イタリアのデザインにアメリカンV8を積んだスーパーカー
1970年代中ごろ、子どもたちの周りにあるさまざまなモノがクルマ関連グッズと化した空前絶後の「スーパーカーブーム」は、池沢早人師さんによる漫画『サーキットの狼』をきっかけとして巻き起こりました。当時の子どもたちを熱狂させた名車の数々を振り返るとともに、「今もし買うならいくらなのか」、最近のオークション相場をチェックしてみましょう。今回はデ・トマソ「パンテーラ」です。
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1万ドル弱という驚きの安さでデビュー
ミッドシップスポーツカーの「ヴァレルンガ」(1964年発表/フォード製直列4気筒エンジン搭載)、「マングスタ」(1966年発表/フォード製V型8気筒エンジン搭載)に続く、デ・トマソ3台目の市販車として1970年に発表された「パンテーラ」は、アメリカにおけるスーパーカービジネスを計画したフォードとデ・トマソの提携によって誕生した異色のスーパーカーだ。
ビッグメーカーであるフォードの要請でデ・トマソが生産し、フォードブランドのリンカーン・マーキュリーのディーラー網で売ることが計画されたため、年間販売台数5000台以上というスーパーカーとしては異例の数字が目標として掲げられた。
大規模プロジェクトであったため、シャシーの設計はランボルギーニから引き抜かれたジャン・パオロ・ダラーラが担当。シャシーは先代のマングスタではバックボーンフレームだったが、パンテーラは鋼板を溶接で組み上げたフレームビルトインタイプのセミモノコックが採用された。
エクステリアデザインは、当時デ・トマソの傘下であったカロッツェリア・ギアにオーダーしたが、チーフデザイナーのジョルジェット・ジウジアーロがすでに独立していたため、後任となったアメリカ人のトム・チャーダが担当した。
1万ドル切りの9995ドルというスーパーカーとしては安価なプライスで販売が開始され、1971年には1008台、1972年には1975台が生産された。計画台数には及ばなかったものの、当時の状況を考えれば上出来であった。
その後、デ・トマソは1973年の春にパンテーラの生産とすべての権利をフォードに売却。しかしオイルショックの影響もあり、1974年の生産台数はわずか572台だった。フォードは1975年にパンテーラの販売を中止。デ・トマソはパンテーラの生産とすべての権利をフォードから買い戻し、独自に生産/販売を続け、何度かのモディファイを実施しながら1990年代初頭までにトータルで7298台を生産したといわれている。
子どもたちには「ワルな人のスーパーカー」と刷り込まれた
スーパーカーブーム全盛時は、イタリア製のボディにアメリカ製の大排気量エンジンを搭載していたパンテーラが伊米合作車だったことに加え、デ・トマソの創業者であるアレハンドロ・デ・トマソがアルゼンチン出身だったので、一体どこの国のクルマなんだ? と思ってしまう子どもが少なくなかった。
パンテーラ・シリーズは、素のパンテーラ、ラグジュアリーモデルの「パンテーラL」、ハイパフォーマンスモデルの「パンテーラGTS」、グループ4仕様のスタイルを市販車に採用した「パンテーラGT4」、マッチョでワイルドな「パンテーラGT5」、ワイドでありながらもスマートなアピアランスの「パンテーラGT5S」がラインナップされたが、スーパーカーブームのときに注目されていたのはパンテーラGTSで、アメリカンV8エンジン、最高速度280km/h、ギアによるデザイン、ZF製5速ミッションという言葉が子ども向け自動車関連本の誌面に躍っていた。
スーパーカーブームのきっかけとなった池沢早人師さんによる漫画『サーキットの狼』の劇中において、パンテーラは暴走族の“極道連”や汚い手段を用いる“四国の獅子”の愛車であった。そのため、悪い人が乗るスーパーカーという印象が強く、1971年生まれの筆者もパンテーラと最高速度が同じであったマセラティ「ボーラ」はライトサイド(光明面)、パンテーラはダークサイド(暗黒面)だと認識していたものだった。
ダラーラによる設計の良さも再評価され、現在は1000万円オーバー
いまでもクリーブランドと呼ばれるフォード製V型8気筒351エンジンの排気音とトム・チャーダによるエクステリアデザインが大迫力ということもあり、パンテーラはほかのイタリアンスーパーカーと比較するとワルなイメージがあるが、ダラーラによる設計がレーシングカーに近い構成だったこともあり、熱心なマニアを中心として、その魅力が再評価されている。
再評価されたことでパンテーラの国際的な価格も上がっており、2022年3月にアメリカのフロリダ州でRMサザビーズが開催した「FORT LAUDERDALE」オークションでは、1972年式デ・トマソ・パンテーラが9万2400ドル(当時の邦貨換算約1140万円)で落札された。貴重な初期モデルは流通数が少ないため、このプライスなら十分にお買い得だといえるだろう。
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みんなのコメント
ヤタベで初めて300キロを越えたクルマだった
リアビューの迫力が凄い。