素性の良いミライースを使って
ダイハツは東京オートサロン2025に、『お客様に寄り添い、暮らしを豊かにする』取り組みとして、『モータースポーツのすそ野を広げ、走る楽しさをみんなのものに』と『地域に寄り添い、日々の暮らしを守る』をテーマに計7台のクルマを出展。そのうち特徴的なクルマ達を紹介しよう。
【画像】東京オートサロン2025のダイハツ・ブース出展内容 全7枚
まず気になるのはミライースをベースに、ターボと5速MT化した『ミライースGRスポーツ・コンセプト』だ。ダイハツはトヨタGAZOOレーシングから暖簾分けされる形で、ダイハツGAZOOレーシングとしてモータースポーツ活動を行っている。その中にミライースをベースにターボ化し5速MTに換装した、ミライースモータースポーツ参戦車があり、これを市販化したらどうなるかというコンセプトモデルなのである。
ミライースは「1円、1mm、1gにこだわって開発したクルマ。非常にベーシックで軽量、燃費も良く、パワフルなユニットと5速MT化することで全日本ラリーも多少の装備で十分に行けた。そこでそのまま市販化出来るのではと考えた」と説明するのは、ダイハツGAZOOレーシングで商品企画を担当する殿村裕一さん。また、「軽やAセグで楽しいクルマが少ないのでそこも担えるかもしれない」という。
パワートレインはコペンのユニットやタントなどから流用。4シーターなので、「通勤から買い物、週末のドライブからモータースポーツまで全部できる」と殿村さん。「GRのデザインフィロソフィー、特にモータースポーツでも通用する空力に配慮したデザインも採用している」と述べ、会期中はアンケートを実施し、「皆さんの期待をそこに打ち込んでほしい」とのことで、結果次第では市販化も叶いそうだ。
またもう1台、『ハイゼットジャンボエクステンド2』も展示。実際のモータースポーツ活動に帯同しており、選手の着替えやミーティングなどにも使用されている。
3Kのうちのふたつは格好良いのKと絆のK
地域に寄り添うという視点では大きく3台紹介したい。まず1台は工事現場などで使用されるクルマだ。ダイハツでは『Nibako』と呼ばれる、物販用の箱をハイゼットに積載した移動販売車をレンタルできるサービスを実施。これをベースに建機リース会社に実験的に貸し出しているのがこのハイゼットトラックツールベースで、Nibako自体に新たに手を入れた仕様だ。
この背景にあるのは工事現場での過酷な実態がある。「熱中症になったり、休憩時も日陰で過ごせない環境が多く、なり手不足もある。そこでこのクルマで格好良く一緒に働きたいと思ってもらいたい、働き方を変えたいという目的だ」と説明するのは、ダイハツのブランド推進室に所属する米山知良さんだ。
箱の中には3段の棚を用意。オプションではあるが電子レンジと温冷庫とポットがあり、さらにテントも装備でき日陰を設けることで、しっかりとした休憩が取れる仕組みだ。
さらに、これまでの軽トラックの場合、荷物はそのまま荷台に置かれていたので、工具などがなくなったり、下敷きになって取り出しにくい状況もあったが、この棚で解決できるようにした。サイドには白板を設け事務所が設営できない場所ではツールボックスミーティングも可能とし、働き手と雇用側の両方にニーズが満たされている。
デザイン的にも、ヒストグラムを用いることで何ができるかを明示しており、クリーンにも感じさせ、利用者や現場周囲の評価も高いという。この箱自体はフォークリフトで乗せ降ろしが可能なようにスリットを設け、サイズもハイゼット以外でも積載可能だ。
ボランティア活動の経験を生かして
災害救助車では、実際に現地に出向き活動を行っているハイゼットトラックリフトを改造した災害支援車が出展された。ダイハツの工場がある北九州で筑後川水系の氾濫などを経験しており、ダイハツではボランティア活動やその運営に携わるコーディネーター研修なども受け、活動している。このクルマもそういった経験や社会福祉協会や市、NPO団体と何が必要かを検討しながら作り上げた。
その経験で生かされたひとつに分電盤がある。現場でボランティアがリールコンセントをたこ足配線で利用していたところ、ボヤ騒ぎがあったそうだ。そこで、分電盤とともに、コンセント1個にひとつしか挿したらダメという運用ルールも作っていったという。
また昨年は能登へもボランティアセンターを立ち上げに行った。そこで初めて経験したのは冬という季節だ。そこでスリップの恐れがあるのでチェーンやスタックヘルパーなど冬に対する装備も必要だと気づき、アップデートしていっているそうだ。
さばいどる・かほなんさんとコラボレーション最後は防災啓発活動に使われているアトレー・ワイルドレンジャー2だ。YouTuberでタレントでもあるさばいどる・かほなんさんとコラボし、防災資格を持った彼女と一緒に考えたクルマで、市やテレビ放映、アウトドアイベントなどで防災の啓発活動の一環としてこのクルマを使っているという。
今後発売予定のハードカーゴ社製のルーフキャリアやタイヤを14インチにアップすることで走行安定性を高めている。また荷室にボックスを備え、そこに防災アイテムが入っている。例えば消火器やジャッキ、電源も備えられているほか、チェーンソーやスコップ、斧も整理されて搭載。こういったアイテムなどもさばいどる・かほなんさんの提案などを受け乍ら作り上げた。
これまでダイハツは実際にできそうな装備でのカスタムを多く提案してきたが、今回は地域に寄り添い、日々の暮らしを守るべく実際に使っているクルマをチョイス。従ってミライースGRコンセプト以外は、すべてナンバーが付いている。
米山さんは、「ダイハツは普段からこういう活動していることを皆様に知ってもらう機会にしたかった」と述べるように、影になり日向になり人々の生活をしっかりと見つめているダイハツの姿勢が感じられた。
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みんなのコメント
ヴィヴィオで出したほうが良くね