敵はアルファード&ヴェルファイアか!? 日本限定の超豪華仕様に迫る!
豪華な2列目シート
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機能的でいて、ぜいたく。これみよがしの”オラオラ感”はないけど、デカいスリーポインテッドスターが存在感を主張する。ミニバンのなかで、サイズも価格も、ひとつの頂点ともいえるメルセデス・ベンツ「Vクラス」は、独自のバランス感がいいのだろう。
なかでも、ぜいたくをきわめた仕様が欲しいひとには、2022年2月18日に発売された「V 220 d エクスクルーシブ ロング プラチナスイート」がよさそうだ。最大の特徴は“スイート”(特別室)というサブネームのとおり、居心地のよさを追求した2列目のシートにある。
見た目からして特別感が横溢しているナッパレザー張りのシート。プラチナスイートの第2列には、アームレストをそなえたキャプテンシートタイプが2つ並ぶ。電動でリクライニングするうえにヒーター機構なども備わる。
トヨタ「アルファード」にも似たようなキャプテン・シートがある。機能面ではアルファードが一歩リード。座り心地では(体格や好みにもよるが)メルセデスのほうが良いかもしれない。レザーのクオリティの面ではメルセデスのほうが上のような気がする。
このシートに身を落ち着けると、たいへん気分がよい。さらに、めいっぱい後ろにスライドして足元をうんと広くし、メルセデス・ベンツ独自の電動シートアジャスターを操作してバックレストを倒していくと、まんまラウンジチェア、いや、ベッドの感覚だ。
試乗車には「エクスクルーシブシートパッケージ」が標準装備。パワーアジャスト機能、シートヒーター、シートベンチレーター、メモリー機能、リラクゼーション機能、オットマン、フットレスト、それにふかふかの枕のようなヘッドレストクッションなどで構成されている。
私はVクラスというと、2列目シートが180度回転して後ろを向き、6人で対座していられる仕様がもっともなじみが深い。海外に行ったときシャトルサービルを利用すると、この仕様が多いからだ。日本でももちろん買うことが出来る。
今回のプラチナスイートは、自分が睡眠時間をぎりぎりまで削っているような仕事人なら、ぜひ選びたい。移動中にすやすやと寝ていけたら、どんなにか快適だろうと、短い時間だけど、後席の乗員になれたとき、つくづく思った。
リクライニングしたときに気になったのは、エアコンの吹き出し口が頭の上にくるせいか、吹き出し音がかなり大きめだった点だ。ノイズキャンセラー付きのヘッドフォンでガマンしよう。
魅力的な新世代ディーゼル
あたらしいV220dは、新開発のディーゼルエンジン搭載だ。車重が2540kgあるのに、力強く走るなぁと感心したあと、エンジンの詳細をみたら、排気量はわずか1949ccとあって驚いた。
最高出力は120kW(163ps)で、最大トルクは380Nm。3列シートにもおとなが3人並べる仕様ではあるが、まあ、おとなが4人なら、楽々と交通の流れをリードできるほどの力強さだ。かつ、ディーゼル特有のノイズは、ほとんど気にならない。
ちょっとマニアックなことを書き足すと、ひとことでいうと、進化したディーゼル・エンジンだ。シリンダーブロックとピストンに熱膨張率の異なる素材を採用し、加えて、表面コーティング「NANOSLIDE」で、摩擦を低減し効率性を向上していると謳う。
排気の浄化も、現在、重要なテーマだ。このV220dでは、排出ガス浄化経路の短縮や「sDPF(DPF with SCR Coating選択触媒還元法コーティング付粒子状物質除去フィルター)」を採用。「欧州において導入されているRDE(実路走行試験)規制に適合したエンジンです」と、メルセデス・ベンツ日本では紹介している。
乗り心地もイイ!
乗り心地も特筆点だ。乗員の姿勢はつねにフラット。そもそもVクラスはリムジンというより、大人数を運ぶピープルムーバーなので、乗車人数が少ないと、ぽんぽん跳ねぎみになっても不思議じゃない。ところが、このクルマは、たとえば……「Eクラス」なみに乗り心地がよい。
非常によくしつけられたサスペンションだ。路面にかかわらず、乗員が揺さぶられることは、少なくとも東京の市街地と首都高では経験しなかった。つまり、たいていの道で、安定して快適な走りを味わわせてくれるはずだ。
ドライバーが退屈か? というと、操縦が意外なほど楽しい。力のあるエンジンとかなり剛性感の高いシャシー、ロールを抑えたサスペンションの設定などのおかげで、いいペースで走れる。
車重が重いので、いい気になってとばさないほうがいいだろうが、ひとことでいって洗練度がうんと上がっている。
ダッシュボードは「カーボン調」とよばれるややメタリックな質感で仕上げられている。4つの円形エアアウトレットを中心に、曲面を使ってかなり立体感を作りだしているのが、質感をうんと高めている。
会話型コマンドが使えるMBUX、解像度がとても高いデジタルリアビューミラー、それにダッシュボードのスイッチで後席左右スライドアの開閉をコントロールできるなど、実用性の高い装備を多くそなえる。3.2リッターの容量をもつ冷蔵庫付きセンターコンソールと、温冷機能付きカップホルダーなども重宝するはずだ。
燃費はリッターあたり12.9km。5155mmの全長と、さきに触れたとおり2540kgの車重を考えると、これでもりっぱな数値だと思う。
価格は1205万円。こちらもりっぱだ。
文・小川フミオ 写真・小塚大樹
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みんなのコメント
しかし設計が古すぎ。新しいプラットフォームと、アジア向けのデザインと装備を取り入れたら
トヨタの上に立てるよ、メルセデスさん。