■トヨタ「ヤリスクロス」最安モデルは意外と穴場!?
「クルマが高くなった」という言葉がよく聞かれるように、近年は物価の上昇や半導体の不足、安全装備の標準化など様々な理由から、新車価格の上昇が見られます。
そんななかトヨタの人気SUV「ヤリスクロス」を見ると、車両価格200万円を切る、驚くほど安価なグレードも存在。一体どのような内容のモデルなのでしょうか。
【画像】「えっ…!」 これが新型ヤリスクロス「最安グレード」です(23枚)
ヤリスクロスは、コンパクトカー「ヤリス」の軽快な走りや先進運転支援技術、低燃費という魅力を受け継いだ都市型コンパクトSUVとして、2020年8月に登場。
ヤリス同様に、コンパクトカー向けTNGAプラットフォームを採用し、小型ながら存在感のあるプロポーションが特徴です。
パワートレインは、1.5リッターガソリンエンジンに加えて1.5リッターハイブリッドシステムを用意し、駆動方式はFF(前輪駆動)と4WD(四輪駆動)を設定します。
直近の2024年1月17日には一部改良を実施し、より力強いデザインのフロントグリルを採用したほか、内外装のデザインも変更。
機能向上などを図るとともに、ボディカラーに新色「マッシブグレー」を追加しています。
そんなヤリスクロスの最も安いグレードは「X ガソリン車」2WDモデルで、車両本体価格は190万7000円(消費税込)と200万円を切る価格設定。
トヨタの公式サイトでは“シンプルで扱いやすいエントリーモデル”と紹介されているグレードで、装備や機能を必要なものに厳選することで価格を抑えていることが分かります。
このグレードの外観を見ると、まずルーフはボディ同色となり、ヤリスクロスの特徴であるブラックアウトされた「ツートンカラー」は備わりません。
また、ヘッドライトはLEDではなくハロゲン式。アルミホイールも装備されず、いわゆる“鉄チン”と呼ばれるスチールホイールにホイールキャップが装着されているのみ。
さらに細かく見ると、フロントグリルにはピアノブラック加飾が行われず樹脂整形された黒いものを装備します。
ドア下のモールディングは車名プレートが省かれ、リアバンパーの下部も塗装されず黒い樹脂タイプとなるなど、質素な仕上がりとなっています。
では内装はどうでしょうか。
ステアリングやシフトノブは本革巻きといった装飾が一切無いシンプルなウレタン製で、エアコンはダイヤルで調節するマニュアル式。
フロントシートはヘッドレストと一体化され、他グレードに見られるコンソールボックス付きのアームレストも備わりません。
そのほかリアシートは「4:2:4分割可倒式」でなく「6:4分割可倒式」となり、シートアレンジの幅も狭まります。
なにより、ダッシュボード中央に備わる「ディスプレイオーディオ」が装備されないため、その場所は小物入れに使えそうな棚が鎮座しています。
ここまでは上級グレードと比較して無いものばかりが目立ちますが、他グレードとの目立つ違いはこの程度ともいえます。
必要なものはしっかり装備しているので、ドアミラーは電動格納機能や補助ミラー付きのLEDサイドターンランプ内蔵式、テールランプもLEDタイプと、視認性や安全性の高いアイテムが備わります。
また、メーターはデジタル式で、7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイも採用。
なにより、この価格でありながら衝突を回避する先進安全機能であるプリクラッシュセーフティ(歩行者・自転車・自動二輪車検知機能付)などの「トヨタ セーフティ センス」を標準装備しており、必要にして十分と捉えることもできます。
樹脂製の無塗装グリルやリアバンパー下部は、SUVらしいタフネスさを感じられるデザインで、ハロゲン式のヘッドライトはLED式よりも積雪による視界不良に強いという見方も可能。
このように考えると、190万7000円のヤリスクロス(X ガソリン車 2WDモデル)は、通勤や通学、日常的な買い物などクルマを近距離で実用的にガンガン使用する人にこそオススメできる、最適なお買い得グレードと言えるのかもしれません。
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みんなのコメント
トヨタはBEVで出遅れた分、数年後の売上げ減を予想して派手に売り捌いてるが、かなり危機感もってる感じだな。