一部改良を受けたホンダ「フィット」に追加されたスポーティな「e_HEV RS」に小川フミオが試乗した。
“和製フォルクスワーゲン ゴルフGTI”
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マイナーチェンジを2022年10月に受け、パワーアップしたホンダの新しいフィット。新設されたe:HEV RSは、おとなっぽい走りが楽しめるモデルで、“和製フォルクスワーゲン ゴルフGTI”といったおもむきもある。
2019年に発売された4代目フィット。今回のマイナーチェンジで排気量が1.3リッターから1.5リッターにアップ。眼目はバリエーションの充実にあるようで、好例は「走りの質にこだわった」(ホンダ)という「e:HEV RS」(以下RS)なのだ。
e:HEVというパワートレインは、ホンダ独自のもの。エンジンと、駆動用と発電用の2基の電気モーターの組合せ。エンジンは、通常は駆動用バッテリーの充電のために動き、高速など負荷が強い(アクセルペダルの踏みこみ量が多いとか)ときのみ駆動に使われる。
RSは、シャシーこそシリーズ全体と共用であるいっぽう、ドライブモードに「スポーツ」を新設すると同時にパワーの制御ロジックを変更。あわせてサスペンション・システムに手をいれ、スプリング、ダンパー、前のスタビライザー、それにブッシュを専用とした。
「狙いはRS(ロードセーリング)の味を出すことにありました」
開発を担当したチーフデザイナーの奥山貴也氏は語ってくれた。
「やたらスポーティな走りに特化するのではなく、乗る方とクルマとの一体感を追求しました。すべての道で、全方位的に調和のとれた乗り味が持ち味だと思っています」
カーブを曲がっていくときは、めったやたらに楽しくても、乗り心地が硬くて、ふだん使いだと疲れてしまう……そういうクルマにしないよう心がけたのだそう。
試乗したe:HEV RS。前輪駆動のみの設定。操縦すると、「なるほどそのとおり!」と、思った。
トルクがたっぷりあるモーターのおかげで発進は力強く、アクセルペダルを踏み続けると、ぐんぐんと息つぎなどなしに高速まで加速していく。驚くほどのなめらかさだ。
サスペンションは専用であるものの、けっしてスポーツ性能に特化した感じはない。高速道路や一般道を流れに乗って走るときは、しなやかに動き、路面からの突き上げはていねいに吸収してくれるかんじだ。
いっぽう、カーブを曲がるときは、車体の傾きを抑え、安定した挙動を見せてくれる。前出のチーフエンジニアの言葉どおり、ステアリングはやたらクイックだとか、そういうことはないのだけれど、とくに高速道路の本線合流時にあるカーブのような中速コーナーだと、車体の反応はいいし、トルクがしっかり出るし、「なるほどこれが一体感か」と、思わせてくれる。
フィットはもっとおもしろくなりそうだRSが真価を発揮するのは、もうひとつ、高速でのクルージングだ。モーターからエンジンへのバトンタッチがされても、ほとんどわからない。山岳路で強めに踏んだときはさすがにやや耳につくこともあったけれど、ふだん使いではまったく気にならない。
加速はモタつきがいっさいなく、みるみる速度が上がっていくのは驚くばかり。高速巡航では、乗り心地もしっかりしていて、フワフワしたかんじはいっさいなし。操舵感も同様。欧州で販売するだけあって、ドイツ車と競合できるぐらい、しっかり感があると私は思った。
ベースが150万円台からあるフィット(ガソリン仕様ふくむ)なので、ドアの閉まり音など、どうしても、いまひとつ上質感が足りない部分はある。そこは残念だけれど、ふだん乗っていて飽きはこない。
同時に登場した「e:HEV LUXE」(革内装)など、従来と基本がおなじモデルも、よく走る。RSに対し、足まわりの設定がやや快適に感じられたものの、不快な揺れは抑えられていて、今回のマイナーチェンジでも「基本はほぼ変えなかった」(チーフデザイナーの奥山氏)という理由がわかる気がした。
RSは燃費がリッターあたり27.2km(WLTC)というのも、かなりなもの。価格は234万6300円となる。そのほかのフィットe:HEVは「BASIC」(199万7600円~)、「HOME」(217万5800円~)、「CROSSSTAR」(242万2200円~)、そして「LUXE」(249万9200円~)。
RSは、近い将来、ガソリン・エンジンを搭載したモデルが追加になるとか。「そのさきにもっとパワフルなモデルだってあるかもしれません」
さきのチーフエンジニア、奥山氏はクルマ好きとして気になることを口にした。
フィットはこれからもっとおもしろくなりそうだ。でも、いまe:HEV RSを買っても、損した気にはならないと思う。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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