見るからに丈夫そうな各部のつくりをボディ下面から確認
ジムニーを初リフトアップ。まずはすべてのオイル交換をして、安心して慣らしドライブを行うことにした。新型ジムニー 「XC」 5MTが無事に納車され、まず真っ先に行ったのがオイル交換だ。これは以前、ディーラーに勤めていたメカニックの友人に「新車は納車後、すぐにオイル交換して、それから慣らし運転を始めた方がいいよ」とアドバイスを受けて始めたことだ。試しにメーカーから到着した車両からオイル交換をしたところ、たくさんの鉄粉が出たことからそのように勧めているらしいのだが、確かにその方が長く大切に乗るためには良さそうだ。
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早速リフトで持ち上げてみて、まず驚いたのは、シャシーの作りの良さだ。ラダーフレームに3リンクリジットアクスル式サスペンションだということは理解していたが、サスペンションアームや補強されたシャシーはどのパーツも作りがしっかりしていて、見るからに丈夫そうだ。長年の経験から、マフラーの取り回しや壊れやすいパーツの取り付け位置など、隅々まで配慮が行き届いており、機能美すら感じさせる。
フロントのリサーキュレーティングボール&ナット式ステアリングは切り始めの鈍さに少々慣れが必要。ノーマルなのにステアリングダンパーが標準装備されている。悪路での走破性を高めるために前後オーバーハングには余計なものはなく、フロントはラジエターとラジエターファンが高めの位置にセットされているから、破損の可能性は低いし、多少水に浸かっても走行できるのが頼もしい。アプローチアングルは、とても大きい。
ステアリングはリサーキュレーティングボール&ナット式でシンプルな構造だが、コストのかかるステアリングダンパーが標準装着されている。リヤはタイコが薄いマフラーがボディに埋め込まれているかのような感じで、上方奥へ装着されているので、こちらもデパーチャーアングルをかなり稼いでいる。
エンジンオイルは化学合成100%をセレクト
オイル交換はエンジン、ミッション、デフのすべて行った。走行200km程度だが、エンジンオイル交換すると確かに大きな金属粉が混じったようなキラキラした色で、交換してよかった。それでも最近の新車らしく、10年前のクルマとは比べ物にならないくらい少ない。エンジンオイルにはMOTULの最高級オイル300V パワーレーシング 5W30を使用した。
エステル系化学合成100%オイルを使用するなんて贅沢に感じるかもしれないが、軽自動車のターボは僅か660ccから、最高出力64PSものパワーを引き出す、リッター当たり100psに迫る超高性能エンジンだ。しかも限られたパワーをフルに引き出して走る機会が多い。街中でもフル加速、レブリミット近くまで引っ張る機会も多いのだ。坂道では高回転をかなりの時間キープし、高速走行では約100km/hで3800rpmとエンジン回転数高めでキープする。
馬力に対する車重は1030kgとやや重く、4名乗車でフル加速するなど、軽自動車のエンジンはかなり過酷な状況なのだ。だから大切にするなら、普通車ではサーキット走行するかのような高級オイルを使用してあげたいと考えた。オイルフィルターも同時に交換した。
頑丈そうな3リンク式リジットアクスル。プロペラシャフトも丈夫そうだ。こうしてみると縦置きエンジンでFRレイアウトを基本とするパートタイム4WDであることを再認識する。ミッションオイルにはMOTUL GEAR300 75W90という硬さのオイル。比較的柔らかく、高負荷にも耐えられるタイプだ。こちらも鉄粉の量は少なかった。デフオイルに関してはフロントデフ、リヤデフ、そしてセンター部にある4WDへと切り替えるトランスファーオイルの3箇所交換なのでかなりの容量を使う。使用したのはMOTUL 90PA(SAE90)というシングルグレードのオイルでやや粘りがあって固めだが、デフオイルとして定評がある。
デフオイルこそはきっとかなり鉄粉があると予想したが、こちらも抜いてみると鉄粉は少なく、これから新車が納車されるという方は、エンジンオイルはすぐに交換が効果的だが、ミッション、デフのオイルは慣らし走行を終えた後でも十分間に合う。スズキの生産精度の高さを感じた。
そしてオイル交換するとやはりエンジンは俊敏なレスポンスになったし、ギヤの入りも調子が良い。これで安心して慣らし走行ができる。徐々に回転を上げていき、走れるのが楽しみだった。
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