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ヤマハの隠れたヒット商品!? レクサスも純正採用する「パフォーマンスダンパー」はどんな効果があるのか

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ヤマハの隠れたヒット商品!? レクサスも純正採用する「パフォーマンスダンパー」はどんな効果があるのか

2024年、ヤマハパフォーマンスダンパーが総生産300万本を突破

2024年2月29日、ヤマハ発動機より「ヤマハパフォーマンスダンパー生産累計300万本達成」という発表があった(実際に生産を行っているのはヤマハ発動機の緩衝機器等の生産子会社であるヤマハモーターハイドロリックシステム)。

【画像6点】レクサスの採用車種例や、ヤマハパフォーマンスダンパーの構造を写真で見る

バイク好きの人ならば、「ヤマハパフォーマンスダンパー」がヤマハ純正アクセサリーとしてワイズギアから販売されているのをご存知かもしれない。

だが、それだけで300万本を売ったわけではない。

実はヤマハ車以外にも装着できるのだ。アクティブから「パフォーマンスダンパー®」という商品名で販売されており、ホンダ、スズキ、カワサキ、BMW、KTM用がラインアップされている。しかも、それらはヤマハ発動機の適合表に掲載されているので「公式」なのだ。

それだけでなく、四輪用としてもヤマハパフォーマンスダンパーは、COXをはじめGR PARTSやMUGEN、HKSなど様々なブランドからリリースされ、多くの車種に対応する人気のチューニングアイテムとして広く認知されている(レクサスの一部車種では標準装備となっている)。

「ヤマハパフォーマンスダンパー」は何をしてくれるパーツなのか

さて、パフォーマンスダンパーの役割は「ボディ変形を適正化する」ことにある。四輪ではモノコックボディの前後などに装着すること多く、バーのような構造からボディ補強アイテムと勘違いされることもあるが、けっして「突っ張り棒」ではない。ダンパーという名称からもわかるように、その主要コンポーネントは「高圧窒素ガス封入オイルダンパー」となっている。

サスペンションにおけるダンパーの役割はストロークによって伸び縮みするスプリングの振動を適切に抑えることといえるが、パフォーマンスダンパーはボディの変形に由来する振動を抑えることで、走り味や快適性などトータルに向上させることが期待できる。

ただし、サスペンション用ダンパーは目に見えるほどのストローク量に対応するためダンパー自体の動きも大きいが、パフォーマンスダンパーがターゲットとしているボディの変形は通常1mm以下の領域の話であり、当然ながら目に見えるほどの変形はない。そのためパフォーマンスダンパーのダンパーユニットは非常に短いストロークにおいて減衰性能を発揮できるよう設計されているのが特徴だ。

当初はクルマ用のパーツとしてスタート

おそらく、「パフォーマンスダンパー」という名前が初めて世に現れたのは2001年。この年にトヨタから限定300台で発売された「クラウンアスリートVX」に装着されたときだろう。その後、2004年にはトヨタ・カローラのスポーティグレードに標準装着されることで、パフォーマンスダンパーは広まっていった。

編集部註:二輪車では、2011年にヤマハがTMAX用純正アクセサリーに設定したのが最初。当時は「ヤマハパワービーム」という商品名で「世界初の二輪車用車体制振ダンパー」とアピールされた。

とはいえ、誕生当初はパフォーマンスダンパーの効果が理解されていなかったとも記憶している。いわゆる突っ張り棒のような構造であるボディ補強バーであれば、「もっとシンプルかつ安価にボディの変形を抑えることができる」という見方もあった。

タワーバーとは目的や効果が違う

しかしながら、タワーバーなどの補強アイテムを付けたことがあればわかるように、特定のポイントを補強してしまうと、別の弱い部分が変形してしまうこともある。前後のサスペンションにタワーバーをつけたことで、ボディ中央のフロア部分の弱さが露呈、そこも補強するといった、イタチごっこになることも多い。

また、金属パイプなどで補強しても変形しづらいだけで完全に変形を抑えることは難しい。そのため限界を超えたところで「溜まった力」が抜けるような唐突な挙動を見せることもある。量産レベルの金属製ボディであれば、適切に変形させ、入力をいなすほうが乗りやすく、快適性も高いといえる。

その効果をひと言で表現すると、ボディ設計の狙いをワンランク上げてくれるもの、といえる。ハードな走りを目指したスポーツカーであれば、クイックなハンドリングなどに効果を感じることができるし、高級サルーンでは静粛性や低振動といった快適性において効果を発揮する。SUVやミニバンにおいてもパフォーマンスダンパーは有効であるし、ボディの振動を抑えることから、オーディオの性能を引き出す効果も期待できる。

ヤマハパフォーマンスダンパーは、車体設計をレベルアップしてくれる。つまり、エンジン車からEVへシフトしたとしても、そのニーズがなくなることはないだろう。累計300万本を超えたというが、とくにEVでは静粛性への要求レベルが高くなる傾向にある。パフォーマンスダンパーをつけるクルマは、どんどん増えていきそうだ。

レポート●山本晋也 写真●ヤマハ/モーサイ編集部 編集●上野茂岐

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