーツを開発するホンダアクセスの「リアカメラdeあんしんプラス4」は、標準装着のリアカメラを活用し、画像解析技術によって後退駐車サポート機能を実現。このほか後方死角サポート機能などもあり、実用的だ。

●ホンダ WR-V(Z)主要諸元
・全長:4325mm
・全幅:1790mm
・全高:1650mm
・ホイールベース:2650mm
・最低地上高:195mm
・最小回転半径:5.2m
・車両重量:1230kg
・パワーユニット:直列4気筒DOHC
・総排気量:1496cc
・最高出力:118ps/6600rpm
・最大トルク:14.5kgm/4300rpm
・モーター出力/トルク:―
・トランスミッション:CVT
・WLTCモード燃費:16.2km/L
・Fサスペンション:ストラット
・Rサスペンション:トーションビーム
・タイヤサイズ:215/55R17
・車両価格:234万9600円

こんな記事も読まれています

苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
くるまのニュース
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
レスポンス
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
レクサスの末っ子LBXに、次世代モダンインテリア空間を表現したElegantが新登場
レクサスの末っ子LBXに、次世代モダンインテリア空間を表現したElegantが新登場
カー・アンド・ドライバー
荷台が“伸びる”ダイハツ「斬新軽トラ」登場! “画期的”発想の「超ロングボディ仕様」がスゴい! まさかの「実車化」果たした衝撃のモデルでWRCをサポート
荷台が“伸びる”ダイハツ「斬新軽トラ」登場! “画期的”発想の「超ロングボディ仕様」がスゴい! まさかの「実車化」果たした衝撃のモデルでWRCをサポート
くるまのニュース
新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
くるまのニュース
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
くるまのニュース
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
Merkmal
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
ベストカーWeb
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
ベストカーWeb
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
AUTOSPORT web
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
AUTOSPORT web
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
ベストカーWeb
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
AUTOSPORT web
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
AUTOSPORT web
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
ベストカーWeb
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
AUTOSPORT web

みんなのコメント

51件
  • カズンカズン
    ほんとのWR-Vが欲しかった、もう一回り小さいWR-Vが海外で売ってるのに、、、、残念です。
  • kin********
    ゼヒ4WDを!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

209.9248.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

190.0330.0万円

中古車を検索
WR-Vの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

209.9248.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

190.0330.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村