フルコンのセッティングまで自らこなす!
筑波タイムアタック歴約3年でランク入りを実現
このやる気に満ち溢れたランエボIV(BTRエボ4)は、日本一熱いタイムアタックイベント『Attack筑波』の若手限定カテゴリー「U29(29歳以下)クラス」で、最速の座に君臨するチューンドだ。
ベストタイムは55秒842(2023年2月28日)。29歳の若きアタッカーがこの記録をマークしたこと自体驚きだが、オーナーの“おおとり”さんは、マシンメイクも自らの手で行ういわゆる“メカドラ”だったりする。末恐ろしいニューカマーの登場というわけだ。
「子供の頃からランエボ4が好きで、18歳で免許を取ってすぐに買いました。エボ乗り同士のSNSの繋がりからサーキット走行会に顔を出し始めて、筑波のタイムアタックに取り組み出したのは3年ほど前でしょうか。どんどんエスカレートして、ここまで割り切ったクルマになってしまいました(笑)」と話すのは、オーナー兼プライベーターの“おおとり”さん。
エンジンは後継モデルとなるランエボVIIIの4G63をスワップし、そこにランエボIXの純正タービンを組み合わせて380psまでブーストアップ。メタルガスケットと強化ヘッドボルト以外はノーマルという、非常にライトな仕様だ。なお、エンジン載せ替えこそショップに依頼したものの、フルコンLINKでのセッティング等は全てDIYで行なっている。
現在のタイムアタックシーンにおいて380psは完全にローパワーの部類に属するが、それでも55秒台をマークする速さ秘訣、それは軽さだ。
室内はドンガラのシングルシート仕様とし、ペラペラのダッシュボードカバーに必要最低限の追加メーターをセット。さらに全ドアパネルもファイバー製に置き換えるなどして、車重は1069kgまで絞り込まれているのだ。
ボディ補強も抜かりなし。サイトウロールケージ製のクロモリ6点式+フロントサイドバーに加えて、ドア開口部には多数のリベットが打ち込まれている。
前後のサスペンションメンバーも純正から30kg近い軽量化を可能にするレースファブ製に交換。マフラーはRSE製のフルチタンを投入する。
足回りはオーリンズ製の車高調(F20kg/mm R18kg/mm)を軸に構築。スプリングレートは比較的硬めの設定だが、これはスタビレス仕様でコーナリング時のロールを抑えるためのセッティングとのこと。ブレーキは前後ともにランエボIXの純正ブレンボを流用して強化済みだ。
フェンダーはフロントがステージ21製ワイド+汎用オーバーフェンダー、リヤがバリス製ワイドという組み合わせ。ホイールはAMEのトレーサーGT-V(FR10.5J+15)、タイヤはアドバンA050(FR295/30−18)を履く。
空力はフロントにガレージカゴタニ製アンダーウイング、リヤにエスプリ製GTウイングをそれぞれセットしてダウンフォースを増強。特にフロントのカゴタニ製アンダーウイングは、絶大な効果を体感できるアイテムだったそうだ。
“おおとり”さんが掲げる目標タイムは55秒4。残念ながら今シーズンでの実現は叶わなかったが、速さとしてはすでに第二世代ランエボ最速の“UNLIMI栗坊号エボ6”(55秒570)を射程圏内に捉えている状況だ。プライベーター仕様で速さをどこまで突き詰められるのか、今後の動向が見逃せない一台と言えるだろう。
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PHOTO:Daisuke YAMAMOTO (山本 大介)
●取材イベント:Attack筑波2023
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みんなのコメント
よほどコーナーで稼いでるのかな
コレだけクルマに熱中できるのはいいよね。