現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 友人から譲ってもらい40年! 日産「スカイラインRS」のドッカンターボでクラッシュの思い出も…ボディはフルFRP化して一生乗り続けます

ここから本文です

友人から譲ってもらい40年! 日産「スカイラインRS」のドッカンターボでクラッシュの思い出も…ボディはフルFRP化して一生乗り続けます

掲載 9
友人から譲ってもらい40年! 日産「スカイラインRS」のドッカンターボでクラッシュの思い出も…ボディはフルFRP化して一生乗り続けます

40年間、一度も車検を切らずに乗り続けるスカイライン

旧車が好きな理由は人それぞれ。例えば、それが好きで乗り続けたクルマが時の経過とともに古くなってしまったとか、現代のクルマにはない個性的なスタイルに魅力を感じるとか、はたまた、アナログ感がたまらなく好きでダイレクトな運転感覚を求めて、なんて人もいることでしょう。ここで紹介する日産DR30型「スカイライン」乗りの中津畑信弥さんは、新車で購入した友人から譲ってもらったDR30を40年間、大切に維持し続け、現代流のアレンジを加えながら乗り続けている人物。そのポリシーは、あくまでもスタイリングは純正にこだわり、経年劣化でヤレた箇所を修復しつつ、この先の未来につなげるチューニングを施すことでした。

日産「ケンメリGT-R」はトヨタ「2000GT」より貴重な車だった! 1億円を超えるプライスも納得の理由を説明します

速さを宿命づけられたスカイラインの血統

日産「スカイライン」というクルマは歴代を振り返ってみても、特別な宿命を背負った特殊なクルマである。それは2代目S54型スカイラインGTが、日本グランプリでポルシェ「カレラGTS」を1周だけだが実際に抜いたことから始まった。この瞬間に、スカイラインはどの時代でも「速いクルマでなければならない」ことが存在意義となった。そのため、クルマとしてのパッケージングもそうだが、とくにエンジンについては、どんなモデルよりも先に高性能ユニットが与えられ、その舞台は主にサーキットへと目が向けられた。

オイルショック以降、長らくサーキットから遠ざかっていたスカイラインに、再びオイル臭さとモーターファンの歓呼の交じり合う場所への復帰をもたらしたのが6代目DR30型のスカイラインRSだった。

1981年8月に新しい時代のスカイライン像を打ち立てるべく、伝統のサーフィンラインを捨てたスタイリングへと一新したDR30型スカイラインは、同年10月に最強モデルと呼べるRSが加わったことで特別な1台として存在感を大きく示す。中でもパワーユニットである2L 4気筒4バルブDOHCエンジンは、スカイラインにとってGC110型スカイラインGT-R以来のDOHC 4バルブユニットとして注目された。エンジン型式はFJ20ET型で、その機構も画期的で、カムシャフトがダイレクトに吸排気バルブをプッシュするコンペティショナルな方式を用い、そのカムシャフトの駆動をダブルローラーチェーンで行うなど、開発当初からモータースポーツユースに照準を置き、さらにハイパワーを達成すべくターボチャージャーまでも搭載させる最強レーシングユニットとして設計された。

このDR30型スカラインRSにとってターボは代名詞でもあり、市販車においても、それを強く印象付けるべくサイドステップ上部に4VALVE・DOHC・RS-TURBOのデカールを配置してアピールした。

ドッカンターボのせいで、いきなりガードレールに衝突

ここで紹介する中津畑信弥さんも、じつは当時衝撃的なデビューを果たしたFJターボエンジンを持つスカイラインに魅了されてしまったという。もちろん、1982年に富士スピードウェイでレースデビューを果たしたスーパーシルエットRSの登場や、その後のサーキットでの大きな活躍も影響しているが、中津畑さんは、スタイリングよりもエンジンに対して凄く興味が湧き、どんな走りなのかを自らドライブさせて体験したいとずっと思っていたらしい。そんな時、たまたま友人が新車でDR30型スカイラインRSを購入。その友人は車検が切れたら手放すかもということで、秘かに狙っていた。そして、車検のタイミングで友人から特別にクルマを譲ってもらい、晴れてオーナーに!

しかし、喜んでいたのもつかの間、どんな加速をするのか試しにアクセルを踏み込むと期待していたよりも進まない。そこで、さらにアクセルを踏み込むと……一瞬の間をおいてからイッキに腰下から前方に持って行かれる強烈なドッカン加速! そのままテールスライドしガードレールにぶつかってしまった。

この時代、ターボ車はまだ珍しく、中津畑さんも当然ターボは未経験だった。そして、ターボラグなんて現象も知らないまま乗り、パワーの無いクルマと同じようにアクセルを踏み込んでしまったことが大失敗! すべてを知ったのはクラッシュ後だったと話してくれた。その後は、クルマのクセも掴んだので、事故を起こすことなく穏やかに過ごしたという。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

ボディはフルFRP化、エンジンはチューンしてマイルドに

このクルマを所有してから40年に達しようとしていた頃、ボディもヤレ、サビも増え、フェンダーの一部がクッキー状になりつつある箇所も多く見られるようになった。また、エンジンもオイルにじみが多くなり、オーバーホールが必要な深刻な事態に。そこで、リフレッシュをかねたオーバーホールをかけようと知り合いのショップに相談。ちょうどその頃に純正形状のFRP製カーボン外装があることを知り、純正の鉄板自体も傷みが激しかったので、鈑金で修復をするよりもFRPに頼った方が長持ちするという考えからエクスリアを可能な限りカーボンFRP化。その内容は多岐にわたり、フロントバンパー、フロントフェンダー、ボンネット、ドア、サイドステップ、リアバンパー、リアパネル等、ルーフとクオーターパネル以外はすべてカーボンFRP製になっている。ちなみに、このボディパーツはリスタード(Restored)製のキットということだった。

一方、エンジンについてはタービンも含めて基本的に純正のままだが、点火系と制御系が不安だったので強化品に交換。コンピュータはよりきめ細かなセッティングを出せるHKS製F-CON V Proに変更し、エアフロについてもトラブルの多いホットワイヤー式から圧力センサー方式に変更。さらに、スロットルはS13「シルビア」搭載のSR20DETTから流用することで高性能に磨きをかけつつ耐久性も考慮した。

このチューニングを施したことで、低回転域のトルク特性が格段に良くなり、ターボについても、FJ20ならではのドッカンターボ特性からマイルドな加速が味わえるように変化。面白味はなくなかったが、普段使いなら、今の仕様の方が圧倒的に乗りやすくて気に入っているそうだ。

現在、中津畑さんの年齢は70歳を迎えようとしている。そして、この年齢になるまで、DR30型スカイラインRSと一緒にさまざまな思い出を作り続けて来たので、このまま自分の愛車として、誰の手にも渡すことなく、大切に手を加え、乗り続けたいと思っていると話してくれた。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
Merkmal
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
ベストカーWeb
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
ベストカーWeb
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ベストカーWeb
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
ベストカーWeb
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ベストカーWeb
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

9件
  • lio********
    「FRPのほうが長持ち」は、どうかと思うけど。。。

    確かに錆には強いのだけど、同じ剛性や張りを出させようと思うと、同じ形状では成立しないし、樹脂分が増えてメチャメチャ重くなる。
    現車の画像をよく見れば判るとおり、シャープなラインは出しにくいし、角もモッサリで面もピタッと平面にはならない。

    日射や熱に対しての耐久性は、やっぱり鈑金。

    見てくれや細かな精度、強度や安定性よりも軽さに拘る競技車両なら大いにアリとは思いますが。

    考え方や優位付けは人それぞれ、掛けるお金や手間の大小は個人の判断だけどね。
  • TagameX
    よくR31はスカファンからそっぽを向かれたというが、31が現行型の頃は旧型の30などだれも見向きはしなかった。中古価格も50万円以下とかだった。
    よく当時を知らない者たちがデマを流して誤解を広めるが以上を真実の時代的背景として書き記す。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

456.9948.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.02050.0万円

中古車を検索
スカイラインの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

456.9948.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.02050.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村