現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > EVも使い方次第で「夏の電力不足」に貢献! クルマでできる「節電」を考えてみた

ここから本文です

EVも使い方次第で「夏の電力不足」に貢献! クルマでできる「節電」を考えてみた

掲載 5
EVも使い方次第で「夏の電力不足」に貢献! クルマでできる「節電」を考えてみた

 この記事をまとめると

■8月に入り、電力不足を心配する声が大きくなっている

猛暑で電力不足の危機! 「電力需給ひっ迫注意報」が出てるのにEVに乗るのはアリ?

■夏の電力消費の約3分の1がエアコンによるもの

■自動車オーナーができる節電について解説する

 夏は一日4kWh程度の電力をエアコンによって消費している

 8月になって電力不足を心配する声が大きくなっている。岸田首相が原発再稼働について具体的なスケジュールなどを指示したという報道もあるが、タイミング的には冬季の電力需要増には対応できても夏場の電力不足をカバーするには間に合わない。

 さて、夏場の電力需要が増える主な原因は冷房(エアコン)なのはいうまでもない。一般家庭における電力消費のおよそ3分の1がエアコンによるものになっているという。電力量でいえば、毎日4kWh程度を家庭用エアコンで消費しているといえる。

 とくに一日の中で、電力消費のピークとなるのが14時頃だ。やはり気温の上がる時間帯には、冷房に要するエネルギー(電力)が増えてしまうと捉えることができる。

 こうした夏の電力不足に対して、自動車オーナーが節電に協力できるようなことはあるのだろうか。

 まず直接的に有効なのは、電力消費をシフトすることだ。

 冷房を我慢して消費電力を減らすのも、それに耐えられる人ならいいが、熱中症などで倒れてしまうと、さらに医療行為などでの消費電力が増えてしまう。がんばり過ぎるのもかえってNGといえる。暑い盛りの時間帯にもエアコンを使用しつつ、消費電力を減らす方法を考えなくてはいけない。

 そうした方法のひとつが、電気自動車(EV)を蓄電池設備として利用して、電力消費の時間帯をシフトするという手段だ。これをV2H(ビークル・トゥ・ホーム)という。

 夜間など電力需給に余裕のある時間帯にEVのバッテリーを充電しておいて、その電力を昼間に利用することにより、エアコンなどの利用を我慢することなく、電力需給のひっ迫に対してポジティブな効果を生むことできる。

 ただし、このためにはV2Hと呼ばれる機能を実現する設備の導入が必須となる。そして、V2H機器の導入には数十万円のコストが必要である。

 地方自治体によっては数十万単位の補助金が期待できることもあるため、実質的な負担はそれほどでもないが、節電に協力するためにV2Hを導入しようというマインドであればいいものの、コストパフォーマンスを優先して考えるタイプのEVユーザーにとっては積極的に導入したいとはならないだろう。

 キャンプや車中泊は節電系レジャーだ!

 そもそもEVやPHEVのユーザーでなければV2Hは導入できない。エンジン車ユーザーは節電に協力できることはないのだろうか。

 たとえば、地域によって電力需給のひっ迫リスクは異なっている。経済産業省の発表によると、電力需給の安定供給指標である予備率について、8月の東京は4.4%ということだが、北海道は12.5%と余裕しゃくしゃくの状態となっている。

 夏場のドライブ目的地を避暑地にすることで、電気を使うユーザーである自分自身をシフトするというのも、大きな意味では節電的な行為といえるかもしれない。

 新型コロナウイルスの流行により、リモートで働くというスタイルが増えてきているが、ワーケーション(ワークとバケーションを合わせた造語)といってリゾート地でテレワークをするといったトレンドも生まれている。

 単なる気分転換や新しい働き方としてのワーケーションではなく、電力需給を考慮して冷房を使わずに済むような避暑地へクルマで移動するというのも、節電につながるだろう。

 近年、キャンプや車中泊も流行しているが、これらは基本的にアンプラグドな行為であり、節電につながるレジャーといえる。

 これまた目的地に涼しい場所(避暑地や山中など)を選べば、夜も快適に過ごせるだろうし、アウトドアで過ごしている間においては電力消費をゼロとできるわけだから、節電に協力しているといえなくはない。

 というわけで、今年の夏は“節電に協力する”ために避暑地に向かってドライブして、アウトドアレジャーを楽しむというのが自動車ユーザーのすべき、クルマの楽しみ方なのかもしれない。

 ちょっと無理やりな感じもあるが、少なくともクルマで移動している時間帯においては、電力消費を減らしているのは間違いない。冷房の効いた家でゴロゴロしていたくなる暑い日だからこそ、積極的にドライブを楽しむのも悪くなさそうだ。CO2排出削減という世界的なテーマに対してはネガティブな行為からもしれないが……。

関連タグ

こんな記事も読まれています

中国吉利の主力セダン『エムグランド』、世界販売386万台…現行型はEVやPHEVも設定
中国吉利の主力セダン『エムグランド』、世界販売386万台…現行型はEVやPHEVも設定
レスポンス
え、そんな大変なことになるの….. エンジンに重大なダメージを与えかねえない[ノッキング]の恐怖!!
え、そんな大変なことになるの….. エンジンに重大なダメージを与えかねえない[ノッキング]の恐怖!!
ベストカーWeb
【MotoGP】ヤマハ、オランダGPで新型エンジンを投入。クアルタラロとリンス改善実感もTTアッセンでは効果控えめ?
【MotoGP】ヤマハ、オランダGPで新型エンジンを投入。クアルタラロとリンス改善実感もTTアッセンでは効果控えめ?
motorsport.com 日本版
えっ、雨の日は死傷事故が4倍!? よく聞く「ハイドロプレーニング現象」って何? スリップして事故らないために気をつけるべきポイントとは
えっ、雨の日は死傷事故が4倍!? よく聞く「ハイドロプレーニング現象」って何? スリップして事故らないために気をつけるべきポイントとは
VAGUE
ウイリアムズF1が新体制を発表。アルピーヌの元幹部など、ライバルチームから多数の人材を採用
ウイリアムズF1が新体制を発表。アルピーヌの元幹部など、ライバルチームから多数の人材を採用
AUTOSPORT web
セドリック・グロリア、この2台体制が贅沢過ぎてたまらん!! てかセドグロってやっぱY32が一番じゃん!?!?
セドリック・グロリア、この2台体制が贅沢過ぎてたまらん!! てかセドグロってやっぱY32が一番じゃん!?!?
ベストカーWeb
クロカンSUVがもつもうひとつのシフトレバー! 副変速機って何? トランスファーと何が違う?
クロカンSUVがもつもうひとつのシフトレバー! 副変速機って何? トランスファーと何が違う?
WEB CARTOP
ステランティス 国内ラストとなるシトロエンC3を発売
ステランティス 国内ラストとなるシトロエンC3を発売
Auto Prove
「バス専用マス」に停めないで… 高速バス「休憩」の死活問題 空いてるエリアに行け?難しいんです
「バス専用マス」に停めないで… 高速バス「休憩」の死活問題 空いてるエリアに行け?難しいんです
乗りものニュース
外環道や圏央道……[シールドトンネル工事]で重大事故が多発しているのはなぜなのか?【清水草一の道路ニュース】
外環道や圏央道……[シールドトンネル工事]で重大事故が多発しているのはなぜなのか?【清水草一の道路ニュース】
ベストカーWeb
日産 インフィニティ フラッグシップSUV 「QX80」を発表
日産 インフィニティ フラッグシップSUV 「QX80」を発表
Auto Prove
マツダ新型「スポーティ“セダン”」初公開!? 迫力エアロの「BP-07」!  精悍リアスポも超カッコイイ「マツダ3」登場へ
マツダ新型「スポーティ“セダン”」初公開!? 迫力エアロの「BP-07」! 精悍リアスポも超カッコイイ「マツダ3」登場へ
くるまのニュース
何度乗っても良いバイク! BMW Motorradの『G310R』に試乗するよ!~高梨はづきのきおくきろく。~
何度乗っても良いバイク! BMW Motorradの『G310R』に試乗するよ!~高梨はづきのきおくきろく。~
バイクのニュース
伝統の鈴鹿1000kmがついに復活! 2025年9月にインターコンチネンタルGTチャレンジの1戦として開催
伝統の鈴鹿1000kmがついに復活! 2025年9月にインターコンチネンタルGTチャレンジの1戦として開催
motorsport.com 日本版
新型[マツダ6]がカッコ良すぎるだろ!! 満タン[1000km超え]を実現!? 2025年に日本導入か
新型[マツダ6]がカッコ良すぎるだろ!! 満タン[1000km超え]を実現!? 2025年に日本導入か
ベストカーWeb
トヨタ『セリカGT-FOUR』再来プロジェクト進行中!! 『GR 86』に『GRカローラ』のパワートレイン移植
トヨタ『セリカGT-FOUR』再来プロジェクト進行中!! 『GR 86』に『GRカローラ』のパワートレイン移植
レスポンス
【スズキ GSX-8R 試乗】フラッグシップよりも重要なもの…鈴木大五郎
【スズキ GSX-8R 試乗】フラッグシップよりも重要なもの…鈴木大五郎
レスポンス
「実質タダで乗れてサイコー!」 新車価格より“高く売れる!?” 「資産価値の高い」国産車3選
「実質タダで乗れてサイコー!」 新車価格より“高く売れる!?” 「資産価値の高い」国産車3選
くるまのニュース

みんなのコメント

5件
  • 夏のピーク需要は電気自動車と外部給電を需給に合わせて使えば貢献できる可能性があるけど、電気自動車の充放電タイミングを細かく指定されて利用者は社会に貢献しているかもしれないという自己満足感しか得られないから、いつどのように使っても電気を食わないことが保証されるエンジン車でいいんじゃないか...。
    どのみち総発電量が不足する冬のピークではどの時間帯に充電しても電気自動車は負荷になる。
  • キャンプ場に行くのに、家庭用エアコン何日分が必要になるのか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

413.0838.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

350.0350.0万円

中古車を検索
テーマの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

413.0838.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

350.0350.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村