第18回北京国際汽車展覧会(北京モーターショー:オート・チャイナ)が2024年4月25日~5月4日の日程で、北京中国国際展覧中心順義館で開催された。上海モーターショーと並んで今では世界最大規模となった北京モーターショーは、新型コロナウイルスの感染拡大による延期・中止を挟み、2020年秋以来、約3年半ぶりの開催である。
今回のモーターショーのテーマは「新時代・新汽車(新しい時代、新しい自動車)」とされ、主催者によると参加企業は世界の自動車メーカー、サプライヤーなどで合計1700社に達しており、ワールドプレミアが117台、そのうちグローバル自動車メーカーによる発表は30台となった。また、コンセプトカーは41台が出展された。
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登場したニューモデルでは、新エネルギー車(EVとPHEVの意味)は278台であった。また、中国のモーターショーでは、かつては過激な衣装の女性コンパニオンも話題を集めたが、今回は女性モデルやコンパニオンは大幅に少なくなり、展示車両の説明員や商談スペースの充実化が図られているのも注目点だ。
■中国メーカーのトレンド
現地で最も注目を浴びたのは小米(シャオミ)だった。シャオミ初のEV「SU7」は3月末に発表・発売を開始したが、4月24日までに予約金支払い済みは7万5000台に達し、販売開始から28日間で5781台を納車している。自動車メーカーは、通常、発表から納車開始までにかなりの時間を要しているが、シャオミはすでに生産ラインを稼働させており、発表直後から納車を開始できる体制を構築。大都市では早くもその走る姿が見られるようになっているのだ。
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さらに発売価格が事前の予想よりかなり低価格になっていたこともあり、ブースには大群衆が集まり、さらに中国のスティーブ・ジョブスと呼ばれ、カリスマであるレイ・ジュン(雷軍)CEOが登場すると会場は異常な熱気に包まれた。
また、新エネルギー車販売で世界No1を成し遂げたBYDは、BセグメントのEVを200万円台の価格で登場させ、同時に最新のPHEVモデルも多数ラインアップしている。新開発の熱効率40%というエンジンを搭載するPHEV(DM-iと呼ぶ)は100万円台のエントリーモデルから、上級モデルまでラインアップしており、展示されたモデルではEVと最新PHEVが半々となっている。
BYDは、新エネルギー車のフルラインアップを行なうと同時に、高級車ブランド「仰望(ヤンワン)」、「DENZA(デンツァ)」も展開しようとしており、中国の既存自動車メーカーを凌駕する勢いを見せている。
もちろん中国の自動車メーカーもこぞって最新のEV、PHEVモデルを出展し、特に低価格のEVやPHEVのエントリーモデルや、進化したインフォテイメントをアピールした。
■日本メーカーの挑戦
年間販売台数3000万台オーバーという巨大な中国市場で、一時はシェアを伸ばしてきた日本の自動車メーカーだが、新エネルギー車が急速に拡大したここ3、4年は日本の自動車メーカーも販売の低下が顕著になり、三菱自動車は中国市場から撤退した。
トヨタ、日産、ホンダ、マツダは中国戦略の見直しが迫られ、新エネルギー車の新たな投入は必須となっている。
トヨタは、BYDと現地法人、現地開発チームによる共同開発により「「bZ3C」、「bZ3X」を送り出した。また、遅れを取っているソフトウエア定義車(SDV)のためのクラウドやAI技術、ソフトウエアに関しては中国IT大手のテンセントとの提携を発表した。
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日産は、北京モーターショーで2026年度までに6車種の新エネルギー車を投入すると発表し、4車種の新エネルギー車、2車種の電気自動車(EV)と2車種のPHEVのコンセプトカーを発表した。
そして低下しつつあるブランド・イメージを向上させるために新たなブランドキャンペーン「Excitement by Ni」を開始している。また、ソフトウエア定義車(SDV)を早期に実現するため、中国の大手IT会社「百度網絡科技(バイドゥ)」と提携し、AI、車両の知能化などの開発を加速させるとしている。
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ホンダは、EVのeNシリーズ第2弾で、まもなく発売する「e:NP2」と「e:NS2」を発表した。このニューモデルは、発売キャンペーンとして通常より3万元安い割引価格をアピールいている。
ホンダ2027年までに10機種のEVの投入を予定しており、2035年までにEVの販売比率100%の達成を目指しており、EVの新シリーズとなる「Ye」シリーズの・コンセプトカーがベールを脱いだ。
eNシリーズは、シリーズ専用の「e:N アーキテクチャー」と呼ぶプラットフォームを採用しているが、次世代の「Ye」シリーズは現地開発の新EVプラットフォームを採用。イメージを一新する新しいホンダ像を表すために新しい「H」ブランド・マークも発表している。
そしてホンダは、現地のファーウェイ(華為)、深セン市航盛電子(HSAE)、科大訊飛(iFLYTEK)と提携し、各社のインフォテイメント、AIの先進技術を「Ye」シリーズに投入するとしている。
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マツダは、提携メーカーの重慶長安汽車と共同開発したEV、PHEV仕様の「EZ-6」を発表し、2024年中に発売するとしている。重慶長安汽車の電動技術やインフォテイメント技術を採用した「EZ-6」は従来のマツダ6の後継モデルである。また2025年に発売予定の「MAZDA 創 ARATA」をコンセプトカーとして出展した。この2車種が、中国におけるマツダの生き残りをかけたモデルとなている。
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このように、日本メーカーは、いずれも現地メーカーとの共同開発に加え、現地の大手IT企業と提携し、インフォテイメントを含むソフトウエア・ディファインド・ビークル(SDV)の開発を急ぎ、退潮トレンドにブレーキをかけようとしているのが注目される。
北京国際汽車展覧会 公式サイト
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みんなのコメント
燃費や壊れにくさ、といった消極的な理由で選ばれてきた日本車。
他国ではフォロワーを産まなかった「ハイブリッド」というガラパゴス技術に注力しすぎ、グローバルでのEV化の流れに取り残されてしまった日本車。
目標としていた欧州車にはついに追いつけず、EVの性能では10年遅れと言われる日本車。
まさか、中国、韓国車にまで性能で追い越されるとは思わなかった。
このままではトヨタのBYDグループ入りは噂だけではないだろう。いまだグローバルでのEVのヒット作が皆無の日本車。日産サクラがスマッシュヒット!などと騒いでいる時点で終わっている。
とにかく残念。