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徐々にスペシャル感が薄れ消滅! センチュリーの対抗馬だった「プレジデント」の残念すぎる歴史

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徐々にスペシャル感が薄れ消滅! センチュリーの対抗馬だった「プレジデント」の残念すぎる歴史

初代セドリックのポジションを引き継いだプレジデント

 和暦でいうと昭和40年(1965年)10月、日産のまったく新しい最高峰セダンとして登場したのがプレジデントだった。トヨタ・センチュリーの登場は1967年のことだから、プレジデントのほうがひと足先の誕生ということになる。

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 センチュリーがクラウン8に代わるフラッグシップだったように、プレジデントも、それまで初代セドリックの上級モデル(=スペシャル。2.8Lエンジンを搭載し、標準モデルよりホイールベースが長い3ナンバー車だった)が担ってきたポジションを引き継ぐ役割が与えられた。

 なおプレジデントが登場した翌年の1966年、日産とプリンスの合併が発表された年の東京モーターショーでは、御料車のニッサンプリンスロイヤルが公表された。だが、このクルマは日産と合併前のプリンスが制作したクルマだった。

 プレジデントといえば(センチュリーもそうだが)、庶民にとっては高嶺の花どころか雲の上の存在も同然だった。余談になるが、父親が国鉄職員(当時)で官舎住まいだった根っからの庶民の筆者も、セドリック、クラウンであればタクシーやハイヤーで乗せてもらう機会があり、それはそれで大はしゃぎだった。だが、さすがにプレジデントには実生活上で接する機会はなかった。

 だからだったのか、自分のミニチュアカーのコレクションのなかに、スポーツカーやG・ジウジアーロデザインのクルマに混じって、プレジデントとセンチュリーは集めてあった。どちらも“ダイヤペット”の43分の1モデルで、ボンネットとトランクだけでなく、ドアが4枚とも開閉するギミックがたいそう嬉しかったことを覚えている。

天然の起毛ウールの表皮や“からみバネ”の採用

 さてカタログの写真だが、あいにく初代の単独のカタログは手元にはなく、最古のものとしてあったのは1972−73年の東京モーターショーのパンフレットより。“プレジデントD仕様”とだけ説明がついており、ということはV8の4Lエンジンを搭載し、フル装備の最上級グレードということになる。

 2代目の登場は1973年のことだった。とはいえ、初代の写真と見比べていただければ一目瞭然のように、基本的に初代をベースに大改良を施したモデル。外観上では、フロントグリルを独立させ中央部を尖らせたマスクが、ひと目で新型とわかる。

 それだけではなく、じつはトランクルームの拡大を目的に、おもにリヤのオーバーハングも初代から延長されたのだった(全長が200mmほど伸び、大半がトランクの拡大分に充てられた)。この世代からは単独のカタログが手元にあるのでページを捲ってみると、搭載エンジンはV8の4.4L、当時の日産の排出ガス清浄化システムのNAPSを採用していた。

 シートには、国産初という天然の起毛ウールの表皮や“からみバネ”の採用などが謳われているほか、除湿や頭寒足熱の温度分布が得られるマルチエアコン、ワンタッチパワーウインドウ、後席用シガーライター&灰皿、読書灯などが紹介されている。インパネでは横型のスピードメーター、コラムシフトなども目に止まる。当時としては最上級の設えが施されたクルマだった。

専用デザインを採用した3代目

 1965年に初代が登場し、事実上の初代がベースの改良版だった2代目まで25年の役割をまっとうしたプレジデントは、1990年に3代目に切り替わった。そう来たかぁ……と思わせられたのは、前年の1989年11月に登場したばかりだったインフィニティQ45のいわばストレッチ版として登場したことで(開発主管も同じだった)、グリルレスだったQ45にフォーマルサルーンらしいフロントグリル付きのマスクが与えられるなどしてデザインを専用化。

 2代目に対しホイールベースを180mm伸ばして3030mmとし、リヤの居住性が一層高められた。シートにはコノリーレザー(オプション)やシルクウール(花柄紋様絹糸織り込みウール)仕様を設定。サスペンションは4輪マルチリンク式油圧アクティブサスペンションを標準としていた。

 さらに1992年になると、ホイールベースをインフィニティQ45と共通の2880mmとしたプレジデントJSを追加設定。このモデルはBBSホイールを用意するなどして、パーソナルユースを意識した設定だった。話がややこしいがインフィニティQ45の初代最終型(2代目はシーマと統合された)は、1993年のマイナーチェンジを機にプレジデントとは別となる、よりスリムなデザインのフロントグリルとヘッドライトが与えられている。

シーマ(4代目)と事実上共通のモデルだった4代目プレジデント

 そしてプレジデントは2003年にフルモデルチェンジとなり4代目に進化。このモデルは2001年に登場した4代目シーマと事実上共通のモデルで、ホイールベース(2870mm)なども同じだった。ただしエンジンはV8の4.5Lのみの設定とし、後席をセパレート化した4人乗りも用意するなどしていた。エレガントな方向性のフロントグリル、ボディ側のみに置いたテールランプなどは専用デザインだった。この4代目プレジデントは2010年までで役割を果たし終えた。

 そしてまたもややこしいが、2009年に登場した2代目フーガのロングホイールベース版であるインフィニティM35hLの日産車版として、2010年から間を空けて2012年に復活した5代目シーマが、事実上のそれまでのプレジデントの後任となった。安定のトヨタ・センチュリーとは対照的な道を辿ったクルマだ。

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みんなのコメント

26件
  • 2代目はそれなりに対抗できていたものの、3代目以降は素人目にも「やる気」が感じられませんでしたね。
    ハリボテでも、せめてシーマともう少し差別化出来ていればと思わずにはいられません。
  • 企業向けってだけでなく、都道府県知事などの移動用としての重要がある車種でもあった。
    残念ながら、このクラスの車は買い替えると反発が激しく、近年はアルファードなどのミニヴァンへと移っていった。
    残ったセンチュリーもトヨタだから生産が維持できるのだろうが、これもいつまで続いていくのだろうか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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