7月の日本車 販売台数クイズ
text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)Q:2019年7月期の軽自動車の新車販売台数は、前年同月比0.6%減の15万8657台を記録。前年割れとなった主要因は?
A:軽自動車市場で高いシェアを占めるスズキの落ち込み。
スズキは4月に検査不正問題に伴う大規模なリコールを発表し、その立て直しに奔走している影響で、前年同月比11.2%減の4万3766台と大きく数字を落とした。ただし、ライバルのダイハツやホンダ、日産は数字を伸ばしていることから、軽自動車市場全体としての販売は堅調。
スズキ持ち前の創意工夫で苦境を乗り越えられれば、今後、前年実績超えを記録する可能性は十分にある。
7月の新車販売 2か月ぶりにプラス
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会がまとめた2019年7月の全体での国内新車販売台数(速報値)は、前年同月比4.1%増の45万9456台と2か月ぶりに前年実績を上回った。カテゴリー別では、登録車が同6.7%増の30万799台と2か月ぶりのプラス。一方で軽自動車は、同0.6%減の15万8657台と2か月連続でのマイナスとなった。
7月の登録車のブランド別新車販売台数では、新型RAV4や一部改良を行ったプリウスPHVなどの販売が好調なトヨタ自動車が前年同月比8.0%増(14万5600台)、車種強化を果たしたヴェゼルや一部改良を行ったシャトルなどのセールスが堅調なホンダが同13.7%増(3万4951台)、「マツダ+車格を示す数字」の新車名戦略を展開するマツダが同15.1%増(1万3972台)、改良モデルのフォレスターやレヴォーグなどを発売したスバルが同3.0%増(1万469台)、NXやRC Fのマイナーチェンジを行ったレクサスが同39.7%増(5144台)、ディーゼルエンジン仕様を加えたエクリプスクロスが注目を集める三菱自動車が同9.1%増(3771台)とプラスを達成。対して、日産自動車が同7.3%減(3万2722台)、スズキが同15.5%減(9460台)、ダイハツが同6.1%減(2941台)とマイナスに落ち込んだ。
軽自動車の7月のブランド別新車販売台数は、新型タントを発売したダイハツが前年同月比2.6%増(5万2329台)を記録して4か月連続でのシェアトップにつく。最大のライバルのスズキは同11.2%減(4万3766台)と苦戦し、前月と同様に第2位に位置。また、NボックスやNバンの販売が堅調なホンダは同3.1%増(3万1077台)、デイズを新型に切り替えた日産自動車は同16.6%増(1万8352台)とプラスを達成した。eKシリーズを新型に切り替えた三菱自動車は一服感が出ているようで、同15.9%減(4285台)と前年割れとなった。
7月の市場動向を分析
7月の市場動向について業界団体の関係者は、「7月期は新型車や特別仕様車を精力的に発売したブランドと、経営体制および生産体制の立て直しなどで新車の販売が思うように進まなかったブランドとの差が明確に表れた。結果的には前者が上回って、全体としては前年実績超えを成し遂げる。営業稼働日が前年より1日多かったことも影響しているようだ。登録車は新型車、とくに普通車の販売が好調で、2か月ぶりのプラスを記録。一方で軽自動車は、同市場で高いシェアを占めるスズキが大規模リコールの影響でマイナスに落ち込んだこともあり、2か月連続での前年実績割れとなった」と解説する。
今後の展開については、「受注状況としては新型車を中心に堅調で、また8月以降も販売台数を上向かせそうな新型車や特別仕様車が多数リリースされる予定なので、これらがどれくらいセールスを伸ばすかがキーポイントになる。一方、10月に実施予定の消費税増税に伴う駆け込み需要が、現時点では明確に発生していないのは気になるところ。販売の現場からは、“駆け込み需要は大きく起きないのではないか” という声も聞かれる」と分析。
「今回は駆け込み需要が寸前になって起きるのか、または政府の増税対策の影響などで駆け込み需要が限定的になるのか、そして消費税アップ後の販売の落ち込みはどれくらいのレベルになるのか--予断を許さないところだ。悪い数字が表面化し始めた最近の景況感、不安定さを増す貿易環境なども懸念材料」と指摘した。
ホンダNボックス 23か月連続トップ
7月の乗用車の車名別ランキングは、人気定番モデルの好調ぶりが目立った。首位に立ったのは一昨年9月に全面改良を行ったホンダNボックスで、全モデルの中で唯一2万台オーバーの2万4049台(前年同月比22.3%増)、しかも第2位以下とは9200台以上の差をつけて23か月連続でのトップにつく。
続く第2位には、3月に新型に切り替わった日産デイズが同26.5%増の1万4801台を達成して前月と同様にランクイン。また、第3位には7月にフルモデルチェンジしたダイハツ・タントが同35.6%増の1万4520台を成し遂げて1つ順位を上げた。この結果、11か月連続でトップ3を軽自動車が占有する。
続く第4位には、5月にPHVモデルの一部改良を行い、登録車の首位に立ったトヨタ・プリウスが同34.1%増(1万3137台)でランクイン。第5位には、同7.1%増(1万2688台)ながら2ランクダウンとなったスズキ・スペーシアが入った。また、登録車で第2位の日産ノートは同1.9%減の1万1044台で前月と同順位の第6位に、登録車で第3位のトヨタ・シエンタは同56.5%増(1万739台)で7ランクアップの第7位に、4月にキャンバスのリミテッド・シリーズ特別仕様車を設定したダイハツ・ムーヴは同1.5%増の1万346台で1ランクダウンの第8位に位置する。
トップ10を一覧すると、登録車が5車種で、残り5車種が軽自動車。この比率になるのは、2か月連続である。
注目のニューモデルの販売成績を見ていこう。
新型トヨタRAV4 好調
4月にフルモデルチェンジしたトヨタRAV4は月販目標の3000台を大きく上回る8646台を販売して第15位に、昨年10月に一部改良を行ったトヨタ・アルファードは同17.4%増(6288台)で第21位に、1月末に1.5L VTECターボエンジン搭載車を追加したホンダ・ヴェゼルは同7.1%増(5058台)で第23位に、5月にマイナーチェンジを実施したホンダ・シャトルは同190.1%増(3719台)で第31位に位置。
また、5月にアクセラから実質的な移行を果たしたマツダ3は3668台の販売を記録して第32位に、7月に一部改良を図ったスバル・フォレスターは同10.2%増(2955台)で第40位に、2月に大がかりな商品改良を行った三菱デリカD:5は同28.5%増(1412台)で第55位に入る。
さらに、昨年11月に発売したレクサスUXは1270台を販売して第60位に、昨年10月に登場した新型レクサスES300hは1178台を販売して第62位にランクインした。
なお、3月に一部改良を実施したトヨタ・ジャパンタクシーは同24.3%増の840台、昨年7月にデビューした新型軽バンのホンダNバンは月販計画3000台を上回る3811台の販売台数を達成している。
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