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「全てが違法改造だったあの頃」1983年、公認取得に成功した死喰魔(シグマ)カミナリZの勇姿【Play Back The OPTION】

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「全てが違法改造だったあの頃」1983年、公認取得に成功した死喰魔(シグマ)カミナリZの勇姿【Play Back The OPTION】

公認車検にこだわった「死喰魔(シグマ)」カミナリZ

すべてが違法改造だった1980年代前半の記憶

「見た目は綺麗なパンダトレノ・・・」その実はホンダF20C+スーパーチャージャー仕様で320馬力の超ジャジャ馬だった!

まだ、車検対応という言葉すら浸透していなかった1983年。マフラー交換も、ホイールやタイヤのサイズアップすらも違法改造と認識されていたあの頃。

そんな時代に、妖しげ(?)なメーカー名を掲げる「死喰魔(シグマ)」が、ワイドボディのカミナリZで公認取得を達成してしまったのである。このニュースは衝撃となって当時のチューング業界内を駆け抜け、OPTION誌も大々的に記事として取り上げた。

創成期のチューニングシーンに一石を投じた死喰魔カミナリZの勇姿を振り返っていこう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

グラマラスなボディが魅力!

エキサイティングカーショー(注;東京オートサロンの前身)への出展などで話題を集めた死喰魔のカミナリZが、ついに陸運局の認定を獲得した。これで、大手を振って、ストリートを走れるわけだ。

このカミナリZは、カリフォルニアの日産ディーラーから購入したキットパーツに、オリジナルモディファイを加えて完成させたもの。他にも、カリフォルニアでは、ジム・クック製やケントレーシングなどでカスタムキットを製作し、広く販売している。

街中での注目度は抜群。ポルシェ928に似たスタイルには、思わず目を引き付けられる。

公認されるまでは、様々な難関があり、死喰魔の竹内氏はひとつひとつ解決し、ついに、認定にこぎつけたのだ。中でも、最も難問とされていたのは、暴走族を助長する恐れがある、という当局の心配だ。この問題に対し、個人としての楽しみであるという理由で認められたのだが、製品すべてに対しては公認されなかった。その点、竹内氏は「3ナンバーの車幅には相当な余裕があり、問題ないハズ。また、全長やホイールベースに変更は無いので、認められないのがおかしい」と主張する。

リヤウイングは分割式。テールゲート開閉可能。空力特性がよく、このままサーキット走行のできるサイズだ。また、リヤフェンダーに合わせるように、ドアも膨らみがつけてある。また、サイドステップもイヤミのない大きさだ。

このカミナリZは、陸運局の意向により、東京都練馬陸運事務所で認可されている。しかし、この陸運事務所で竹内氏所有によるカミナリZは、もう公認しないという。だが、竹内氏所有でないカミナリZには、公認の道は残されているわけだ。だから、このカミナリZのパーツ購入と同時に、改造申請に必要な書類すべてが用意されており、購入者個人で申請する形式となっている。

どうして、このようになったのかといえば、前述した改造の目的理由が「個人の楽しみのためだから」である。

フェンダーアーチは四角になっており、非常に大きくオーバーハングする。リヤは10Jのホイールに265/50VR15のタイヤを組んで、この外観だ。

300km/hフルスケールのスピードメーターが猛々しい。

このキットが装着できる車種は、S130系すべてだ。マイチェン後のS130系でもOK。また、3ナンバー、5ナンバーも問わないし、2シーター、2by2もOK。しかし、認可されるかどうかは別問題で、現在、認可されているのは3ナンバーの2シーター2台。また、申請中として3ナンバーの2by2がある。

だが、恐れることはない。個人の努力によって公認が可能だし、必要なものすべてを死喰魔で面倒みてくれるのだから。あとは、レッツ・トライ!

改造申請に必要な書類一式。30万円也。図面を専門家に書いてもらうだけで、20万円かかるそうだ。

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理由はどうあれ、死喰魔カミナリZのこうしたアクションは当時としても異例。チューニング界が、徐々に“公認”を意識していくキッカケにもなったニュースである。

[OPTION 1983年6月号より]

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